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各種電池の比較実験や、放電器の製作、ほか記事は↑↑↑




海外Li-ion充電器を比べてみた
WF-138 / WF-139 / TR-001
(WF-139/TR-001の改造もあります)
■2008/1/18
 HXY-042V(Hexinyu製)を追加

* 記事を掲載 2007/11/25
* HXY-042Vを追加 2008/1/18

Ich kann Deutsch nicht sprechen. Mir tut es leid.


 最近リチウムイオン充電池をいくつか購入する機会があり、それの充電の為に充電器も海外通販で購入しました。

 リチウムイオン充電池は充電・放電に細かな規定があり、間違って過充電や過放電をすると極端に性能が落ちたり過熱や発火の危険性がある取り扱いの難しい電池です。
 製造状態の悪い電池があってノートパソコンが発火炎上・バッテリーがリコールされたニュースが世間を騒がせたり、中国ではサードパーティ製の怪しい電池を使用して携帯電話が爆発して人が死んだとか・・・2007年中には眉唾物の報道まで飛び込んできています。
 YouTubeの映像を検索すると、ラジコン用のリチウムポリマー充電池にわざと過充電や損傷を与えて発火・炎上するかどうかの実験をしたものなどかなり過激な映像も視聴可能です。

 電池側に安全装置(プロテクト回路)が組み込まれたものもありますが、そのような回路なしの電池セルのみの「生セル」電池も販売されています。

 市販のリチウム電池用充電器は正しくリチウムイオン充電池の充電プロセス通りに充電しているのでしようか?
 海外製の充電器はあまりに安いので心配になり、中を開けて調べてみることにしました。


■ リチウムイオン充電池の充電プロセス

 リチウムイオン充電池は「定電圧・定電流」方式で充電するものとされています。
 これは電池に与える電圧電流の両方がある最大値を超えないように制御する方式です。

 電圧は3.0Vセルで最大3.6V、3.6Vセルで最大4.1V、3.7Vセルで最大4.2Vとされていますが、3.6Vセルと3.7Vセルでは差が0.1Vしか無い為にどちらも4.2Vまでとしているものが多いです。
 4.2V充電のほうが4.1V充電よりほんの少し(10%程度)容量が多く充電できますが、サイクル寿命が短くなるという事です。電池メーカーのほうはサイクル寿命よりも電池に表記する容量を少しでも大きくして良い電池に見せかける為に4.1Vより4.2V充電の性能を表記しているものもあるようです。

 電流は最大で1C、標準で0.5Cが良いとされていますので、電池の容量によって流す電流値は変わってきます。
 過電流で充電するとリチウムイオンが負極内に吸収しきれなくなり、危険な金属リチウムに変化し発火などの事故が起きます。

 リチウムイオン充電回路専用ICチップなどでは、電流値を設定する端子があって、作る充電器(または機器の組み込み充電回路)によって電流を正しく設定できるようになっているようです。携帯電話などのリチウムイオン充電池使用機器にはこのような専用ICが使用されている場合が多いです。
 海外充電器などは周辺部品も少なく安価に充電器を製作できるこのような専用ICチップを使って充電回路を作っている可能性が高いですね。

 定電圧・定電流充電方式の場合の電圧・電流値の時間推移は次のグラフのようになります。
 このグラフは1.0C充電の場合です。0.5C充電ではほぼ時間軸方向に2倍に伸びます。
 グラフは電池が空(終止電圧まで放電している)の状態からの充電です。

 最初は1.0C充電を開始します。
 充電電流を1.0Cに調整すると、電池にかかる電圧は約3V台と低いものになります。
 もしここで4.2Vの定電圧電源などに接続して定電圧充電を行うと、かなり大きな電流を流してしまい過電流になる危険性があります。

 充電中の電圧を監視して「今の電流では4.2V以上になる」時点からは定電圧充電に切り替えます。
 定電圧と言っても実際は電圧が4.2Vを超えないように電流値を絞るよう電流で調整します。

 ここから極端に充電電流が減少しますから、充電容量が100%になるまでかなりの時間がかかります。
 定電圧・定電流方式ではこのように満充電まで長い時間がかかりますので、定電流から定電圧に切り替わる時点では約75〜80%程度充電できていますので「実用上は問題なし」としてここで充電完了表示をする方法が取られる場合が多いそうです。
 確かに携帯電話などの充電電流を測定してみると、この80〜90%程度になったと思われる時点で電話機本体の充電中ランプが消灯し、それ以降も徐々に減少しながらもACアダプターから電流が流れ続けている状態を以前確認しています。

 もしこのような「80〜90%で充電完了」としている充電器であれば、リチウムイオン充電池に書かれているxxxxmAhという表記より少ない容量でしか使用できなかったとしても納得がゆきます。

 正しくは「定電圧・定電流充電では充電電流が0.1C〜0.05C程度になった時点で満充電と判定する」というふうになっていますので、そこを正しく判定して満充電表示をしている充電器であれば、ほぼ電池の容量いっぱいまで充電した時に充電を終了します。

 海外製リチウムイオン専用充電器ではありませんが、ラジコン用充電器KO PROPOMX-301の「リポ充電モード」(リポ=リチウム・ポリマー電池)を測定してみたところ、全くこの定電圧・定電流充電の手順通りこのグラフに沿った感じで電流と電圧が制御されて絶対に4.2V以上にはならず、充電電流が約0.2A(2000mAh電池で0.1C)未満になる時点を「充電終了」と判断していました。
 ラジコン用の高機能で高価な充電器ですので内蔵のマイクロプロセッサ制御で厳密な充電と、液晶パネルに進行状況や容量表示をするなど充電器として必要な機能を十分備えていて、充電手順も電池の種類によりモードを切り替えて適正な充電ができるようになっています。
※ KO PROPOではMX-301での他社製リポ電池の充電は発火事故などの危険性の為禁止しています。当サイトでも自己責任で行う実験の結果を掲載するまでで、MX-301でKO PROPO製以外のリチウムイオン/リポ充電池の充電の際の安全性は保障致しません。
 MX-301で充電を行えば、たいていのリチウムイオン充電池ではほぼ正しく満容量まで充電をして、電池の比較実験も行えそうです。
 但し、MX-301本体の液晶に表示される充電容量表示はちょっと数値が多く誇大表示っぽいので、電流値などを別の測定器も繋いで正しく測定して数値は別途計算したほうが良さそうです。このへんはまた別の機会に。
(沢山充電できたと表示したほうが高性能に見えるから? やっぱりラジコン用品特有の・・・)

 定電流・定電圧充電以外にも、「ちょっとの間なら最大電圧を越えても・・・」という微妙にデンジャラスな充電方法もあります。
 海外製のリチウムイオン電池専用の充電器がどのような制御をしているのか、調べるのが楽しみですね。


■ UltraFire WF-138 [購入時 $11.43]

 UltraFire製のWF-138です。

 RCR123A(16340/17335等)タイプのLi-ion充電池が2本まで同時に充電できます。
 充電管理は左右のスロットで個別です。容量の違う電池、残容量の違う電池の混在が可能です。

 横についているスイッチ切り替えで「3.0V」「3.6V」の二種類の電池に対応できます。これはRCR123A電池の場合は通常のCR123A電池互換で3.0V品がある為で、3.6V電池では過電圧で壊れてしまう機器用に3.0V電池が重宝がられています。
 但しスイッチ設定は充電器の電源を入れる前にスイッチを切り替えておく必要があり、電源ケーブルをコンセントに刺した時点でスイッチの状態が読み込まれます。電源を入れてからの変更はできません。
 また左右2スロット共に設定が読み込まれますので、3.0V電池と3.6V電池を混在させて充電はできません。

 電源はAC100-240V(50/60Hz)とワールドワイド対応です。
 この大きさで電源回路内蔵、但し電源プラグは折りたたみ内蔵ではなく「メガネケーブル(有極性型)」が付属します。
 出力は2×3.6V 250mA/2×3.0V 250mAと各スロット250mAの定電流充電のようです。

 表示LEDは
・待機中 緑
・充電中 赤で1.4秒に一回、一瞬だけ緑の点滅
・満充電 緑
となります。

 中の基板です。
 大きくわけて「100Vのスイッチング電源部」と「充電器回路」に分かれています。
 100Vのスイッチング電源部はAC100Vから充電回路用に5Vに変換します。
 定電圧式の回路で、特に変わったところはありません。

 充電器回路は制御用のマイクロコントローラ「F9444」を中心に、2つの定電流充電回路がそれぞれのスロット用に作られています。
 各充電回路の回路図は以下の通りです。
● 充電回路

 コンパレータLM393を利用した定電流回路になっています。(ちょっと…な部分はまぁおいといて)
 各抵抗値(ここでは構造だけ示す為に回路図には未記入)から計算すると、電流の設定値は約260mA程度となっています。(実際には少し少ない)
 260mA設定の状態でも充電電流は後述の電圧検知サイクルの間(50/1400 msec)休止しますので、計算上は約250mAと本体裏面のシールの印刷通りです。

 あれ、定電流回路はありますが、電流を可変にして定電圧充電を行う回路はありません。どういう充電ロジックになっているのかは、実際の動作から調べてみましょう。

● LED表示回路

 2色LEDには「CHARGE」信号と「READY」信号(どちらも勝手に命名)が接続されています。(READY信号は一本だけで左右のスロットで共通です)
 「CHARGE」信号はHIレベル(5V)の時に定電流充電回路を働かせて(基準電圧を与えて)充電を行う信号です。この信号がHIの時にLEDは赤に光ります。
 つまりLEDが赤に光っている時間は実際に電池に充電電流が流されています。

 「READY」信号はF9444マイクロコントローラ内のプログラムが正常に動作して、充電OKの状態になったらHIレベルになるようです。電源を入れてプログラムの初期設定などが終わった位のタイミングでHIレベルになります。
 「READY」信号がHIで「CHARGE」信号がLOWレベルの時、つまりプログラムが正常動作中で充電電流は流していない期間はLEDは緑に光ります。

 充電中に時々赤から緑に一瞬変わるのは、電流を止めて電池の開放電圧を測定している為です。1.4秒周期で50ミリ秒休みます。充電レート(デューティ比)は×0.9643です。

 尚、外部ノイズ等によるプログラムの暴走で正しく充電器として動作しない時に「READY」信号がLOWになるのかは不明です。そこまでしていないような気がします。
(プログラムが暴走した場合はそのままの異常状態ではなく、WDTでリセットがかかるようにしているとは思いますが・・・と思ってF9444のデータシートを見直したらWDTは無いですね…ううむ)

 最初は何かリチウムイオン充電専用のICチップで制御していると思って色々検索してみたのですが、充電用ICではF9444型番のものはありませんでした。
 そこで幅を広げて調べたらSAMSUNGS3F9444というマイコンチップが見つかりました。同じシリーズで各種出ているようですが、S3F9444は8ピンの8ビットマイコンチップでいわゆる「PIC」と同じような汎用のマイクロコントローラでした。
 汎用マイコンに充電器プログラムを焼き込んだものを充電器の心臓部として使用しています。

● 3.6V 充電グラフ

 それでは、充電動作を理解する為に実際の充電中の充電端子(電池)の電圧グラフです。
 この電池の場合、1時間5分程度で充電中電圧が4.2Vに達していますがそのまま充電が続き、定電圧回路が無い為にそのまま電圧がどんどん上がってゆきます。

 電池Aは充電中電圧が約4.3V、開放電圧(電圧チェックサイクル中)が約4.2Vになった時点で充電を停止しました。
 他何度かテストしましたが、WF-138では開放電圧が4.2Vになった事を検知して自動的に充電が停止するしくみのようです。
 充電が停止すると電圧が下がりはじめ、すぐに4.1V程度になります。

 この充電とチェックサイクルの状態を1/100秒単位で記録したグラフで見てみましょう。
 充電完了直前の様子です。
 充電中は約4.3V強の電圧をかけて260mA程度の電流を流しています。
 リチウムイオン充電池の上限電圧4.2Vを上回っていますが、充電中の短い時間であれば少しだけ過電圧(+0.1〜0.2V程度)にしても良いという判断のようです。
 1.4秒に一度、50ミリ秒間だけ充電を停止して電池の開放電圧を測っています。
 このグラフの期間ではまだ4.2Vに達していないのがわかります。もう少し充電が進んでこの開放電圧が4.20Vになったら充電を停止します。

