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■気の迷い■
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◆Panasonic充電器 BQ−390 個別充電表示化改造 ◆
(今回改造部品代 77円) 検証 「秘密の満充電維持機能!?」+「どこまで充電できる?」 ※ タイマー実験以降を追加しました (06/5/12)
※ 5/20の更新を反映 (06/5/26)
※ デジトラ互換表を掲載 (07/1/14)
ニカド/ニッケル水素充電池用の充電器は各メーカーから多数発売されています。
私が普段使用しているのはPanasonic製のBQ−390という充電器です。 ニカド&ニッケル水素電池対応の急速充電器で、2600mAhの電池まで正式対応しています。もちろんエネループやパナループの充電もOKです。果たしてどこまでの大容量電池まで充電できるのかはこのページのラストに… もう発売からかなり経ちますがつい先日までPanasonicの充電器の同クラスの中では最新の物でした。(つまりそれくらい新製品が出ていなかった…) 急速充電、小型軽量、電源プラグは折り畳み式で持ち運びに便利、海外でも使えるオート電圧(100-240V)と性能的には申し分無いのですが、他社製品や最近発売されている新型(BQ-396/BQ-391)と比べて1つ足りない物があります。 それは「個別充電表示ランプ」の存在です。付いていません。 せっかく充電は電池1本づつ独立制御されているのに、表示ランプは1つだけで同時に複数本の充電をしている時にどの電池が充電中なのか、どの電池が終わったのかがわかりません。 新型(BQ−396)では液晶表示で4本別々に充電の進行状況まで確認できます。
個別表示があるとないとでどういう違いがあるのでしょう。 たとえば4本充電時、全部の電池が揃って使用されていて特に問題無く充電完了すれば良いのですが、その中の1本だけ不良になりかけでごく短時間で充電が終了してしまっていても、ランプが1つだけでは全部の充電が終ったことしかわかりません。( 完全に不良な電池がある場合はランプが消えてエラーとなります) また、電池の端子は手の脂などで意外と汚れやすく、目で見ただけでは別になんとも無いように見えますが実は汚れや端子金属の酸化で抵抗値が上がり、正常に充電し難くなっている場合があります。 汚れた電池ではスロットにちゃんと挿したつもりが汚れのせいで電流が正しく流れず、感知されずに充電が開始されていなかった!なんて事も起こります。他の電池は感知されているので元からある充電中LEDは点滅をはじめますから、見た目は全部の電池が充電されているように見えますが実は1本だけ充電されていなくて、充電が終って取り出して使用機器に入れたらいきなりバッテリー残量警告が出てアウトということになります。 警告が出て使用が止まるならまだしも、複数本の電池を直列に入れる機器でもし機器が動作して電流が流れてしまえば、充電されなかった電池には+と−が逆方向に充電しようとする電流が流れてしまい、結果的に転極という症状になって使えなくなってしまったり、最悪は液漏れ・破裂・爆発をしてしまうこともあります。 こういう時も、個別にランプがついていたら「ああ、ちゃんと全部に充電してるな」と目に見える安心で精神的にも良好です。 そこでBQ−390に個別充電表示ランプを追加し、各電池の充電状態を表示する機能を追加しました。 上の画像のオレンジ色のLEDが左から順に点滅しているのが改造後の状態です。 電池1本づつに順番に(パルス状に)電流を流し充電している様子が手に取るようにわかります。1〜2本の場合と3〜4本の時は切替タイミングが変わります。 充電が終ればその電池の上のLEDは点灯しなくなりますので個別に充電が終ったことがわかります。 (そして全部の充電が終わると、説明書には書かれていないある行動が!)