 電池Bは充電器が満充電を検知する前に、充電中電圧が電池内蔵のプロテクト回路の高圧検知値を超えたようで、電池のカット回路が働いて開放されています。
 直接電池に電圧をかけてテストしてみたところ、電池Bは約4.28Vでカット回路が働きました。電池Aは約4.31Vでカット回路が働きましたので、同じメーカー・型番のプロテクト付き電池でもプロテクト回路の動作電圧には多少のバラつきがあるようです。
 また、18650タイプ等の大容量電池に比べてプロテクトが働く電圧がかなり低いようですのて、電池の容量毎にプロテクト回路のカット電圧は違うようです。

 この電池では概算で 270mA(平均)×0.9643(デューティ比)×1.5h=390mAh 程度充電できたようです。
 電池には 880mAh と書いています。(不思議ですね〜)
 放電グラフはまた別の機会に作りたいと思いますが、MX-301で放電しても、ライトで使って体感でもこの電池は400〜500mAh程度です。

 この充電器では平均260mA前後で充電していますので、1時間で260mAの割合で充電完了までの時間から充電容量を求めれば"だいたい"の充電容量が計算できます。
 LEDライト等での使用時のテール電流を測定してランタイムの予想などをする場合にお役立てください。

● 3.0V 充電グラフ

 スイッチを切り替えて3.0Vモードに設定、17335 3V電池を充電しました。
 この電池はプロテクト回路が付いていない「生セル」ですので、充電の停止は充電器が判定する以外にはありません。

 電池A・Bどちらも充電中電圧が約4V、開放電圧約3.6Vで充電を停止しています。
 3V電池の充電終了電圧が3.6Vですから、スイッチ切り替えで正しく3.0V電池の充電にあわせている事が確認できます。

 この電池では概算で 270mA(平均)×0.9643(デューティ比)×1.0h=260mAh 程度充電できたようです。
 電池には 1000mAh!? と書いています。(不思議ですね〜)
 放電グラフはまた別の機会に作りたいと思いますが、MX-301で放電しても、ライトで使って体感でもこの電池は300mAh程度です。

● WF-138の充電ロジック、まとめ

 WF-138には充電回路部には定電圧回路がありません。定電流回路だけです。

 充電末期にリチウムイオン充電池の電圧が最大電圧の4.2Vに達しても定電圧充電に切り替えることはせず、そのまま過電圧になっても定電流充電を続けます。
 一定周期で充電電流を停止して、開放電圧が4.2Vに達した時点で充電を完了します。
 これは一時的であれば端子電圧が4.2Vを超えても電池内部がすぐには壊れないという電池の余裕を利用した充電方法で、パルス状に電流を断続させて判断を行うパルス充電と呼ばれています。

 定電圧充電に切り替えてからの充電電流減少で100%まで充電するのにかなりの長時間を要するのと比べ、切り替えずにそのままの電流で過電圧充電するので満充電までの時間はわずかで済むメリットはありますが、過電圧に弱い電池だと電池を痛める可能性があります。
(同時に電池を発売している会社の充電器ですから、自社電池では大丈夫という事もあるのでしょう)

 電池を一個だけ充電の場合と、二個同時充電では特に差が出るような充電電流の減少は見られませんでした。(測定器の数値上くらいでわかるごくわずかな変化はあります)

● WF-138の不思議な…

 「不思議な」と言うほどでもないのですが、WF-138の使い勝手でちょっと困ったことがあります。
 UltraFireのロゴが読める方向に置くと、右側が電池の+になります。(わかりやすいように赤いテープを貼ってあります)
 しかし電源ケーブルが右側に出るのでなんか不便です。

 電池を横に入れる形にすると、写真のようにテープでも貼らないと+と−を間違えて入れてしまいそうです。
 一応+側の電極は逆挿し防止の為に少しだけ引っ込んだ位置にありますが、実はこの引っ込みでは「UltraFireのプロテクト付き充電池は+極の出っ張りが低すぎて接触しない」という不具合があります。
 同一のメーカーの電池と充電器で使用できないというお笑いな状態なのです。
※ +極の接触するUltraFireプロテクト電池も有るそうです
 なので充電器の+電極をちょっと電池側に曲げて、プロテクト付き電池でも接触するように改造してやらなければなりません。
 ほんの少し曲げるだけで良いので逆挿し防止の為に引っ込んでいる状態に変化はありませんが、曲げすぎると逆挿し防止にはならずに−極でも接触してしまうようになってしまいますので注意が必要です。
 元から電池を入れる方向の表示(底の刻印)が見づらいので、使い勝手を向上するのに写真のようにテープを貼ったりして、間違いを防ぐ工夫も必要です。

 さて、電池を左右向きに入れると間違いが起きやすいのでこんどはCAUTIONの文章が読める方向にしてみましょう。

 CAUTIONのところには「3.6Vと3.0Vの切り替えは、電源を入れる前に行ってください」という注意書きが書かれています。
 切り替えない人にはこんな表面に印刷しておかなくても…と思うような注意書きですが、なぜか表面に印刷されています。なぜスイッチの横に印刷されていないのか謎です。
※ 3V電池を間違って3.6Vモードで充電してしまわない為でしょうが…
 そしてこの注意書きが読める方向にすると、電源ケーブルが手前に来てしまいたいへん邪魔ですし、なにより電池の+側が下・−側が上というどうも生理的に受け付けない状態になってしまいます。
 電池の上に状態表示のLEDがあるのは見やすいのでこの方向もアリなのですが、やはり電池が逆さ向きというのは逆挿ししてしまいそうでちょっと怖いですね。

 ということで、実際に使うときは使い勝手の良いこの方向に落ち着くのですが、見るたびにCAUTIONの文章が逆さになっているのもなんだかおかしな状態です。
 削り取ってしまうか、上から何かシールでも貼ってしまうか、どうにも落ち着きません。
 ちなみに表面の印刷は台所用の「万能スポンジ」(水をつけなくても汚れを磨けるスポンジ)でこすると簡単に剥がれてしまいます。(研磨なので微細なキズはつきます)

 果たして、これを作った人はどっちの方向で使うのが正しい使い方だと思ってデザインしているのでしょう?


■ UltraFire WF-139 [購入時 $12.28]

 本記事は2007年に購入したWF-139を元にしたものです。
 2008年後半期より「購入したが中身が違う!」「あの(ひどい)充電器と同じ!」という報告が寄せられています。
 見た目の違いは新しいほうは「LEDが点滅しない」「充電に一晩かかる」という事です。外見上は同じだそうです。

 今から購入をお考えの方はご注意ください。

 このWF-139の項の最後に、新型(改悪型)の情報を追加しました。[2009.5]


 UltraFire製のWF-139です。

 14500/17500/18500/17670/18650タイプのLi-ion充電池が2本まで同時に充電できます。
 RCR123Aタイプの電池は短いのでスペーサーが無いと端子に届きません。
 充電管理は左右のスロットで個別です。容量の違う電池、残容量の違う電池の混在が可能です。

 この充電器は3.6V/3.7Vタイプの電池専用でWF-138のような電圧切り替えスイッチはありません。
 電源はAC100-240V(50/60Hz)のワールドワイド対応入力と、DC-12Vの2系統があります。DC12Vケーブルは付属していませんがケーブルを用意すれば車のシガーライターソケットなどから充電が可能です。

 電池ソケット部には縦長の電池用以外に横向きにも電池が入れられそうな溝と電極が用意されています。
 しかしこの電極はペンチで曲げられて奥に入ってしまっていますし、中では配線されていません。
 元は使える設計だったのでしようが、今の製品では使用されていない端子のようです。
 後で使えるように改造してしまいましょう。

 出力は4.2V 450mAと書かれていますが、各スロット450mAなのか合計450mAなのか表記からはわかりません。

 表示LEDは
・待機中 緑
・充電中 赤で1.4秒に一回、一瞬だけ緑の点滅
・満充電 緑
となります。(WF-138と同じです)

 中の基板です。
 大きくわけて「100Vのスイッチング電源部」と「充電電源」「回路電源」「充電器回路」に分かれています。
● 電源部

 100Vのスイッチング電源部はAC100Vから一旦DC 12Vを作ります。
 DC 12V入力端子にプラグが挿さっている時はDCケーブルからの電源が優先されます。
 そして内部の12V電源系から「充電電源」と「回路電源」が別々に作られています。

 充電電源はおなじみMC34063Aを使用したステップダウンDC/DCコンバータです。
 電流制限用抵抗は0.2Ωを付けていますので、0.3V÷0.2Ω=1.5AとMC34063Aの最大定格までで使用できる設定となっています。充電用に2回路に500mA程度を流しても大丈夫な設計のようです。

 回路電源TL431をシャントレギュレータとして使用しています。小電流しか必要としないのでこうして充電電流による電圧変動の心配のある充電電源から分けて精度を上げているのでしょう。充電完了を検知する基準電圧がF9444の電源の5Vそのものなのですから。

● 充電回路

 充電器回路は制御用のマイクロコントローラ「F9444」を中心に、2つの定電流充電回路がそれぞれのスロット用に作られています。
 各充電回路の回路図は以下の通りです。
 WF-138とほぼ同じ構成で、コンパレータLM393を利用した定電流回路になっています。
 スロット1と2でR22R20のパターンが違ったり(R20側が正解)、D12,11と書かれている位置に抵抗が付いていてR31,32とそれぞれ直列で一個の抵抗のようになっていたりと、パターン設計ミスや後の部品変更などちょっと怪しい部分が見受けられます。

 各抵抗値(ここでは構造だけ示す為に回路図には未記入)から計算すると、電流の設定値は約450mA程度となっていますが、実際には少し少ないようです。
 450mA設定の状態でも充電電流は電圧検知サイクルの間(50/1400 msec)休止しますので、計算上は約434mAと本体裏面のシールの450mAより少し少ないかもしれません。(少しと言うか…400mAを下回る時間が長いです)

 WF-138と同じく、定電流回路はありますが、電流を可変にして定電圧充電を行う回路はありません。制御チップもF9444を使用していますのでWF-138と同様の定電圧充電期間は無しの過電圧域まで定電流で充電するタイプのようです。

● LED表示回路

 WF-138と同じですので説明は省略します。
 詳しくはWF-138の項をご覧下さい。

 充電中に時々赤から緑に一瞬変わるのは、電流を止めて電池の開放電圧を測定している為です。1.4秒周期で50ミリ秒休みます。充電レート(デューティ比)は×0.9643です。

● 充電グラフ

 それでは、充電動作を理解する為に実際の充電中のグラフです。
 ほぼ一定の電流で定電流充電していることが見て取れます。
 平均(というかほとんどの期間の)充電電流は約380mA(peak)程度でした。緒元に書かれていた4.2V 450mAなんてとてもとても・・・(T_T)
 充電容量グラフは充電電流×0.9643(デューティ比)を積算して表示しています。

 この電池の場合、1時間50分程度で充電中電圧が4.2Vに達していますがそのまま充電が続き、定電圧回路が無い為にそのまま電圧がどんどん上がってゆきます。
 そしてなんと充電終了間近では4.5V近くにもなっています。
 確かにパルス充電では「開放電圧が4.2Vになるまで充電電圧はそれより高くても加える」という方式ですが、何かこう・・・

 この充電とチェックサイクルの状態を1/100秒単位で記録したグラフで見てみましょう。
 充電末期に近いところですが、4.4V強の電圧をかけて充電、チェックサイクルでは4.2Vに達していないので充電は継続している事がわかります。

 この電池では概算で 380mA(平均)×0.9643(デューティ比)×4h=1466mAh 程度充電できたようです。電池には 1800mAh と書いていますので、まぁまぁですか。

 この充電器では平均366mA前後で充電していますので、1時間で366mAの割合で充電完了までの時間から充電容量を求めれば"だいたい"の充電容量が計算できます。
 LEDライト等での使用時のテール電流を測定してランタイムの予想などをする場合にお役立てください。

● WF-139の充電ロジック、まとめ

 WF-139には充電回路部には定電圧回路がありません。定電流回路だけです。

 充電末期にリチウムイオン充電池の電圧が最大電圧の4.2Vに達しても定電圧充電に切り替えることはせず、そのまま過電圧になっても定電流充電を続けます。
 一定周期で充電電流を停止して、開放電圧が4.2Vに達した時点で充電を完了します。
 これは一時的であれば端子電圧が4.2Vを超えても電池内部がすぐには壊れないという電池の余裕を利用した充電方法で、パルス状に電流を断続させて判断を行うパルス充電と呼ばれています。

 定電圧充電に切り替えてからの充電電流減少で100%まで充電するのにかなりの長時間を要するのと比べ、切り替えずにそのままの電流で過電圧充電するので満充電までの時間はわずかで済むメリットはありますが、過電圧に弱い電池だと電池を痛める可能性があります。
(同時に電池を発売している会社の充電器ですから、自社電池では大丈夫という事もあるのでしょう)

 電池を一個だけ充電の場合と、二個同時充電では特に差が出るような充電電流の減少は見られませんでした。(測定器の数値上くらいでわかるごくわずかな変化はあります)

● RCR123A充電用改造

 せっかくRCR123A電池が入る形になっているのに「もったいない!」と思いましたので、配線を追加して未使用だった端子でも充電できるようにしてみました。
 多分WF-139を購入した人のうちかなりの方は改造しているでしょう。
 改造は
・未使用の端子金具に充電用の配線をする
・折り曲げられている金具を引き起こして電池と接触するようにする
・+と−を間違わないようにテープか何かを貼る
の3つの作業を行えば完了です。

 写真のように16340電池などをちゃんと充電できています。

 が、しかし、ひとつ問題が起こりました。
 左右の端子金具を引き起こして電池と接触するようにしたところ、縦に電池を入れた際に電池のボディを横金具が押して充電中に「パチン!」と電池が飛び出してしまうのです。
 飛び出すというのはちょっとおおげさですが、+側がソケットから持ち上がって電池が斜めにせり上がります。
 金具の押す力は結構強くて、縦に電池を片方だけ入れようとするとすぐに横に押されてちゃんとソケットに入れられないくらいです。それでしばらくしたらパチン!

 横金具の出っ張りをもっと押さえ込んで、ギリギリ横方向に電池に接触する程度の弱さにしてしまわないとうまく縦横の両用にはならないようです。
 このあたりの追い込みは様子を見ながら行います。

 本記事は2007年に購入したWF-139を元にしたものです。
 2008年後半期より「購入したが中身が違う!」「あの(ひどい)充電器と同じ!」という報告が寄せられています。
 見た目の違いは新しいほうは「LEDが点滅しない」「充電に一晩かかる」という事です。外見上は同じだそうです。

 今から購入をお考えの方はご注意ください。

 2009.5、N.F様より「改悪版」の写真が届きました。
 マイコンによる充電制御回路は無くなっていて、定電圧(電源部の電圧に依存)・定電流充電回路にLM324によるLED表示回路が付いているだけに変っています。
 外観に変りはありませんが、唯一確認できるのは裏のラベルが変っています。
 一番下の行に「Licence No.:2007…」と謎のライセンス番号らしき物が増えています。

 また、先日よりDXでもWF-139の新商品 (sku.21972)が掲載されていて、新型の商品写真はこれと同じライセンス番号つきです。(旧製品はこちら (sku.1251)
 DXのforumでは「シガーケーブル付きだから値段が高いだけでは?」と書かれていますが、これが基板を安価に改悪した新型である可能性が非常に高いですね。
 但し旧製品(sku.1251)を注文しても、UltraFireから出荷されているWF-139が全て改悪品になっていたら同じ改悪充電器が届くと思いますから、旧製品のほうを注文して旧型が届くとは何も保証はできません。


■ TrustFire TR-001 [購入時 $9.17]

 本記事は2007年に購入したTR-001を元にしたものです。
 2008年度よりkaidoaminで発売されている物はこの記事とは違うマイコン制御と思われる基板のものが売られています。
 また2009/12にご報告頂いた品は、この記事と同じDXで同じ通販コードの品ですが中身が全く変っていて改悪版WF-139と設計が同じ基板に変っているようです。

 今から購入をお考えの方はご注意ください。

 TrustFire製のTR-001です。

 10430/10440/14500/16340/17670/18650/
CR123A
タイプのLi-ion充電池が2本まで同時に充電できます。
 容量の違う電池、残容量の違う電池の混在が可能です。

 UltraFireのWF-139ではソケット部の大きさの都合でRCR123A/16340などの小型電池はそのままでは充電できませんでしたが、TR-001は筒型のほぼ全てのサイズの充電池に対応しています。
(このあたりが便利そうなので購入しました)

 電源はAC100-240V(50/60Hz)とワールドワイド対応です。メガネケーブルが付属します。
 DC 12Vの入力端子も備えており、車のシガーライターソケット等からの充電も可能です。シガーケーブルは付属していません。

 出力は4.2V 500Maと書かれていますが、各スロット500mAなのか合計500mAなのか表記からはわかりません。
 しかし「500Ma」とはどんな単位なのでしようか。「ま!」それとも「メガ・アンペア?」(凄すぎ…)

 表示LEDは
・待機中 緑
・充電中 赤
・満充電 緑
となります。
 UltraFire WF-139のような点滅はありません。

 中の基板です。
 基板の表面には型番と設計年月らしき印字があります。
 形式 WF-139 V1.2 って!?、WF-139ってなんですか!?、TR-001じゃ無いんですか?
 4.2V 600mAって、製品表記の500Ma(謎)と何か違いはしませんか!?
 2007-7-2って結構最近じゃないですか。バージョン1.2という事は比較的最近にバージョンアップしたのですか?
 なにやら既に中華製品特有の怪しさが急発進!したように思えます。

 ここで皆様にお知らせです。
 本記事は写真のWF-139 V1.2 2007-7-2基板を使用したTR-001についての分解記事です。
 それ以前に購入された方には違う基板・部品・回路である可能性があります。ご注意ください。

 さて、基板をザッと眺めてみると・・・充電器専用ICや回路、電池に電流を流したりカットする充電制御部品がありません!
 正しくは、左右のスロット別に個別に電池が入っているかや、定電流・定電圧充電を制御する回路・チップなどが何も無いのです。
 まるで昔のニカド電池充電器のような準定電流充電器回路です。

 しかし基板の上にはなにか仕事をしていそうなICが2つも載っています。片方(写真の左)は14ピンもあって電池端子などに回路が繋がっていて結構高機能っぽい雰囲気です。
 果たしてなにをしているのでしょう?
 順に調べてゆきましょう。

 基板の上の回路は大きくわけて「100Vのスイッチング電源部」「DC12VからのDC/DCコンバータ電源」と「充電器回路」に分かれています。
● 電源部

 100Vのスイッチング電源部はAC100VからDC 4.5Vを作ります。
 DC 12V入力端子からはMC34063Aを使用したDC/DCコンバータ回路で4.5Vを作っています。
 DC 12V入力端子にプラグが挿さっている時はDCケーブルからの電源が優先されます。

 AC100V電源用のスイッチング電源回路には、4.5Vの定電圧回路のほかに電流検出用抵抗の両端電圧を測定して、一定の電圧以上になると出力電圧・電流を制限する「電流制限回路」が作られています。
 しかしこれは定電流・定電圧充電を行う為のものではないようで、AC100V電源を使用している時にショートなどから回路を保護する為の装置のようです。
 電池個別ではなく回路全体に流れる電流を検知しているだけなのですから。
 そしてこの電流検知抵抗はスイッチング電源回路の制限にしか使用されていません。
 DC12Vから電源を供給した場合はMC34063Aの電流制限機能を使用しているようです。電流制限用抵抗は0.33Ωを付けていますので、0.3V÷0.33Ω=0.9Aになっています。

● 充電回路

 制御用のマイクロコントローラ…などは全く無く、定電流回路もありません。
 まず先に説明しておかなければいけないのは、回路図中でグレーで示した回路には部品がついていません
 実際に部品が付いている回路と、どちらか片方に部品をつけて機能を選択するような設計になっています。(排他利用)
 この部分は「LED表示回路」なので少し後で説明します。

 さて、充電回路そのものの話なのですが・・・全く制御回路などの無いシンプルな「準定電流回路」です。いや、電流制限抵抗があまりに小さいので準定電流回路と呼んでいいのかさえ分かりません。
 それこそ「電源に直つなぎ充電方式!」と言っても過言では無いでしょう。

 4.5Vの電源からダイオードを通してVfぶん下がった電圧を電池につなぎ、電池の電圧が低い場合は大量に電流が流れて、満充電近くで電源電圧と電池電圧が等しくなったら電流は止まる・・・という電池のしくみを利用しただけの単純な充電回路です。
 この回路では電池の電圧や内部抵抗によって流れる電流値は変わりますし、電圧が上がると極端に電流が減りますので満充電までは非常に長い時間がかかります

 しかも充電末期にはほぼ電源電圧に近い電圧がずっと電池にかかる事になりますから、それが4.2V以上の場合は繊細なリチウムイオン充電池にダメージを与える事も考えられます。
 TR-001の場合は電池を入れないで端子電圧を測ると約4.4Vとほぼ電源電圧近くの電圧が出ています。
 実際に電池を充電して長時間放置してみたところ、最後は4.25〜4.28V程度で落ち着きました。微妙に4.2Vよりは高いですが、ギリギリセーフ!くらいでしょうか。ただ4.3V以上になる個体もあるそうなので、後でそのへんは改造して改良しましょう。

 4.3Vを超える個体などでは「プロテクト付き電池だとプロテクトが働いて大丈夫なのでは?」という疑問(希望?)もありますが、実測ではCR123タイプの小型電池ではプロテクト電圧は2.28〜2.3V程度なのでなんとかプロテクトが働くでしょうが、17670や18650タイプでは4.8〜4.9Vと大容量化にあわせてカット電圧も高く設定されています。(容量にあわせた電流値を流す為の電圧にあわせてある)
 従ってTR-001で充電完了後に4.4V程度まで電圧が上がった場合は電流はほとんど流れませんがプロテクトは働かず4.2Vを超える電圧をかけっぱなしとなりますので、リチウムイオン充電池にとってはあまり良くない状況と考えられます。
 あくまで4.3Vを超える個体では・・・という事になりますが、こればかりは自分の持っている個体がどうなのかは充電完了後に何時間も放置した後にテスター等で測らないとわかりませんね。

● LED表示回路

 さて、充電回路図のほとんどの部分を占めているのが「LED点灯回路」です(笑)
 4回路入りオペアンプLM324を使用して、左右の回路にそれぞれ2個(回路図の2個)を使用しています。

 まず、回路図で部品が実装されているほうの回路では、充電中に電池に流れる電流をR3/R4の両端電圧で検知して「電流がわずかでも流れていれば点灯」という回路になっています。
 特に「何mA以上なら点灯」とかの厳密な回路では無いようです。充電中の状況によりかなりアバウトに点灯・消灯します。

 しかも私の購入した個体では片側の回路の測定抵抗とコンパレータへの入力との間の抵抗R26が付いてなく、ハンダジャンパをしていました。多分自動部品実装器のミスかハンダ槽を通した時に部品が外れたのでしょう。しかし代替部品をつけるのでは無くそのままハンダジャンパしてしまうのはやはり中華クォリティそのものです。
 ・・・あ!
 もしかして自動部品実装や自動ハンダ槽では無くて全部手作業ですか!?(いやまさかそんな…)

 そしてもう一つ、その少し上には電流制限検知用抵抗と直列に安全装置としてPTC(ポリスイッチ)が配置されているのですが、これもハンダジャンパーでショートさせていて無かったことにされています。安全はどこへ!?
 だったら最初から部品を載せずにジャンパーだけすればいいものを・・・とか思ってしまいますが、私たちには計り知れない偉大な考えが中華思想には秘められているのかもしれません。
※ PTCの電圧降下を嫌ったか、電源回路の電流制限機能だけで良いという事にしたんでしょうけど・・・
 他の方のTR-001はちゃんとR26も付いていますし、PTCもハンダショートされていなかったそうです。
 うちに来たTR-001は大当たり!だったようです。
【後日談】


 さて、私が購入したタイプ以外に回路図中のグレーで示した部品未実装部分を使用しているものもあるかもしれません。
 グレーの部分に部品を付けている場合は今回部品が付いているほうには部品は未実装となっているはずです。

 こちらの回路は電源部にある「基準電圧」を引っ張ってきていて、「充電中の電池の電圧が一定以上になるとLEDを点灯させる」回路となっています。
 分圧抵抗などが未実装なので実際は何Vで点灯させる回路なのか不明ですが、満充電の4.2Vあたりで点灯させようとしたのでしようか。
 しかしここには大きな落とし穴が!
 充電をしていない時、充電端子は開放されていますので+端子は電源に繋がっています。そうです、こちらの回路を使用すると「電池を入れていない時も充電LEDが点灯しっぱなし!」という実に不便な充電器になってしまいます。
 なぜこのような回路のパターンが製品に乗っているのか・・・理解に苦しみます。