![]() 「分解、改造しない」 メーカーは分解や改造を禁止しています。 もし分解や改造を行えば、故障や不具合に対してメーカー保証は効かなくなります。 改造に失敗すると故障して使えなくなる場合もあり、その場合もメーカーで(保証外の有償修理でも)修理を受け付けてもらえない場合があります。 また改造が原因の 「死亡」 「ケガ」 「感電」 「ショート」 「発火」 「有毒ガスの発生」 「爆発(電池の爆発も含む)」 「家が焼けて無くなる」 「精神的に落ち込む」 「悪霊に取り憑かれる」 ほか、全ての不具合に対しての責任は改造使用した本人の自己責任となります。 特にこの装置はコンセントからのAC100Vを直接扱う回路が基板上に混在していますので、取り扱いを間違えると大きな事故につながります。 当ページを参考にご自分で改造を行われる場合は、事故の無いよう十分に改造内容や電気知識の勉強をされた上で行ってください。
![]() 中身は1枚の基板に全ての回路や部品が載っています。 コンセントプラグの部分だけ回転式になっている為に別パーツですので、ネジと一緒に保管して無くさないようにしましょう。(小さなロック用パーツが簡単に外れてしまいます) 1つ前の型の充電器BQ−370と比べると部品点数が約半分くらいになっていて、非常にすっきりしています。基板も両面基板から片面基板となりコストダウンされています。 基板の上1/3程度、横穴が空いているところより上が電源部、下が充電器回路となっています。 電源部の左側がAC100Vから低電圧に変換するスイッチング電源になっています。 スイッチング電源ではトランス式電源と違い回路の大半(一次側)にAC100Vが直接かかっています。この部分を間違ってショートしたりするとたいへんなことになりますので注意してください。 右側の狭い三角形(っぽい)の部分に二次側のレギュレーター等があり回路電源(5V)と充電電源(1.6V)を作っています。 下側の充電回路部を見てみましょう。 中央左に見えるいちばん大きなICが充電器をコントロールしているワンチップマイコンです。その周辺に4ユニットぶんの充電制御回路がそれぞれ配置されています。 右側に見えるICは電圧検出をする為の回路を作っているデュアルオペアンプLM358(互換品のローム10358)です。前機種のBQ−370ではクワッドタイプのLM324が使われていましたので、回路改良で約半分の部品で済むようになっています。
さて、いつものように基板パターンを追って回路図を書きます。
![]() 電池への充電は電源からパワートランジスタを通じて行われ、電流を流す/流さないはパワートランジスタをワンチップマイコンからコントロールしています。 (同じ回路が4ユニットあります) ※ この回路図では充電電流の制御を行っている部分や電圧検出部
は記述していません。今回必要な部分のみ掲載しています 個別充電表示LED用の信号を取り出せるのはA点とB点の二箇所です。 今回はA点を利用することにします。 実は前回のBQ−370の改造の際はB点を利用して、ドライバ・トランジスタでパワートランジスタと個別充電表示LEDの両方をドライブするようにしたのですが、電源を充電用電源から取るために電圧が低く、かろうじて赤色LEDが点灯する程度でしかドライブできずにかなり暗い光り方でした。 ※ BQ−370の改造記事は本ページの末尾に
今回はそのような手抜き(苦笑)をせずに、まじめにLEDドライバを組んで点灯させます。世の中まじめが一番です。 ![]() A点は「充電していない時に0V」「充電している時はプルアップ抵抗を通じて回路電源の電圧がかかっている」という状態になりますので、A点に接続したデジトラはドライブ用トランジスタと同じ動作をして「充電していない時はOFFで電流を流さない」「充電している時はONでLEDに電流を流す」という働きをします。 今回はLEDの電源は回路電源の5Vから取りましたので、非常に明るく点灯させることができかなりキレイです。(BQ−370も手抜き改造じゃなくて、改造し直そうかな?) LEDドライブ用にデジトラ(2SC3402)を使用します。 デジトラはデジタルIC回路での使用を前提にバイアス抵抗などが内蔵されたトランジスタです。外付け抵抗を用意しなくても良いのが便利です。今回のように部品を組み込む場所が限られている時などには特に重宝します。 2SC3402で無くてもNPNタイプのデジトラでしたら互換品(RN1202)でも構いません。ほかの似た定格のものでも動作します。単に手持ちの物を使っただけなので…。
R1が大きいほど元の充電器回路への影響は少なくなります。但しベース電流は減りLEDに流す電流が減りますので暗くなります。 デジトラが購入できない場合は、普通の小信号用トランジスタ(2SC1815等)とベース抵抗R1(10KΩ)でも大丈夫です。狭い場所に入れる部品数が増えますが… ※ TOSHIBA製品は12×シリーズが小型です
[追加ここまで]
それでは追加回路を作って組み込んでゆきます。
![]() 前回のBQ−370では一回り大きかった事もありケースの中にLEDや抵抗を置いたり配線のとり回りをするのに結構余裕がありました。 今回のBQ−390は小型化が進んでいてケースの中にもほとんど追加部品等を配置する「隙間」がありません。基板上の部品の高さとケース天井の隙間がかろうじて数ミリほどある、ケース表面から見て6つのくぼみが並んでいる上側の3つの脇にします。 デザイン的には下側の3つのくぼみと並べたほうがすっきりするのですが、残念ながらその位置だと電源部の電解コンデンサと当たってしまい蓋が正しく閉まりません。 使用するLEDは直径3φのオレンジ色LED(別に赤でも緑でも青でもいいです、あ、青だと制限抵抗の値を変える必要が)で、透明モールドタイプにします。 透明モールドタイプにするのは、BQ−390(W)のケースがパールホワイトなのでここにニョキっとオレンジや赤の濃い色のモールドの頭が見えていては雰囲気を損なうからです。(ただの趣味…) ケースにドリルで3φの穴を4つ空けたら、次はLEDとデジトラを組み込む用意をします。 ![]() LEDは同時には点灯せず、どれか1つしか点きませんので制限抵抗は1個だけにしてLEDのコモンに接続します。部品点数の削減ができます。 部品代はデジトラ8円×4個、LED10円×4個、抵抗一本5円、合計77円です。 配線材は手持ちの余り物を使用。0円。 ユニットを組んだら、ちゃんとケース穴にはまるかをよく確かめ、OKならハーネス配線を取り付けます。 配線は色分けして4ユニットある充電回路の何番目の表示を行うかを間違えないようにします。今回は色つきフラットケーブルの端切れを利用しました。(よく使う手です) ![]() A点の信号はワンチップマイコンの脇に並んでいるプルアップ抵抗の足のランドが少し広くなっていますのでそこにはんだ付けします。 チップ部品の横(というかチップ部品をはんだ付けしているポイントそのもの)でのはんだ作業ですから細心の注意を払います。 回路電源とアース(GND)は電源部のレギュレータから各回路に向かわせるパターンで、ジャンパー線が張られているランドを利用します。 チップ部品ではなく、比較的大きなジャンパー線の足の裏になるのでここははんだ付けが楽です。 全ての配線が終ったら、もう一度目視で配線間違いが無いか、チップ部品横のぱんだ付けで隣とショートしていないか等を何度もチェックします。 ここでチェックを怠ると「壊れる」「火を噴く」「人生が不幸になる」などたいへん嫌な事がこの後に起こります。 チェックがOKなら通電テスト。 写真がありませんが、ハーネスを外に出したまま(まだ穴に取り付けない)ケースを仮に閉じて電源コンセントに挿します。 家中の電気が消えたり、充電器がピカッと青白く光ったり、変な音がしたり、煙が出たり、えもいえぬ香りが漂ってきたり、エクトプラズム(浮遊霊体)が出現したり…しなければ、電池をスロットに挿して正しくそこに対応したLEDが光るか確かめます。 電池は1本で4スロットに順に差し替えてチェックします。同時に2つのLEDが光ったらチップ抵抗横のはんだがブリッジ(隣まで繋がる)してしまっています。オープンコレクタタイプの出力なので瞬間的にショートして壊れることは無いはずですが、すぐに電源から抜いて修正しましょう。 LEDが正しく1つづつ光れば、次に電池に正しく充電用の電圧がかかっているかを確かめます。 記事では割愛していますが、充電回路の動作時の各部品・電池にかかる電圧や電流は全て測定しています。その上で問題無い範囲で追加部品を選定していますので配線間違い・はんだ付け不良等が無ければ正しく電池に充電電圧(約1.6V)がかかっているはずです。 電圧が計れない場合は、実際に電池を充電してみてちゃんと充電されるかを確認するしか無いでしょう。 ![]() 穴にLEDを差し込んできっちり奥まで押し込みます。ケース内に余裕がありませんので各部品がぴったりケース内面に張り付くようにします。 ユニットを接着剤でケースに固定します。LEDがケース表面から少し出ていますので、外から押されてユニットが内部に飛び出すことが無いようにしっかり接着します。 接着したらユニット全体を絶縁テープかビニルテープで覆います。 