 本機は充電中は赤、充電完了(電流が流れなくなった)または電池が入っていない時は緑に点灯します。

 回路図をよく見てください。
 緑のLEDは電源から抵抗を通して電圧が与えられていますので、電源さえ入って入れば点灯します。UltraFireの充電器のようにマイクロコントローラが動作している事を表示しているLEDではありません。ただの電源表示です。
 赤LEDを点灯させる間、緑を消す回路はありません。

 私が購入したTR-001では緑のLEDを点灯させる為の抵抗の値が非常に大きく設定されていて、薄ぼんやりとしか光りません。(下の写真でもそう見えます)
 赤LEDを点灯させる抵抗は標準的な値ですので、赤が点灯している時には緑が点灯していることがわからないほどです。
 赤・緑の2色LEDで赤と緑を同時に点灯させると色はオレンジ色に見えます。
 確か昔のTR-001の充電中の写真を見たときにはオレンジ色に光っていたと思うのですが、もしかしてこれも最近のバージョンでは「UltraFireの充電器に似せる為」に抵抗値を変更して充電中は赤色だけに見えるように見せかけ(いや工夫?)ているのでしようか???(なにしろ基板に印刷された型番はWF-139ですし…)

 さてそれでは、この「電流が流れている」ことを検出しているLED表示のかなりアバウトな面をひとつご紹介しましょう。

 写真の左側は電池を2本充電していて右側の電池は満充電(?)でLEDは緑になっています。左側の電池は充電中なので赤です。
 ところが、この状態で左側の電池を取り外してしまうと・・・右側の満充電(?)で緑表示だったはずの電池がまた赤になってしまいました。

 左の電池への電流が流れなくなり、電源電圧がわずかに上がったのが原因でしよう。右側の電池に流れる電流がごくわずかに多くなってそれがLEDを緑に変えてしまったようです。

 これ以外にも電池と充電端子の接触具合とか、様々な原因でLEDが赤になったり緑になったり、また充電完了(?)で赤から緑になる時もアナログ回路ですからボ〜っと色が変わっていったりと、実に中華な表示回路です。

● 充電グラフ

 それでは、TR-001の充電グラフです。
 時間と共に電池電圧は上がり、充電電流は減少している様子がうかがえます。
 容量グラフは充電電流を積算して表示しています。

 充電開始時に充電電流は約600mA流れています。これは電池一本のみの場合で2本同時ではここまで流せないようです。
 1時間ほど経つと約300mAまで下がっています。
 銘板には「4.2V 500Ma」と書いて有りましたが、常に500mA流す定電流充電方式では無く、このように電流が少なくなってゆく充電方法だということがご理解頂けると思います。
 またこのように電流値が変わりますので、定電流で充電している充電器のように「1時間で××mAhなので」という計算はできません。

 UltraFire WF-139では4時間ほどで充電完了したこの電池はTrustFire TR-001では11時間35分もかかっています。それぞれの測定結果では両者共充電できた容量はほぼ同じ約1500mAh前後でした。
 とはいえ、9時間くらいから先はほんの少ししか充電容量は増えていませんので、LEDが消える前に十分実用容量までは充電されているはずですが、どの程度充電されているかはどこにも表示が無いのでLEDを頼りに充電完了を知ろうとするとたいへん長い時間待つことになりますね。

 充電電流をほとんど流さなくなってLEDが消えてもまだ電圧は上がり続けています
 この個体の場合は4.26V程度の電圧でほぼ横ばいになりましたが、4.3V近くまで上がってしまう個体もあるようです。
 4.2Vを超えて4.3V近くなんて電圧が長時間続くとさすがに電池にダメージを与えそうなので気持ち悪いものです。

● 安心電圧改造

 そこで、TR-001を電池を入れたまま忘れて長時間放置しても安心な充電器に改造してしまいましょう!
 なにしろLEDが消えるまで1800mAhの充電池で12時間近くかかります。ずっと見ていてLEDが消えたら電池を外す!というわけにはゆきません。そのままいくら(とはいえ限度はありますが)放置しても安心な回路にしてしまえばほとんど時間を気にすることなく使用することができます。

 「電池にかかる電圧が4.2Vを超えないようにする」という目的で改造方法を考えます。

 「ある電圧を超えないようにする」のは定電圧電源の考え方です。
 ひとつの方法としてこの充電器の電源電圧自体を下げてしまう方法もありますが、電源回路の電圧検知部をいじって電圧を変更する方法だとAC電源回路とDC12V電源回路が別々だったりとちょっと面倒です。(いや、DC12Vは使わないと決めてしまえば…)

 そこで電源部をいじるのはやめにして、各電池にかかる電圧を制限してやることにします。
 左の図のように電池の+端子充電GNDの間にツェナーダイオードを入れて、ツェナー電圧以上には電圧が上がらないようにします。

 4.2Vのツェナーダイオードがあればよかったのですが、規格品ではいちばん近い値で4.3Vになります。
 でも安心してください。ツェナーダイオードもダイオードの一種ですから、ツェナー電圧もツェナーダイオードに流れる電流に応じて変化します。電流が少ないと電圧も低くなります。
 いくつか試してみましたが、4.3Vのツェナーダイオードの中でもRD4.3F(4.3V-1W)が最適でした。1/2W品のRD4.3Eではなく必ず1W品のRD4.3Fを使用してください。

 RD4.3F一本で4.21〜4.22V迄に制限できます。
 ちなみにRD4.3Fを2本並列にすると4.20〜4.21Vくらいになりましたので、気になる方は2本並列にするとよいでしょう。
※ ツェナーダイオードにもバラつきがあります。0.01V台の誤差はありますのでご了承ください。
 4.2V品が無いからと、2.0Vと2.2Vのツェナーを直列にして4.2Vにするより4.3Vのツェナー一本のほうが良好でした。

 RD4.3Fはたいていの電子部品店で購入できます。

 RD4.3F一本につき約40mAの電流が流れます。ツェナーダイオードを使った電源回路のように特に直列に制限抵抗などをつけなくても良い電流です。

 左右の各スロットに1本、または2本のRD4.3Fを追加するだけでかなり安心な電圧に制限できます。

 注意するのは、「電池にかかる電圧を制限する」という事で電池の+と−の端子にツェナーダイオードを接続するのではなく、必ず−側はLED点灯用の電流検知用抵抗をパイパスした先の充電GNDに接続してください。
 間違って(というか単純に考えて)電池端子の+と−にツェナーダイオードを接続すると、電池を入れていない間でもツェナーダイオードを通して40mAの電流が電流検知抵抗に流れて、LEDが点灯しっぱなしになります。もちろん電池を入れた状態でも充電完了してもツェナーダイオードに流れる電流でLEDは点灯しっぱなしです。

 さて、ツェナーダイオードを一本追加した場合の充電回路の働きはどのようになるでしょうか。
 常に電圧が制限されて、充電能力がかなり下がってしまうのでは?という疑問もあると思います。
 しかし大丈夫です!
 ツェナーダイオードは規定の電圧(ツェナー電圧)以上がかかった場合に導通して電流を流し、ある範囲以下ではほとんど電流を流しません。
 充電中の電圧は4V程度以上なので、ツェナーダイオードにはわずかに電流が流れてしまいますので完全に何も繋いでいない時よりは確かに充電電圧・電流は下がりますがほとんど気になるほどではありません。
 また電池を入れていない時に最大で一本につき40mAを常に流す事になりますが、待機中の電源回路にとっては全く問題の無い少ない電流値です。

 ツェナーダイオードを追加したTR-001の充電グラフです。
 ご覧のように4.21V以上に電圧が上がっていない事が見てとれます。

 電圧を制限していますので電流検知用の電圧も下がり改造前より少し早い時期にLEDが消灯します。この電池の場合は30分ほど早いです。

 最大電圧を制限している事、ツェナーダイオードを並列に接続している事でわずかですが充電電流も少なくなりますので、充電容量も少なくなります。
 この電池の場合は改造前で1515mAh、改造後には1473mAh42mAhの差、数%程度少ないですが測定誤差や放電時の残容量の誤差も含まれていると考えるとほとんど差は無いと言ってよいほどの違いです。
 実用上は問題は無いと考えても良いレベルでしょう。

 リチウムイオン充電池の規定電圧4.2Vを超えずに(ちょっとだけ超えますが…)ゆっくり充電する充電器として、ツェナー改造済みTR-001はこれからも充電テスト用に活用してゆきましょう。


■ HXY-042V2000A [購入時 $7.00]

 本記事は2007年に購入したHXY-042V2000Aを元にしたものです。
 2009年度より「購入したら形は同じでも違う型番の物が来た」「充電電流が明らかに少ない!」等のご報告を受けています。

 今から購入をお考えの方はご注意ください。

 中国シンセン市、Hexinyu Technology LTd.(和■宇科技有限公司)製のです。
 本体裏のシールではHXY-042V2000Aという型番です。

 DXの通販ページでは「Single 18650/17670 Lithium Battery Charger (1A Charging Current)」というタイトルになっています。

・18650×1本用 (17670も可)
・1A充電器

 という以外細かなスペックは書かれていませんが、Forumでは「充電が速い」「ちゃんと4.2Vで止まる」など評判が良いので買ってみました。
 18650×2本用もありDXではこちらの「Digital Li-Ion 18650 Battery Charger ($8.80)」となっています。
※ この2本用は2本同時充電の際は電流が激減する(電源回路の容量が全然足りない)さすが中華充電器との報告がありました。本解析記事の1本用とは性能が異なるようです。
 Forumではほかにも「LEDが消えても充電は続いている」などの不穏な書き込みもあります(^^;
 調べてみましょう。

 中の基板です。


 写真で見て右側、黄色いトランスと右側のパーツはスイッチング電源部です。スイッチングコントローラはVIPer12Aです。

 左半分が充電回路で、8ピンのICを中心にいくつかのトランジスタ等が見えます。

 8ピンのICは何かLi-ion充電制御用の専用ICかと期待しましたが、これもやはりいつものOPアンプの LM358でした。
 しかしTR-001等と比べると部品も多く、電池の端子に繋がる電源回路もちょっと凝っているようですので調べてみると・・・これは単純ながられっきとした「定電流定電圧充電回路」になっているではありませんか!
 電池は定電流定電圧電源回路で充電されます。しかし充電カット回路はありません
 LED表示回路は単独で、LEDの点灯・消灯は充電回路のON/OFFを表しているわけではありません。充電電流を検出して一定以上の電流が流れていることを表しています。

● 回路図

 充電回路とLED表示回路をまとめて掲載します。

● 充電回路

 充電回路は大きくわけて3つのブロックでできています。

 1つ目は TL431を使用した定電圧回路です。
 TL431は定電圧用のシャントレギュレータですが、今回の回路は普通のレギュレータ回路ではありません。これはTL431の定電圧動作をスイッチとして利用する方法ですね。
 電池の両端電圧(保護回路も含めて)が4.2V以上になるとTL431のアノード・カソード間に電流が流れるようセンス入力端子の分圧抵抗が決められています。
 VIPer12A(スイッチング電源)と組み合わせて、電池には4.2V以上はかからないような定電圧動作をします。

 2つ目はLM358を使用して定電流回路です。
 充電中に電池に流れる電流を電流検出抵抗で測定して一定以上の電流になるとスイッチング電源の電圧を下げて規定電流を超えないようにしています。
 規定値は約970mAになっています。(1A充電という表記にほぼ合致)

 3つ目は保護回路で、充電端子がショートした場合に過電流で電源部が壊れないように保護しています。

 こうして見ると、TR-001のような何の制限も無く保護回路も無い充電器と比べて、アナログ部品ばかりですがHXY-042V2000Aの充電部がうまく設計されている事に満足します。

 ちゃんとした定電流定電圧回路として働けば、Li-ion充電池には規定通りの充電プロセスで充電が行えるはずです。

● LED表示回路

 LED表示回路は回路図右下の部分で、充電回路に一定以上の電流が流れていることを示す回路となっています。
 電流値は約75mA程度前後で判断しています。
 Li-ion充電池のこの方法での充電の規定では、充電電流が約1/10〜1/20程度になったところを充電終了とみなすことになっていますので、1Aを基準に考えて1/13.33程度に設定されていのも正しい設計です。

 LEDは
‥‥電池が入っていない
‥‥充電中
‥‥充電完了
 ただし、LEDが緑に変わった後もしばらくは微弱な電流で充電されています。
 微弱電流での充電継続は問題ありません。過電圧・過充電になることはありません。

● 充電グラフ

 まるで、Li-ion充電池の充電プロセスのお手本通りのグラフになっていますね。
 電流値を絞りはじめるのがやや早く、相対的にはお手本よりやや充電時間がかかりますが、それでも十分に「急速充電器」と呼んで良い充電時間です。

 充電電流の最大は約1A(970〜980mA)の設定値を超えず(その間は電圧を落とし)、最大電圧は4.2V(4.21〜4.22V)を超えないよう制御されています。
 写真のプロテクト無しの生セルを充電してみましたが、過電圧などの心配が全くありません。
 電流が約75mAを下回った時点でLEDは赤から緑に切り替わります。

 電圧制限が正しく4.2V(4.21〜4.22V)で働いているため、このまま一晩くらい忘れて放置しても何ら問題は無いのが嬉しいですね。

 この電池では概算で 1800mAh 程度充電できたようです。
 電池には 2400mAh と書いています。(不思議ですね〜)

 充電電流が最大約1Aなので、Li-ion充電池の充電定格の最大が1Cとすると容量1000mAh以上の電池にしか充電してはいけないことになり、対応電池が18650または17670に限定されるのは仕方ないと思いますが、1A急速充電ができるのはたいへん助かります。
 グラフの18650充電池の場合、LEDが消えた時点の3:15で1750mAh、フル充電で1800mAhと50mAh程度しか差がありませんから、LEDが消えるのを目安に充電をやめても97.2%充電できていますので実用上はLEDが消えた後完全に100%まで充電されるのを待たなくても使用感に違いは無いでしょう。

 今使用しているLi-ion充電池使用ライトは18650または17670を一本使用するの物がほとんどなので、今回は一本充電タイプの物を購入しましたが、この回路であれば2本充電タイプの$8.80のほうを買ってもよかったかもしれません。
 安いし、どうせまたあまり良くない回路の充電器だと高いほうを買ってもなぁ・・・という思いもあり安いほうの一本用を試しに買ってみたのですが、こんなにちゃんと定電圧定電流で充電している安心できる急速充電器ならあと$1.80足して二本用を買っておけば良かった・・・

 多分今(2008/1)からしばらくは我が家では18650/17670のメイン充電器になるでしょう。


■ さいごに

 海外製リチウムイオン充電器を4台分解してみましたが、いかがでしたでしょうか。

 UltraFireの2機種はちょっと過電圧をかけてでも急速に充電するパルス充電タイプ。
(でも充電電流がかなり少なかったので急速とは呼び難い…)
 TrustFireのTR-001は高度な充電制御を全くせずに電池任せの長時間充電タイプ。
 HexinyuのHXY024Vは正しく定電流定電圧充電をしているマジメな充電器。

 まさに三者三様の性格の充電器を調べてみることができました。

 価格はどれも$10前後ですので気軽に購入できますし、TR-001は$10を切っているので「この値段ならこの内容で仕方ないか、中国製だし…」とあきらめもつきます(笑)
 しかし$7.00(や$8.80)のHXY024Vを購入してからは、18650/17670を充電するならWF-139やTR-001はもう使えませんね(^^;


 今回購入した充電器にはどれも「説明書」はついていません。
 ビニール袋に電源ケーブルと本体が入っているだけか、ブリスターパックで中の厚紙に商品名と対応電池の一覧が書かれている程度で、充電仕様やLEDの色の意味すらどこにも記載されていないのです。(WF-138/139のLEDの点滅を故障表示と勘違いする人も居たり…)
 詳しい説明が無いので外見が似ているWF-139とTR-001は同じような仕様の充電器だと思ったら大間違い!、まさに天と地ほどの違いがあるのには驚きと言うか中華製品ならではの面白さ(ぉぃ)を感じてしまいます。

 そして外観からは一番ショボいHXY042が実はLi-ion充電池に対して最適な充電方法で充電する高性能充電器だった!
 本当に中を開けてみなければ外観からは充電器の性能は予測だけで判断できません。

 リチウムイオン充電池の電池本体についてはまた別の機会に放電テストや容量測定などを行いたいと思います。
 まだまだ調べ始めたばかりで知識も乏しく、中華な電池に苦労する日々が続くと思います。



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 こんにちは

 UltraFire WF-139 は使用経験上、一定水準に有る商品と思っております。

 そこで出先用にと、もう一台を先日yahooのオークションにて購入しました。
 しかし送って来た充電器の動作確認をした所、明らかに手持ちのWF-139と異なる商品した。

 以下、送信メールから抜粋
・・・
 手持ちのは、動作がデジタル的動きですが、これは全体的にアナログ的です。
 少なくとも、LEDのコントロールがアナログでされている。
中略
 失礼ながら直感で中身が違う様に思います。

 手持ちのは充電中はLEDが赤色で、1.5秒おきの点減が有りますがそれが有りません

 オリジナルはおそらくマイコン制御されているので、充電終了と判断されると、ポンとLEDが緑に変わりますが、これは終了間近に成ると赤と緑が同時に何十分か点き、やがて緑にモヤモヤッと徐々に変わって行く
 ちなみにLEDの色合いや照度も非常に雑と言うか、下手な設計です。

 充電した電池を再セットしても、再び充電可能かどうかのチェックを行った後、LEDは緑にポンと変わりますが、送って来た充電器はその様なチェックをしている気配がない
 単に電圧だけを見ている様子。

 WF-139は2系統に独立した充電回路ですから、隣の電池を入れたり外したりしても、それによって隣のLEDの照度や色が変化したりは絶対にしないのですがこれは干渉し合います
・・・略

 と言った様な動作でした。

 その後、「気の迷い」さんの「海外Li-ion充電器を比べてみた」レポートを知り、この中のTrustFire TR-001と、私が落札した WF-139 ??と全体の動作の振る舞いがそっくりである事にコピー商品の可能性の疑いを強めた次第です。


 このWF-139 ??は返品して既に手元に有りませんが、これらの外見は2つ並べて見ても、プリント文字が微妙に異なったり、バネの強さや充電端子の突起が多少違う位で、一見した位では判りませんでした。

 WF-139のコピー商品なのか。
 はたまたUltraFireが品質を落として正式販売(あえてメーカーの信頼度を落とす様な方策は、まず無いと推察する)している物なのか。

 どちらにしても、使いたい商品では有りませんでした。

 以上、「海外Li-ion充電器を比べてみた」レポートが非常に役に立つものでしたので、簡単に報告させて頂きました。

 皆さまも購入に際しては、気をつけて下さい。
tatsuo 様
お返事  WF-139の中身が変わったのか、それともコピー商品が出回っているのか、かなり謎ですね。
 もし本当に中身が変わってしまったのであれば残念です。

 最近WF-139を購入された方で、「充電中にLEDが点滅しない」機種を入手された方はぜひ購入元情報などと共にお話をお寄せください。(このコーナーの受付システムは終了していますので、TOPの迷い箱から「WF-139の件」と本文の先頭に書いて投書してください。)
お返事 2008/11/25
投稿  いつも参考にさせていただいております。
 さて、私がDealExtremeよりこの9月に購入したWF-139も、tatsuo様のと同様な動作です。充電中の点滅なし、さらに充電時間も18650で4時間どころではなく、1晩おいておいた状態でした。話が違うやんと、ほとんど使っていません。もっぱら、HXY-042V2000Aとあやしい万用自定充HG-103W9V?使っています。
ひさ 様
お返事  DXで購入したものまでそんな状態だとすると・・・・本当にUltraFireからの出荷品自体がマイナーチェンジされてしまったようですね。

 今からすると、TR-001の基板に謎の「WF-139」というプリントがあったのはこの前兆だったのでしょうか。

 これから購入を考えている方はご注意ください。
お返事 2008/12/8
 
 この記事に触発され、WF-139を買ってしまいました(笑)
 当然ながら、短い電池も充電出来る様に改造しました。
(現在、セリアのVLEDライトを改造して使っています)

 そこで少し気になった事が。
 例の『ペンチで潰されている端子』ですが、折り返しの部分を少しだけ起こし、後は根本から曲げてやればバネの力が相当弱くなります。
 これで電池が飛び出す事は無いと思いますョ。
Thief 様
お返事  WF-139を改造される方は参考にされると良いですね。
お返事 2008/5/12
 
 こんばんわ、いつも参考にさせております。
 今回、HXY-042V2000Aの記事を参考に、同時に紹介されています、Digital Li-Ion 18650 Battery Chargerを購入いたしましたので、簡単なレビューをさせていただきたいと思います。
 その前に・・・ですが、ちょっと使ってから分解してみると、チップ抵抗(1R0)が1個ついていませんでした(笑 もう、始めから、期待が高まります。
 一応中身は、Digital Li-Ion 18650 Battery Chargerの回路が2個入っているようでした。充電の方法もかわらず、電池の電圧に応じて、電流が下がっていますので、定電流定電圧充電のようです。(何分か置きに計測)
 ひとつ気になったのは、1本を充電させているとき350mA流れていた電流が、2本同時に充電させると、同じ電池で200mAくらいまで下がる ということです。
 当方、HXY-042V2000Aも所持していますので、そちらで計ると、380mAほど流れましたので、2本同時に充電すると、電流が下がるタイプなのかもしれません。ただ、私の固体は上記のとおり、万全な状態ではありませんので、参考にしかなりませんが・・・

(ないのは、充電端子のマイナス側すぐ下の3個の並列抵抗の1個です
 乗っているトランスはHXY-042V2000Aより、一回り大きいものが乗っていました。
 HXY-042V2000Aの1A充電では、充電器、電池がちょっと熱くなるので、それが気になる人はいいかもしれません

 たいしたレビューではありませんが、何かの参考になりましたら幸いです。
ライト好き 様
お返事  部品欠落なんて、やはり中華充電器ですね、
 その抵抗が無いと、そちら側のスロットは充電電流の最大値が2/3になるので最大でも650mA前後になってしまい、片側だけ時間がかかる充電器です。適当に1Ω(1R0)の抵抗を抜け落ちている場所に付けてちゃんと1A充電できるように修理したほうが良いですね。(電池2本だと電源能力不足で落ちるみたいですが・・・)

 トランスは1つですか。
 それだと・・・・うーん。

 トランスが2つ、VIPer12Aも2つ乗っているのかと思っていましたが・・・HXY-042V2000Aではトランス等の電源部まで含めてCC/CV制御をしているので、1つでどうやって2スロット別々のCC/CV制御をしているんでしようね?
 実は、残容量の違う電池をセットすると片側が過充電したり、片側にはちゃんと充電できない充電器とかの可能性は無いのかな?(^^;
お返事 2008/3/22
投稿  あ、トランス部分も含めて制御してるのですか・・・
 となると限りなく怪しい・・ですね
 一応1R0は発注しており、修復する予定です。

 修復の際、写真でもとって見ていただこうと思うのですが、写真は、アプロダにあげて、そのURLを張るしかないですか?