ユニットを取り付けた場所はAC100Vがかかっている電源の一次側の真上ですから、もしユニットが少しでも動いて電源側の部品に触れたら・・・・ピカっ! そんな事が無いようしっかり絶縁します。 ![]() 絶縁が終ったら基板をケースの元の位置にはめて、組み込み作業は終了です。 追加した配線は電源の一次側の部分を通らないよう注意して取り回します。 蓋を閉める際、基板の横を通っている配線とケースの間の隙間も本当は線を通せるほどの隙間はありませんが、まぁそこは壊さない程度の力ずくで…。 ケースを閉じたら最終チェックです。実際に電池をセットして充電をしてみて、充電時間が改造前と変わっていないか、充電中に煙が出たりはしないかなどをチェックします。 表示回路を追加したことで充電回路内の一部の電圧などが微妙に変わっています。追加部品を確定するまでに幾度もの実験で充電性能(時間や電圧・充電容量など)には影響が出ていない事を確認していますが、充電器の個体差や配線のとりまわし、部品に互換品を使った場合の差異、ユニット作成時の腕前(?)などにより性能が本来より低下する可能性も否定はできません。
個別充電表示つきBQ−390が完成しました。
充電中、LEDがピカピカと点滅するのを見ていると本当に「充電してるんだなぁ(しみじみ)」と安心します。 ※ 画像は実際の光の写真ではなく画像加工しています。
![]() ![]() 画像は真ん中の2本の所に入れた状態のサンプルです。(Panasonicはどこに入れても良い) 2本が交互に充電されているのがわかります。 では1本を入れた場合は?(光っている所に1本) 点滅して2本の時と同じ周期です。 1本だと切り替えずにずっと充電しているように思うかもしれませんが、充電を終了する(満充電)かどうかをチェックするためには充電を一旦やめて、電池のみでの電圧を測る必要があります。(開放電圧測定法の場合) そのために充電サイクルと休止・電圧測定サイクルを交互に行っています。
![]() ![]() 2本の場合の倍の時間かかる理由がわかりますよね? では3本を入れた場合は?(いちばん右が空) 3本ぶんを順に回るのではなく4本と同じ周期に。 電池を入れていない1本ぶんのスロットも1サイクルとして使用されています。かなり謎です。 (もしかして、カタログやマニュアルに1〜2本時/3本時/4本時と充電時間を3パターンに分けて載せるのが面倒だから2パターンに絞っているとか…?) これが「1〜2本」と「3〜4本」時で充電時間が2倍違うカラクリです。
![]() ![]() 本来の緑のLEDは点灯しっぱなしになります。 追加した個別充電表示LEDは充電が完了しているのでもちろん全部消灯している・・・はず? ![]() ![]() なぜか個別充電LEDが点滅しています。 右の画像は電池を4本入れている場合です。 通常通り1周回って、そして1周ぶんの時間はお休み。 そして更に不思議なのは、たとえ1本しか電池を入れていない時でもこの周期は変わらないということです。(光っている場所に1本) 右の画像のように、上の画像(4本時)と同じ周期で1つだけ点滅します。 この点滅は何を意味しているのでしょう? この謎の点滅のをしている時には、1本の電池に流れる平均電流は充電電流の1/8で0.275Aとなります。 2600mAhの電池に対してこの数値は約0.1Cです。 つまり「標準充電」(0.1C充電)(10〜14時間かかる充電)を行っているのとほぼ同じことになります。(細かい部分では違いますが…) 2000mAhの電池でも0.136C以下ですので、今市販されている電池であれば電池容量が小さくいタイプてもそれほど(瞬間で電池を壊すほど)大電流ではありません。 これはもしかして、充電後も弱い充電を続ける「満充電キープ機能」? 説明書には何も書かれていません。 充電が終ったら電池を外すようにも指示されています。 試しに満充電後(30分くらい休ませて)で追い充電で短時間だけ充電する電池を2本用意し、同時に充電開始。 ほぼ同じ時間(初期動作の5〜10分)で満充電を検知して急速充電が停止した時に1本は取り外して充電完了時の電圧を測っておきます。もう1本は謎の0.1C充電状態のまま外さずに電圧を測定しそのままにします。 2時間経過した時点で謎充電電池も取り外してここで2本共電圧を測ります。 全部外してから更に30分間放置してから電圧を測ります。 ※ 充電器からとり外した時点での電圧測定は、短時間に急激に電圧が下がりますのでとり外した瞬間とほぼ安定するとり外して2分後の両方を併記します。
(測定時、室温21〜23度)