>650mA程度
 近い数字でした、はっきりと記憶しておりませんが、空っぽにした18650電池を充電開始時に、600mA程度ながれていたと思います。(部品がないスロットの方)もう片方も計ればよかった(´・ω・`)

 すこし話がそれますが、おそらく、この製品、手半田か、相当下手な半田槽かな と思われます。(熱接着剤が見える私の固体は、バックオーダー状態から、入荷してすぐの固体でしたので、急いで作ったやつかも・・・
ライト好き 様
お返事  トランスとVIPer12Aが1つで、電池毎にCC/CV制御用の回路が付いているのだとして、どのような感じになるのかちょっと考えてみました。

 電源部は何も制御しないと4.2V以上の電圧を発生させますし電流も1A以上(一本の場合)の供給能力があります。
※ 2本に同時に1Aで合計2A流せるのかは謎です。レポートからは能力不足の可能性が…

 電池をどちらか片側に一本だけ入れた場合はHXY-042V2000Aと同じ動作をしますので最大1Aで充電をはじめてCC/CV制御にも問題はありません。
※ 片側の抵抗が無いのはその個体の不良という事でここでは両方同じ正常品として

 さて問題は電池を2本入れた場合。
 各電池の電圧制限・電流制限の出力がフォトカプラを通して一個のVIPer12Aとトランスの動作を制限しているとすると・・・電圧・電流の制限は「どちらか片方の、まだ充電容量の少ないほうの電池に適した値で制限されてしまう」という事になりますね。

 つまり、同じ銘柄で同じ残容量で劣化度やコンディションも同じ電池を2本入れた場合は充電に必要な電圧等はほぼ同じですから特に問題無く充電は進みますが、もし残容量が違う電池(2本同時に使用していても片減りしているなども含め)を2本セットすると、弱い電池のほうの制限回路が働いている限りその値で電源電圧は制限されてしまい、もう片方の「もう少し電圧を上げてやりたい電池」のほうには本来より低い電圧をかけたまま充電(電流は予定より少なくなる)して充電時間が遅くなります。
 それは定電流動作をしている間の時間続き、両方の電池の電流制限回路のほうが働かなくなる時点から後は4.2V制限回路のみ働くのでどちらの電池にも後は電池自身が必要とする電流だけが流れる事になり、最終的にLEDの表示が消える時には正しく満充電にはなっています。
 過充電したり少ない充電で終わるという事はありませんが、「2本の場合は弱いほうの電池に足を引っ張られる充電器」なのかもしれません。

 「しれません」としか書けないのは実物で確認せず、聞いた話での予想でしかありませんので、間違っている可能性もあります。
 何かスイッチング電源部が特殊な構造になっていて、HXY-042V2000Aとは違う素晴らしい回路が入っているのかもしれませんからね。

 私が見ていないだけで、トランスの出力から先に何か各スロット毎に電圧・電流制限をする為の回路(トランジスタ等)が多くて、そこを各スロット毎に制御しているのであれば個別にCC/CV制御できますから、そういう部品は増えていませんでしょうか。(HXY-042V2000Aでは保護回路になっているトランジスタに回路が繋がっていてちゃんと個別制御になっているとか)

 尚、その1Ω抵抗が一本無い状態で想像通りの回路構成になっているのであれば、2本同時充電の場合は1Ω抵抗が無い側のスロットに足を引っ張られて両方のスロットの電流が600mA程度に制限されてしまうちょっと遅い充電器になっていると思いますよ。
お返事 2008/3/23
投稿  こんばんわ。
 抵抗が1個なかったHXY-042V2000A(2本用)の件ですが、ありあわせの部品で修理しました。
 電流を測定しようとしたのですが、テスターが寿命?で壊れてしまい、まだ電流測定はできておりません。新しいテスターが届き次第計測してみます。

 内部の写真を撮りましたので、分かりにくいと思いますが、何かの参考になれば幸いです。
 VIPer12AがVIPer22Aになってるのを確認しました。(当固体

ハンダ面
http://www.youlost.mine.nu/upload/data/up001416.jpg

反対側
http://www.youlost.mine.nu/upload/data/up001417.jpg

IC部分
http://www.youlost.mine.nu/upload/data/up001418.jpg

 今更ですけど、この充電器、1本用も、2本用も型番同じですね。
ライト好き 様
お返事  VIPer22AはVIPer12Aの高出力版(W数が多い)ですから、一個で2回路ぶんの電力を供給するのにはそれで間違い無いですね。

 で、結局基板を見た限りではやはり「電源一回路で2つのスロットを同時充電」のようで、電源部では別々に電圧制御はされていませんね。
 2つの電流検知回路、2つの電圧検知回路、の合計4つの回路うちどれか1つでも規定値を超えて制限しなければならない状態を感知したら電源部を制限して出力を落として必要な出力電圧・電流にしています。
 「どちらか必要電圧が低いほうの電池に足を引っ張られる充電器」のようです。

 ところで、電流検知用の「抵抗が3本並列」のところですが、写真を見る限り私には「抵抗2本とコンデンサ一個」に見えるのですが?
 しかも抵抗が2個付いているほうでは「R100」と「1R0」の並列で0.09Ω、付いていないほうは「1R0」が無いので0.1Ω。0.1Ω抵抗が付いていても付いていなくても差は10%ですから充電電流に左右の差はわずかですね。
 1Ω抵抗は何か別の意味での左右の差を補正する為に付けたり付けなかったりしているのではないですか。
 もちろん「付け忘れ」という可能性も捨てきれませんが。

 ですので無理をして1Ωのチップ抵抗を入手して付ける必要は「絶対に必要」とまではゆかないと思います。

 「抵抗3本のうち一本が足りない」という情報でしたので、一本用の回路と同様に同じ抵抗値の抵抗が3本並列で、そのうちの一本が足りないものとして「電流値は2/3の600mA程度になる」と書きましたが、全く違うじゃないですか!
 一本はコンデンサに変わっていますし、残り二本も同じ値を2本並列で電流を分散させているわけでもない・・・

 充電電流値の最大は・・・写真ではチップ部品の表面数字が読めませんのでこちらでは計算できません。その基板の回路では
    I = 2.5 × ( R9 ÷ (R9 + R10) ) ÷ 0.09
の式で計算してみてください。

 実は「空っぽにした18650電池を充電開始時に、600mA程度ながれていたと思います」(これは抵抗がちゃんと付いていたほうでの測定結果)という投稿内容と、他に仕入れた情報によるとこのDigital Li-Ion 18650 Battery Chargerは「実は宣伝とおりの1A充電器ではなく、最大600〜700mA充電器ではないのか?」という疑惑もあるのです。

 電源部を一本化していたりもして、スイッチング電源部は実際は2Aの容量は無いので充電電流のほうを下げてしまっているのではないのか?という疑念が頭のなかで沸いています。
 果たしてどうなんでしょうね?

 全体の構成に話を戻して、一本用充電器では「CC/CV制御を正しくしていてすばらしい!」と思いましたが、二本用充電器では「中華製品らしい手抜き回路」で「機能は劣るけど充電できるからいいじゃん!」という事で済ませている事がよくわかりました。
 確かに過充電などの心配はありませんが、二本同時充電では既に書いたように「どちらか必要電圧が低いほうの電池に足を引っ張られる充電器」なので気分的にはちょっと難がありますね。
 もちろん放電した後のコンディションが揃った電池を2本充電するのならたいして差は無いので「充電している人は気づかない」という事でこういう手抜きをしているのでしょうが・・・

 1つ下の投稿へのお返事でも書いていますが、「一本用と二本用では多少は充電電流に違いはあっても」程度の差だと思えば、過電圧や過電流はかけずに充電して満充電になったらLEDが消えるという基本機能はまぁ同じ充電器・・・と納得はできますよね。(個人差はありますが)
お返事 2008/3/28
投稿  HXY-042V2000A(2本用)の件ですが、充電電流が計測できましたので報告いたします。実は前の書き込みのあと、比較用にもう一台、同じものを購入いたしました。
 1R0を取り付けたほうを個体1 あとから購入したほうを個体2として書かせていただきます。

 まずは1本づつ充電させたとき
個体1
  左スロット 0.92A
  右スロット 0.80A
個体2
  左スロット 0.78A
  右スロット 0.74A
 次に2本同時充電の場合
個体1
  左スロット 0.34A
  右スロット 0.36A
個体2
  左スロット 0.30A
  右スロット 0.32A

 えー・・・中国万歳(何
 せめて、2本同時で片方0.6Aくらいはだしてほしかった==;
 あと、個体2も開けてみましたが、やはり同じところの抵抗がありませんでした。どうやら仕様のようです・・・

 前回お返事いただいたR9とR10ですが、R9=10k R10=390でした
 参考までにどうぞ
ライト好き 様
お返事  2本充電時には素晴らしく低電流充電になりますね。
 予想以上に、負荷がかかると極端に能力が下がる電源部なのでしようか。

 最大電流の設定は約1Aですね。(R9とR10が逆?)
 電池一本の時にはほぼ設定値・宣伝値通りの1A充電のようですが、2本時にそれでは・・・

 調べて頂いてありがとうございました。・・・・しかも2台も!(^^;

 18650電池2本を充電する場合は、各一本ずつしか挿さないで充電器を2台並べて充電して「豪勢な充電環境」をお楽しみくださいませ。
お返事 2008/4/3
投稿 気の迷い様
ライト好き様

 Digital Li-Ion 18650 Battery Chargerの詳細なレポートありがとうございます。
 先の書き込みのように私も同機を持っていますが、中国万歳な商品である事がわかり、うれしい限り(笑)。
 急ぎじゃない限り、充電終了のプロセスさえちゃんとやっていてくれるなら、文句は言わないことにします(苦笑)。

 18165を2本同時に充電ということは余りありませんが、同時充電の時はのんびりと中国悠久の歴史に思いを馳せながらのんびりと充電完了を待つことにします。
みささ 様
お返事  みささ様が購入されてお貸し頂けるという投稿を頂いた時にお借りしてテストしてみればもっと早くわかりましたね。
 丁度忙しい時期だったのでお借りしてもすぐにテストできる状態では無かったので評価できませんでした事をお詫び致します。
お返事 2008/4/4
 
 こんにちは、「電池・バッテリー・充電器」の投書箱ではご丁寧なお返事ありがとうございます。

 ようやくDXから18650×2本タイプの充電器「Digital Li-Ion 18650 Battery Charger」が届きました。

 とりあえず、1本を試験充電中です。プロテクトなしの生セルなので、電圧だけをテスターでモニターしながら見守っています。

 このページで紹介されているHXY-042V2000Aのようにきちんと充電制御されているとうれしいですが、そこはそれ「中華思想満載」の製品ですから、同じメーカーの似たような製品でも全然中身が違うかも知れませんね(笑)。

 気の迷い様のようにデータロガーは持っていませんのでとりあえずは、電圧のモニターだけ。気が向いたら分解でもして基盤をのぞいてみようかなぁとは思っています。

※そう頻繁に使うものではありませんので、気の迷い様がまだお持ちじゃなければ、分解・解析用にお貸しできますよ。
みささ 様
お返事  開けてみないと・・・というのは本当に中華製品の場合は怖いですね(^^;
 でも多分大丈夫だと思いますよ、この二台は同じメーカー製で同一ラインナップの製品ですから、一本用と二本用では多少は充電電流に違いはあっても充電回路自体はそれほど違う物が入っている可能性は低いです。

 数時間で充電完了するでしょうから、充電器から外さずにそのままの電圧が4.2Vちょっと上くらいなら大丈夫です。
 LED表示回路は電流値で判定しているものですので多少は左右のスロットで消えるタイミングが違うかもしれませんが、まぁしくみがそういうものなのできっちり同一とはゆかない位は「仕様です」という感じで。
お返事 2008/3/11
 
 こんにちは、はじめまして。。。

 この記事とっても参考になりました
 これで私も中華ではなく今度はまとまもな充電器を購入する決心がつきました。

 っで、2,3お願いと言うか質問等々ですが

1.今現在、管理人さんの中でお勧めのバッテリー&充電器は
  どれでしょうか?

2.いつか試して(気が向いたら)もらいたい
  バッテリー&充電器があるのですが

 私が愛用しているバッテリーです
http://www.pro-light.jp/battery/battery_1.html
 赤いラベルのパッケージの物ですがUltraFireより以前から販売していまして海外でも精度と信頼性が高いと評価されている物です。

 もうひとつは
http://www.kaidomain.com/WEBUI/ProductDetail.aspx?TranID=1374
なのですが、見た感じは個々で監視しているようです
 ただ、中華クオリティーなのであまり定かとは言えませんね。。。

 すみませんが本当にお手すきの時にでも宜しくお願いしますm(_ _)m
unknown 様
お返事  まだそれほど多くのリチウムイオン充電池・充電器を使用したわけではないので、いまのところは特にこれがお勧めとか言えるものはありません。
 充電回数もまだ50回を越えていませんので、電池自体の耐久性などもこの回数では特に悪い感じがしませんので、もっと使い込んでみないと「実用的」かどうかの判断も難しいところです。

 これからのテストでも主に中華製の安価な充電器などを購入してみる予定ですので、凄く良いからお勧め!という機種は出てこないかもしれません。なにしろ中華製ですから・・・
お返事 2007/12/15
 
 こんばんは
 BQ−390改造で基板の真中に穴を明けたマツモトです。
 当方ここを参考(真似して)Li-Ion充電器を作り2〜3年経ちますが快調に動いています。 (充電電流500mA)
http://www.cac-japan.com/electronics/libt_chg/index.htm
 LTC4054-4.2は、国内の通販で入手しました。
 基板銅箔面をPカッターでパターンの溝を作る方法は、ICの放熱に効果があり500mAでも熱くなりませんでした。

 それまでは、マイコン制御(PWMで電流制御)の自作充電器を使用していましたが充電中に時々4.3Vをオーバーすることがありスリル満点でした。

 放電中は、こんなのを使用して過放電しないようにしてます。
http://yokohama.cool.ne.jp/s8426cl/bchk21.gif
 これは、インドア飛行機のサイトを参考にしました。
マツモト 様
お返事  マツモト様こんばんわ。

 私も最初はLTC4054のような専用ICが充電器の中に入っているものと想像していました。
 だって、外付け部品がほとんど無く充電器の中心部が作れてしまうのですから、こんなに簡単な事は無いんですよね。

 過電圧や過電流になる事も無いし、ちゃんと充電完了でカット、そしてLEDまでカッチリ表示してくれるのでIC一個で申し分の無い充電器が作れてしまいます。
 LTC4054なら外付け抵抗で充電電流も思いのままに設定できますから、UltraFireのように目的の電池容量にあわせて外観・ケースの大きさが違う製品を作る際にも同じチップで抵抗だけ変えれば良いので大量生産するメーカーにとっては仕入れ値も下がると思うのですが・・・
 (それでもIC1つで$1〜$2程度になると$10程度の充電器では原価的にダメですか、中国製ならもっと安いICもありそうですけど)

 通販ではなく日本橋に売っていれば間違いなくTR-001LTC4054-4.2を組み込む改造をしているところです。
 幸い、カッターでパターンカットをしてTR-001を載せられそうな広いパターンが2箇所もありますし(^^;
お返事 2007/12/4
投稿 >通販ではなく日本橋に売っていれば間違いなくTR-001にLTC4054->4.2を組み込む改造をしているところです。
 日本橋で入手出来るようになればいいですね。

 このグラフは、マイコン制御で2セル直列で充電していたころの充電電流のグラフです。
http://yokohama.cool.ne.jp/s8426cl/ifig01.jpg
縦軸は電流(mA)、横軸は時間(分)です。その充電器は解体してしまいましたが....。
 このグラフが出来た時は嬉しかったですね。
 グラフを見て思い出しました。
 最初電流を少し流し、様子を見て問題なければ一気に1Aまで流しました。電圧が4.2Vになったら後は、4.2Vを超えない様に電流を調整.....。 でもここが上手く行かないときがあり、スリル満点でした。充電器のそばを離れられない!
マツモト 様
お返事  ラジコン用充電器でも最初は徐々に電流を上げてゆくようにプログラムされていますね。
 壊れたリチウムイオン充電池にいきなり大きな電流を流してドカーン!とはさすがに怖いです。

 多分ディスクリート部品で定電流・定電圧充電器を作っても、マイコン制御にしても最初のうちはつきっきりで監視していないと安心できませんね。
お返事 2007/12/7
 
 UltraFireの充電器を買おうと思っていたので結構驚きました。
 自分で充電器を作る努力をしようかなぁ。
 電池ケースはTR-001を買ってw
はdsn 様
お返事  UltraFireの充電方法も(多分)特許取得済みの「パルス充電」でリチウムイオン充電法の1つなのでそれほど毛嫌いしてやらなくても良いと思いますが。
 UltraFireの充電方法が原因で充電中に発火したとか爆発したとは聞いたこともありませんし。

 うちではWF-138と139はこのまま使いますよ。
 TR-001(改)はちょっとバネが弱いのが難点かもしれません。50mm以上の電池だとしっかりホールドしますが、34mmなんかだとかなり弱いのでちょっと不安が残りますね。ホームセンターで買ってきてバネも交換?
お返事 2007/12/2
 
 こちらの自転車のダイナモでLEDを使う記事などは大変勉強させていただきました。といっても、私の場合はその記事があまり役に立っているとは言えず、単なるブリッジダイオードによる整流のみで、懐中電灯用のDCコンバーターを介して、またはLEDをダイレクトドライブしています。

 しかし、最近は自転車よりも懐中電灯そのものにハマってしまい、しかも電池については、CR123Aや充電式のRCR123Aから18650、17670、17500まで手を出してしまっているので、充電にはいろいろ悩んでいたところです。
 リチウムイオン電池は危険ということで、ここで取り上げられている中華充電器は一応持っていてもほとんど使ったことはなく、ラジコン用の充電器(定電流+定電圧)、3.6V用にスワローアドバンスや3V用にハイペリオンなどを使っていますが、ここを読んで、中華充電器は単なる電池ホルダーとして使う方が無難じゃないかという確信が深まりました。
 実際に、RCR123A用の電池ホルダーは持っていて、ラジコン用の充電器で使っていますが、それ以外の大きなサイズの充電池(18650/17670/17500)に合うホルダーはどうしようかと悩んでいたところでした。
rinamo 様
お返事  良い充電器をお持ちですね。

 ラジコン用充電器で筒型リチウムイオン充電池を充電する時には本当に電池ホルダーをどうするか悩みます。
 私は一応自作の端子アダプターを作って対処していますが、市販のCR123Aホルダーのような良い製品が無いのが辛いですね。

 数千円するラジコン用のバラセル充電用ホルダー・充電台等の価格と比べたら、これらの海外製充電器をバラして筒型リチウム電池充電ホルダーにだけしてしまっても悔いが無いんじゃないかと思ってしまいますね。
 特にTR-001は対応電池の種類も豊富ですし(^^;

 今回の海外充電器3種と比べれば、定電流・定電圧管理をちゃんとしてくれるラジコン用の充電器があるのならそちらを使わない手は無いと思います。
お返事 2007/11/28
 
>「この値段ならこの内容で仕方ないか、中国製だし…」とあきらめもつきます(笑)
 つくの!?
(匿名希望) 様
お返事  時間はかかりますが充電はできますし、ニッケル水素充電池用のセリアの105円充電器と比べると十倍くらいの値段ですが、活用方法を考えればそこそこ役立つ「憎めない奴」ですよ。

 『急速充電だと途中までで充電を止めていて少ない容量ではない?、規定通り4.2Vの定電圧で測定できないくらいの微弱電流でも24時間くらい充電を続けたほうが沢山の容量が入らない?』という実験をするのに、わざわざ4.2Vの電源を作ったり、市販されていない18650〜14500位のどれでも入れられる電池ホルダーまで付いてたった$9.17って安いとは思いません?

 CR123A/CR2用の電池ホルダーは電子部品店で売っていますが一個230円はします。2個でもうTR-001の半分位も…
 18650用ホルダー等は売っていませんから手作りする事になりますから、材料費や手間を考えたら「電源・充電回路がオマケで付いてきて」$9.17で手に入るのですよ!
お返事 2007/11/26
 
 この記事の楽しみにしていました(笑
 充電した容量が少ないのは、生セルと違ってプロテクト付き電池だと、プロテクトが働くところまでしか使えないから ですかね。
(リチウムだからメモリ効果は問題なさそうですが

 当方もTenergy社製のRCR-123A(900mAh)を使っておりますが、使った人のレビューによれば、ランタイムは書いている容量よりは少なくなるみたいですね。何にせよ、使い捨てでは高価な電池を気軽に使えるのはいいことです(笑
(匿名希望) 様
お返事  そうですね、市販のCR123Aリチウム一次電池は高すぎます。
 うちの近所ではホームセンターコーナンでコーナンブランド(中身はFUJIFILM)のCR123Aが一本398円が最安値です。(389円だったっけ…)
 海外通販を利用すれば、海外製CR123Aが一本150円程度で購入できますが、それでも少ない容量のCR123A電池を沢山使い捨てるのは経済的にたまらないものがあります。

 TenergyのRCR123Aはプロテクト回路も入っていて電圧が3Vと、普通のCR123A電池の代わりに便利に使えて良いですね。いつか購入してテストしてみたい電池の1つです。(しかし電池単体で安く海外通販していない…)

 「実使用で容量が少なくなるのは、プロテクト回路が働くところまでしか使えないから」というのはまったくの都市伝説です!

 通常プロテクト回路には2つの働きがあり、1つは「過充電防止」、もう1つは「過放電防止」です。(放電時「過電流防止」回路がある場合もあります)
 充電する場合と放電(使用)する場合のそれぞれで繊細なリチウムイオン充電池を壊さないように保護しています。

 「過充電防止回路」では、今回のWF-138の充電グラフを見ればわかりますが本当に過電圧になって危険になる前に保護が働いて充電方向の接続をカットしますが、普通の充電器を使用している限りはプロテクトはほぼ満充電のところ以上で働きますので「プロテクト回路が充電を途中でカットして満容量まで入らない」ということは無さそうです。
 充電器ではなく定電圧電源などを直接繋いでいろいろ実験していますが、電池を破壊するようなことをしようとしない限りプロテクト回路のせいで満充電よりはるかに少ない所で止めてしまうという事はありませんでした。
 ですので、プロテクト回路が悪さをして満容量未満しか使えないという事はありません。

 「過放電防止回路」では、負荷を繋いで電池から電流を流している時に放電末期にリチウムイオン充電池の最低保護電圧以下まで電圧が下がってしまわないように監視して、もし規定の電圧より下がったら出力をカットしてしまう回路です。
 「プロテクト回路が働くところまでしか使えないから」というのはこのカット回路がまだ電池に電気が残っているのにカットして残りを使用していないと信じられているからでしょう。
 しかしこれは大間違い。

 「TenergyのRCR123A」が万が一特殊という事もありえますので全ての電池で同じとは言い切れませんが、一般的なプロテクト回路付きリチウムイオン充電池の放電時のグラフは右のようになります。

 リチウムイオン充電池は電圧が0.6Vを下回ると内部で回復不能な化学反応が起こります。これは電池容量の低下・電圧などの低下、ほか物理的に電池缶を腐食させて保存時または次回の充電時に液漏れ・ショート・発熱・発火など深刻な事故を招く原因になるとされています。

 ですのでプロテクト回路はそのような過放電になる前に電池の出力をカットして、2.数V以上の電圧を保ちます。

 リチウムイオン充電池(3.7V/3.6V)の容量を測定・表記する場合は約3.0Vまで放電できる時間から計算しますので、もしプロテクト回路が2.7Vで働くように設定されていると、それは「まだ容量が残っているのにカットする」のではなく「満容量を使い切って、急激に電圧が落ちる過放電域まで進んだ事を検知してカットする」働きである事になります。
 グラフで見ても、3.0Vまで使用されてからまだ先の時間でプロテクトが働く電圧(2.7V>になりますよね。

 もしプロテクト回路がカットしなくても、もう電池の容量は残っていませんのでアッというまに電池電圧は0.数Vまで下がってしまいます。使用できる時間は放電プロテクト回路の有無にはまず関係ありません。
 一般的なプロテクト回路付きリチウムイオン充電池では「プロテクト回路のせいで使える容量が少なくなる」ということはありません

 聞くところによると、はじめてプロテクト回路付きのRCR123Aタイプ充電池が出来たとき、まだ回路の極小化技術が適用されなかった為にセルを小さくして「隙間」を作り、その中にプロテクト回路を入れたという歴史があります。
 当時はなんと電池の体積の1/3程度もの大きさの回路を搭載していて、電池容量は「生セル」と比べて2/3程度に少なくなってしまいましたので「プロテクト回路のせいで使える容量が少なくなる」という悪評が立ちました。
 ここでいう「…のせいで」は電気的な意味では無く、物理的にプロテクト回路が場所を取って本当に「電池」としての容量を減らしてしまった事です。
 これが都市伝説のはじまりです。

 今では直径1cm、厚さは1mm程度の極小基板にプロテクト回路を載せる事に成功していますので、ほとんどのプロテクト回路付き充電池は「生セル」と変わりない容量を実現しています。
 そのため生セルより1〜2ミリ長く太さも0.数ミリ太い電池になっていて、一部の機器では「電池が入らない」「蓋が閉まらない」という不具合も出ていますが、プロテクト電池専用に「長さが短いセルをわざわざ設計・生産する」よりは生セルを共用して原価が下がるのでこうしているのでしよう。

 またプロテクト回路の中のFETがほんのわずかの抵抗になりますので、放電時等は厳密には無駄にエネルギーをロスするわけですが、それが「880mAhと書かれた電池が500mAhしか使えない理由」にはならないと思います。抵抗値はわずか数十mΩなのですから。

 いまだに厚さ1mmのプロテクト回路技術を使わずに、電池内部に大きなプロテクト回路を入れている電池も製造されているそうですが(Tenergyもその一つらしい…)、そのような場合は中のセル容量を表記していてパケージが同じ「長さ」の生セルの容量を表記しているとは普通は考え難いですね。但し相手は中国なので私たちの常識は通用しませんが・・・

 「プロテクト回路のせいで…」という事は電気的な理論上はありえない都市伝説ですが、実際の電池で同じ容量表記の生セルとプロテクト付き電池で容量が違う事がある(本当に「事がある」程度)は確認しています。
 これは同じメーカー・同じ容量表記とはいえ、中のセルが同じ物を使用しているという保証が無い(生セルと値段を揃える為に安物を使っている可能性も有り)ので正直そのまま比較できるものではありませんが、プロテクト付き電池のほうが容量が少ないのです。(但しこの電池だけかもしれません)
 プロテクト回路の影響で容量が少なくなるのか、そうでないのかは「外装フィルムを剥いてプロテクト回路を外してしまって、その前と後で容量を調べる!」というテストをしてみないとわかりませんね。
 まだ買ったばかりの電池(利用目的もありますし)を剥いてしまうのはちょっと躊躇していますので、そのうちに「剥き身実験専用」に新品を購入してテストしてみたいと思います。