このデータを見ると、謎の0.1C充電は満充電状態を急速充電停止後もキープしているとの仮説が正しいようです。 キープというよりは、おおむね急速充電停止時より0.01Vほど電圧があがっています。(弱いとはいえ充電を続けているのであたりまえといえばあたりまえ)
調べてみると、BQ−390では電池の急速充電終了後約2時間30分の間はこのパルス・トリクル充電が行われ、2時間30分を過ぎると完全に全ての充電が停止します。ここにも安全タイマーが組み込まれていました。(これが約150%充電?) ![]() ![]() パルス・トリクル充電中も緑のLEDは点灯したまま(満充電表示)ですので、実際は個別LEDを付けるまではパルス・トリクル充電が行われてるまたは終了したことは全くわかりませんでした。 (前機種のBQ−370では行われていませんでした)
大容量電池を4本充電すると約5時間かかります。 ここで充電を停止した場合はその時点から電池の自己放電が始まります。 急速充電が終ってすぐに電池を取り出して、機器に入れて使用を開始すれば最も効率よく電池に蓄えられたエネルギーを使用することができるわけですが、なかなかそうはゆかないもの。 一般家庭では「寝る前に充電器にセットして、朝起きたら機器に電池を入れて出かける」というあまり急速充電の意味が無い使い方(?)をすることも多いのではないでしょうか。 そんな時、寝てから5時間後に急速充電が終ってそれから朝まで自己放電が進むのと、朝までパルス・トリクル充電で満充電時のパンチの効いたパワーが維持されているのでは多少なりとも違いが出るのではないでしょうか。 急速充電で充電後すぐに電池を使う人にも、一晩充電をする人にも最大限の充電池のパワーを提供する為にこの機能が密かに組み込まれているような気がします。 (この部分は本当に「気がする」推測でしかありません)
それなら何日でも満充電を維持できる「満充電キープ機能」(トリクル充電)のほうが良いような…あれ?
今回のBQ−390の改造を行う前に、前機種のBQ−370にも同様の個別表示化改造を行っています。
![]() ![]() こちらは回路図のB点(ドライブ用トランジスタ)で直接LEDを点灯させています。 上の改造記事中で書いた「手抜き」処理です。 LEDは2Vを切る低い電圧(定格では1.5V)でも点灯する赤色の中でも最も低電圧まで点灯するものを選びました。乾電池一本でも点灯する便利なLEDです。 LEDの制限抵抗を小さくすれば少しだけ明るくなりますが、小さくしすぎるとパワートランジスタの流す充電電流に影響が及んで正しく充電できなくなります。 ![]() 電源は充電用電源のジャンパー線のランドから。 追加するLEDと抵抗はBQ390の際と同じくユニットを組んでケースに空けた穴に固定します。 配線はやはり電源一次側の高圧部に近づかないよう細心の注意で取り回し、しっかり絶縁しておきます。
以前行ったタイマー実験のデータをここに掲載します。
BQ−370/390共に−ΔV方式の充電完了検出機能で満充電を検知して充電を終了していますが、他にも安全タイマー機能、温度検知機能で異常を検知して充電を停止します。 このうち安全タイマー機能はもし−ΔV方式で満充電を検知できなかった場合、永久に充電を続けたら電池が過充電になって破損(液漏れ・ガス噴出・爆発など)する事を防ぐ為ある一定の時間で充電を強制的に終了させる安全機能です。 いずれかの満充電検知機能の付いている充電器では普通は安全タイマー機能も併用していますが、この安全タイマー機能の為に充電器はその時間以上は充電できません。(あたりまえ) その為、電池が進化して大容量化した場合、同一充電電流であれば容量に比例して充電時間が長くなりますがタイマーで制限されているとその制限時間以上かかる電池は一回の充電(タイマー切れ)では満充電できないことになります。 メーカーの充電器対応表では「▲」マークで記されています。 実測では旧機種のBQ−370は安全タイマーは2時間10分(1〜2本時)です。 これは充電に約2時間20分ほどかかる2500mAhの電池を充電し、満充電になる前に毎回必ず充電が停止する状態を観測して調べたものです。 タイマー時間内に満充電できる電池は約typ2100(min2000)mAhまでです。 エネループやパナループでぎりぎりといったところでしょうか。 BQ−390を買うまでは2500mAhの電池の場合、使い切った状態では一回の充電で満充電にはならないので電源落としでタイマーを伸ばして充電していまた。 電源落としのテクニックについては後ほど説明します。 同じく実測でBQ−390は安全タイマーは2時間45分(1〜2本時)です。 こちらは2500〜2700mAhの単3電池では安全タイマー時間内に充電が完了してしまうので、2500mAhを2本並列で5000mAhの電池相当の充電回路を作って試験しました。充電池の並列使用・充電は危険です、良い子のみんなはゼッタイに真似をしないように! タイマー時間内に満充電できる電池は約typ3000(min2800)mAhまでです。 現在市販されている最大容量の2700mAhではまだ余裕があります。 メーカーの公式データでの充電時間と、充電電流値から求めた各電池の充電にかかる時間は以下の通りです。(紫の数字は概算値または実測値)