 もしかしたら・・・今使っている電池の外装がプロテクト回路部分で既に破れはじめているので、これが派手に破れたら「剥き身実験」の機会が早く来るかも・・・

 またそういう結果は(テストをしたら…)電池テストの公開時に掲載します。
お返事 2007/11/26
投稿  プロテクト回路と容量の関係の詳しい説明、ありがとうございます。
 ・・・・空いた口が塞がらない とはこのことですかね(笑
 表記された容量が一番大きいから とTenergy社製のを購入しましたが、失敗したかな(笑
 あの容量表示は本当になんの表示なんでしょうね、付属していたTenergy社の充電器には、出力4.4V 360mAの表記があり、充電時間は、1本で2.7時間、2本で5.4時間と表記されてたと記憶しております。今度空っぽからの充電時間を計測してみることにします。(単純に容量を出力で割った計算だったらどうしよう)

 この製品ですが、Yahooオークションで大量に出展されている方がおりますので、送料込み5000円程度で購入できると思います。(宣伝みたいで申し訳ない) もし購入されるようでしたら、参考にどうぞ
都市伝説の投稿者 様
お返事  ああ、ヤフオクで大量に出ているのですか。見てみます。(でも5000円はかなり高いなぁ)
 Tenergy社の充電器も表記通りの定電流充電なのか、数値が違うのか、定電流では無いのか・・・など調べてみないと不明なので単純に時間計算で容量が算出できるかわかりませんね。
 それでも参考データとしては聞いてみたいので、もし試されましたらまたご連絡ください。

 今回測定したCR123A互換の充電池は390/880mAhや260/1000mAhなど表記よりかなり少ない容量のようです。(まだまだ調査は必要ですが)
 TenergyのCR123A互換電池も同じように表記より容量が少ないとなると、リチウムイオン-CR123A互換電池の世界では「かなりのオーバー表記?」があたりまえなのでしょうか。
(デジカメ用の海外製互換電池も「純正電池より撮影枚数が少ない!」等の声がありますね)

 比較的初期にRCR123A充電池を出したネクセルのRCR123Aは容量350mAとかなり少ない表記で改良された新型が600mAh、それから考えると体積が同じで初期の3倍の1000mAhなんてそう数年で実現するのは難しいと思うのですが、果たして電池の技術進歩はそこまで急速に進んでいるのでしょうか。
 それとも、何か特別な方法で充電するとメーカー表記の容量まで充電できるとか、放電時の電流設定によっては充電した容量より飛躍的に取り出せる容量が増えるとか?(中国メーカーの科学力はそんな物理法則をねじ曲げるような錬金術が可能なのか!?)
 何か真相をご存知の方はこっそり教えてください(^^;

 まだまだリチウムイオン充電池の世界は奥が深いです。
お返事 2007/11/26
投稿  Tenergy社の900mAを充電してみました。

 プロテクトが働くまで使った後、充電器にかけて時間を計測したところ、1時間50分程度で充電が完了しました。
 充電中を示す赤LEDがついていますが、1時間30分を過ぎたあたりから、だんだん緑に変わってきます(混ざってくる) 最終的には1時間50分の時点で完全に緑になったので電池を取り外しました。
 取り外した電池の電圧を測ると3.8V〜3.9Vでした

 この電池、付属の4本とも、マイナス端子側が5mm程度のところまで少し細いんですよね、これがプロテクト回路・・・なのでしょうか
都市伝説の投稿者 様
お返事  Tenergy充電器の「360mA」が定電流充電の正しい値で、UltraFire充電器のように最後まで定電流で充電しているなら1時間50分充電では 360mA×1.8333h=660mAh 充電できたという事になりますね。
 660/900mAhでもやはりかなり表記より少ないような気がしますね。

 可能性は低いですが、360mAが間違いで500mA程度の電流がずっと流れているのであればちょうど900mAhで表記通り充電できた事になります。いや本当に可能性は低いのですが・・・

 どちらかというと、他の要因で実は平均で360mA未満しか流れていなくて、トータルで660mA未満の可能性のほうが・・・と、私の背後霊様が囁いています。
 いやこれは本当にいつかTenergy充電器と電池のセットを購入して試してみないと答えは出ませんけど。

 充電中を示す赤色LEDがぼ〜っと暗くなってゆく様子はまさにコンパレータか何かで充電電流、または電圧を比較していている、TR-001の回路と似たものでしょう。

 プロテクト回路については、1mm程度の厚さのUltraFireのものが「takebeat様のブログ」で分解写真が公開されています。
 UltraFireの16340(CR123互換サイズ)電池の場合はマイナス電極の裏に写真のようなごく薄いプロテクト基板(PCB)が入っています。

 Tenergy RCR123A電池だとこれが5mm程度の厚みがあるのでしょうか。(基板は薄くても格納容器部込みで5mmほど?)
 そうすると中のセルの容積は16340生セルより5mmぶん少なくなりますが、それで660mA充電できているのであればサイズ的にはせいいっぱいのような気がします。
 もしセルサイズが小さくて900mAもの大容量を実現しているのでしたらTenergy RCR123A電池はかなり凄い電池!という事になりそうなのですが、本当に充電されている容量はどれくらいなのでしょうね。
お返事 2007/11/28
投稿  以前Tenergy社のRCR-123のことを書き込んだ者です。

 ネットで調べていて少し気になる記事(書き込み)を発見しました。
 Tenergy社のRCR-123は無負荷時の電圧は3.6V(実測で3.6〜3.8でした)ありますが、負荷をつなぐとすぐ3.0Vまで落ちる というのです。手持ちの機器に3Vで使えてテスターをつなげられるものがなかったため。PC用のファンに繋ぎ実験したところ、本当に3.0Vまで電圧が落ちました。以前書き込んだ5mmほどあるプロテクト回路は、この電圧制御の回路も含んでいるため大きいのでしょうか。
 それとも、他の3VタイプのRCR-123も同じような仕様なのでしょうか
都市伝説の投稿者 様
お返事  Tenergy社のRCR-123は変わった処理をしているのですね。

 たぶん充電中(や充電後)には電池→外部へのFETをONにして生セルの電圧を出しているのでしょう。
 推測でしか言えませんが、3.0V用充電器ではなく3.6V用の充電器で充電できる(満充電を検知できる)ような特殊な設計になっているのではないでしょうか。

 3VのRCR123Aとは言っても中身は3.6Vの普通のセルです。
 簡単なつくり(ノンプロテクト)の3V電池は電池→外部方向にはVf=0.6Vの整流用ダイオードが付いていて出力電圧を3.6V-0.6Vでみかけ上3Vにしています。
 そのままでは充電できませんので外部→電池方向にはVfの低いショットキーバリアダイオードが付いていて、セルにはほぼ充電器の電圧通りに充電するようにしています。3V電池だからといって3Vで充電しているわけではありません。

 UltraFireのような3.6V/3V切り替えが付いている充電器では充電は定電流で電池が必要とする電圧をかけて行い、満充電チェックは開放電圧を測定していますから3Vモードでは電池内部のダイオードの電圧降下ぶんを考慮した低い電圧で満充電を検出します。

 ところが、このような3V対応タイプの充電器でTenergy社のRCR-123を充電した場合、Tenergy社のRCR-123は充電中には3.6V電池として振舞いますから3Vモードで満充電を検知するとまだまだ満充電には程遠いのに間違って満充電だと検知して充電をストップしてしまうでしよう。
 この事を証明する投書がtakebeatさんのブログ「Li-ion充電器 ― 2007年11月10日」に書かれています。
 『Tenergy社のRCR-123はWF-138では3Vモードでは充電できず、3.6Vモードだとちゃんと充電できた』

 つまりTenergy社の充電器は3V電池対応ではなく通常の3.6V用で、電池側のほうに3.6Vモードで充電・3.0Vで使用という回路を入れているのでしょう。
 この方法なら「充電器のほうを3.6V/3.0V切り替え対応にしなくて済む」という事です。間違って3.0V電池を3.6Vモードで充電して過充電して破損する心配がありません。

 充電中は3.6V電池として振舞う回路は、放電を検出したら一瞬でその振る舞い回路(FET)をOFFにして通常の3V電池と同じくダイオード経由で電圧を出力するのに切り替えるのでしようね。

 面倒な事をしていますが、充電器のスイッチ切り替えを間違ったり、他社製や3V電池に非対応の充電器で充電してしまった時に破損しないようにするには良い方法です。
 ただその為にプロテクト回路が5mmにも大きくなってしまっているのでしたら安全に対する対価として容量を犠牲にしているのでしよう。
お返事 2007/12/7
投稿
12/18
 いつも楽しく見ております。
 以前、リチウム電離特集のときに、Tenergy社製RCR-123の投稿をした者です。このたび、Fenix T1(Q5)を購入しましたので、電池の容量計測ができるかと思い、やってみました。T1はLowモードで約10時間電池が持つらしいので、130〜140mAくらいの電流が流れる・・のかな。
 満充電したRCR-123をいれて連続点灯で4時間半程度、点灯できました。580〜630mAhの容量・・・ということでしょうか。
 やはり表示の容量よりは少ないようで・・・

(このライト、Higtモードだと、CR123を1時間半で食い尽くすので、RCR123だと電流やばそう・・・)
(匿名希望) 様
 
 とってもありがたい実験でした、感謝感激雨あられです(ちょっと古い?)
 それにしてもTR-001の過充電防止をこんな簡潔な方法で実現してしまうなんて驚かされます、実用的実践電気電子工作ですね。

 UltraFireの充電器のLEDの点滅も当初謎だったひとつで、のちのちパルス充電と分かりましたが、それが詳細なレポートになったのは今回が初めてではないでしょうか?
 UltraFireからお礼のひとつでも届いて良いかもしれません(^_^;)
takebeat 様
お返事  UltraFireの充電器は、海外のLEDライト等(電池もUltraFireブランドが多い)でリチウムイオン充電池を使用している方も多いと思い、ぜひテストしてみたい機種でした。
 充電電流は表記通りではありませんでしたが、まずまずの性能で満足しています。

 「本体に500mAと書いているから、○○電池を4時間で充電できたので2000mAh充電できたはず、なのに1500mAh程度しかランタイムが無いよ!」という風に思っている方も多いかもしれません。
 実際に測定したら380mA程度と全然表記と違うのはやはり中華製品の細かな所は気にしない「おおらか」なところでしょうか(^^;

 TR-001はまさに「大当たり!」を引いた気分ですね(笑)
 研究のしがいがありました。
 準定電流充電方式の回路だと、どうしても最後は電源電圧にほぼ近いところまで電圧が上がってしまいますので、終了時の電圧(電源電圧)を電池の規定電圧と同じにすると電流が少なくなりすぎて時間が膨大になってしまいますし、時間短縮で電圧を上げておくと最後は過充電をしてしまうような電圧になってしまう。無制御状態の充電方法なので厳密には充電池の充電にはあまり適していません。
 最後にはほとんど電流が流れないという点を活かして、ニカド電池やニッケル水素電池、また鉛バッテリー等の充電では長時間充電の方法としてよく使われる充電方法なのですが、「過電圧には要注意」とされているリチウムイオン充電池で、微弱電流でも電圧が規定より高い状態でどのくらい電池にダメージを与えるのか、数時間〜1日程度であれば問題無いのか?、なども実際に電池を使いながら追々調べてゆきたいと思います。

 TR-001の改造自体は本当に簡単なものですので、「まさかの発火事故」が怖い方はツェナーダイオードで安全な電圧まで制限してしまう事をお勧めします。
 ただ本文中にも書きましたが、0.01Vの桁はダイオードのバラつきやTR-001の電源回路の電圧誤差などで多少は違ってきますので、ツェナーダイオードは少し予備を買っておいて1〜3本の並列接続でうまくゆくかテストして組み込んでください。
 4.2Vを0.01V超えたから即爆発!というものではありませんので、今回の私の4.21〜4.22V程度の制限でじゅうぶんだとは思います。

 ライトの購入本数やDIY改良ではtakebeat様にはとてもかないませんので、中華ライトの新製品情報等、今後も楽しみに読ませて頂きます。
お返事 2007/11/26
 

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