(全て1〜2本時、3〜4本時は倍の時間)
充電器が充電したい電池の容量に対応していれば良いのですが、上の表の濃いオレンジ色の部分のようにタイマー制限時間以上の充電時間がかかる場合、電源落としという方法でタイマー時間を延ばします。
※ メーカーによっては非推奨・禁止している場合があります。
充電器によっては電源を切る状態により正しく動作しない場合があります。 要は1回では満充電にならないので2回目の充電をして満充電になるまで続けるという簡単な事ですが、ここで注意が必要です。 充電に2時間20分かかる2400mAhの電池を、制限2時間10分の充電器で充電した場合、2回目の充電は10分必要となるのでタイマー切れ後に一度電源を切って再度充電を始めれば10分後には満充電で充電が完了する計算になります。 ![]() でもそれはあくまで電池が空っぽ(終止電圧まで放電)の場合の時間で、機器での使用後の電池ではそれよりもまだ電気が残っている可能性があります。 もしほんの少し電気が残っていて、充電に2時間10分で済む状態の電池を上に書いた方法で充電しようとすると、本当は1回目の充電で満充電になっているのにそれが本当の満充電終了なのかタイマー切れなのかはLED表示には出ないので全くわかりません。 ![]() 満充電なのに更に充電する、そう過充電の危険性があるのです。 さて、そんな2回目充電の過充電の危険性は回避できないのでしょうか? 元から対応していない電池に対して充電しようとしているから無理? いえいえそんな事はありません。 非常に単純な方法で過充電の危険性を(かなりの確率で)回避できます。 それは1回目と2回目の充電を切り替えるタイミングを変えるのです。 BQ−370の場合、2時間10分以上かかる電池のうち最大の2700mAh電池でも足りないのは30分です。短いものではわずか10分程度です。 この足りない時間を2回目の充電で補完するのではなく、1回目の充電で足りない分+αを入れてしまうことにするのです。 ![]() 2回目の充電では安全タイマーが働くまでの間に満充電時期が来ますから、過充電になることなく正しい満充電のタイミングで充電が終了します。 1回目と2回目の充電の間に時間を空けるのはあまりしたくはありません。 夜寝る時に充電する際など、タイマーが切れるまで1回目の充電をしてから2回目の充電をするのだと充電開始から2時間以上は起きていなければなりません。 1時間のタイミングで電源を切るのなら寝る仕度をしている間にでも充電を開始し、ふとんに入る時に電源落としをすれば後は寝ている間に満充電になっています。 昼間でも、2時間も充電器に張り付いている人は居ないでしょうし、目覚まし時計を鳴らして2時間後に充電器のところに来るなんていうのはナンセンスです。 ちゃんと電池の容量に満足に充電できる充電を使えばこんな面倒な事はしなくても良いのですが、時々同時に8本とか一台の充電器で充電できない本数を充電したい時があり、そういう時には型遅れですが古い充電器も併用して一度に充電する必要が出てきます。そんな時には電源落としで型遅れでも新型に引けを取らないくらいの充電が出来るのでもしもの時の裏技として記憶の片隅にでも留めておくと良いかもしれません。 色々なメーカーから充電器(急速充電器)が発売されていますが、どの機種でも同じような安全タイマーが内蔵されているので電池の容量が大きくなると対応しきれなくなるのは消費者側からすると問題ですよね。 買い換えずに何かスイッチの切替とか、ファームアップデートとかでタイマーを変更できればいいのですが。 しかし大容量の電池を旧式にのみ対応した電流値で充電すると充電時間がかかりますので、やはり大容量に対応した大電流設計のその時々の電池にあわせた充電器を買ったほうが精神的には幸せかもしれません。 記事掲載: 2006/5/5 追加更新: 2006/5/14 追加更新: 2006/5/26 追加更新: 2007/1/14
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