■気の迷い■



SANYO充電器 NC-M58 満充電キープ機能実験 ◆
今回のおまけ「各電池の自己放電特性」試験(10日版/一ヶ月版)

※ 各電池のグラフに「一ヶ月放置後」を追加しました (8/28)
※ TOSHIBA2500の測定結果を追加しました (9/2)
※ TOSHIBA2500一ヶ月放置結果を追加しました (10/3)
※ 各電池の自己放電特性比較グラフを追加しました (11/1)


 「SANYO充電器 NC-M58 個別充電表示化改造」のコーナーで実験が必要となった『NC-M58の満充電キープ機能』の効果を実験してみました。

 あわせて。ニッケル水素電池のマイナス要因の1つである『自己放電』についても実際に測定してみましょう。
 10日放置、一ヶ月放置でどれくらい容量が減少してしまうのか、また「自己放電が少ない」と宣伝してる電池は本当にそうなりか?を調べました。

その他、充電池に関するページのご案内

 三洋エネループは使えるの?

 新型エネループ「eneloop-」とは!?
 海外製格安ニッケル水素充電池の性能は?
 eneloop似の新電池「POWER LOOP」の正体とは!?
 100均電池は安いが性能悪い?
 実は…驚くべきその実力とは…
 そして有名メーカー製アルカリ電池の性能実験

 など各種電池の実験・記事は「気の迷い」メニユーページからどうぞ。


■ 満充電キープ機能とは?

 充電式の電池は充電が完了した時点から(充電電流を流さなくなってから)機器に入れて電気を消費しなくても電池に蓄えられた電気が勝手に減ってゆきます。これを「自己放電」と言います。

 実際には電池の中で電気を蓄えている化学物質の化学反応が徐々に進む現象なのですが、詳しい化学式などは専門書の解説に譲ることにします。

 ふつうのニッケル水素電池ではこの自己放電がかなり多く、買って来て最初に使う前には必ず充電しないとほとんど電気が取り出せないものでした。
 また家で充電しても数週間〜数ヶ月も放置すれば中に残っている電気がほとんど抜けてしまっていて、使う前にはやっぱり充電してやらないとほとんど使えないといった不便なものです。

 その自己放電の不便さを解消した新電池が三洋の「eneloop(エネループ)」や松下の「HHR−3MPS(通称パナループ/緑パナ)」です。
 いちど充電しておけば、半年くらいは放置しても80%程度にまでしか自己放電しないというのが売り文句で、店で買っても新品状態ではほとんど放電していなくて乾電池のように気軽に使える商品ですね。
 また容量を低く抑えたぶん充放電回数(サイクル回数)も従来製品の倍くらいに伸びていて、「1000回くりかえし使える」とメーカーは宣伝しています。
※ 本当に1000回使えるかはまだ謎です

 そんな新電池でも自己放電は0になったわけでもなく、やはり充電完了の瞬間から自己放電は始まります。

 充電器に電池をセットして、充電完了した後も「充電完了時のフルパワーが(使う時まで)いつまでも持続してくれていたら」という充電池に対する希望を叶えてくれる機能が「満充電キープ機能」なのです。
 ・・・なのか?
 ・・・な・・・はず?

 さて本当のところはどうなんでしょう?

 サンヨー充電器の「満充電キープ機能」がどのような働きで、実際に電池の満充電はキープされるのか???

 この気になったら夜も眠れない疑問を解決すべく実験を行いました。


※ NC-M58の満充電キープ機能(パルストリクル充電)の方法・電流等については「SANYO充電器 NC-M58 個別充電表示化改造」のコーナーに掲載していますのでご覧下さい。


■ 実験に使用する電池

 つぎの4種類の電池を使用します。(容量順)
※ 電池の画像からメーカーページにリンクしています
エネループ(eneloop) HR-3UTG
Typ 2000mAh / Min 1900mAh
パナループ/緑パナ HHR-3MPS
Typ ----mAh / Min 2000mAh
パナソニック2600 HHR-3XPS
Typ 2600mAh / Min 2400mAh
サンヨー2700 HR-3UG
Typ 2700mAh / Min 2500mAh
2006/9/2 つぎの電池を追加
TOSHIBA2500
(サンヨー2500OEM)
TH-3K
Typ 2500mAh / Min 2300mAh

 本来は一本の電池で「放置実験」と「キープ実験」の二種類を行って数値比較をするべきなのですが、時間が倍かかってしまいますので今回は「セットA」「セットB」の2組の電池を用意して、「セットA」は「放置実験」、「セットB」は「キープ実験」を行う用途とし、同時に10日間/一ヶ月間の実験を行います。
Q&A  匿名希望様よりご質問がありましたのでお答えします。
【Q】
 電池1〜2本程度を測っただけで特性がどうとか公表するのは問題ではありませんか?
 せめて10本くらいで実験をして平均を出すのが実験の基本では無いでしょうか?
【A】
 ご指摘の通り、もしたった一本の電池だけで測定した内容では電池の個体差、もしくはその一本が不良品だった場合の誤測定になると思います。
 今回の実験にあたり、各電池は8〜10本を(できるだけ別ロット品が入手できるよう分けて)購入し、それぞれについて初回から数回の充放電特性を測定・記録し、大きなバラつきや不良品が無いことを確認した上で、各電池の中で最も平均的な数値を出している個体を実験対象に選んでいます。
 この選別方法により、10本程度で実験を行って平均値を求める方法とほぼ変わらない信頼度で測定を行っています。

 まずは全電池の満充電時の放電測定結果のグラフです。
 いつものように1Ω定抵抗放電、終止電圧は1Vです。
※ 電圧分解能が3V/8ビットのため多少カクカクしたグラフとなっています。
※ データは5秒サンプルの元データを30秒毎(6サンプル)で平均化してからグラフにしています。
※ 放電実験実施2006年7月17日、室温30度C(+−1度C)。
※ 追加実験の電池、TOSHIBA 2500 はこのグラフには掲載していません。
▼グラフをクリックすると拡大表示

 全ての電池は今回に関連する実験用に購入したもので、新品から充放電サイクルが5〜10回のものです。(容量測定等で数回使用)
 パナループ/緑パナのグラフが多少2本の間に個体差が出ているようですが、今回の満充電キープ実験では厳密な電圧差を比較するものではないのでこのままで大丈夫です。

 放電終了までの時間を見ると、ほぼ定格容量の順になっているのがわかります。
 このグラフを見る限りは2700mAhの大容量電池が長時間連続使用には適していることが見て取れます。
 デジカメのような用途では、“電池の持っている力を最大限に引き出す”(満充電状態で使う)のであれば大電流・大容量の2700mAhタイプのような電池が有効ですね。


■ 実験方法

 今回の実験では、満充電後に『10日間放置』した場合と『満充電キープ機能』を続けた場合を比較してみましょう。(後に、一ヶ月放置状態の試験を追加しました)

 なぜ「10日」なのか?
 当初は「一週間」で実験してみようと思いましたが、「少し短すぎはしないかな?」「差が出なかったらどうしよう?」と思い少し伸ばして10日にしました。
 「10日」に特に深い意味はありません。(すみません)

 満充電キープ機能といっても、「一ヶ月以上使わない場合はコンセントから抜いてください」と説明書で注意されているように、何ヶ月も使わないのにキープしておくための機能ではなく、あくまで充電完了後数時間〜数日間のキープ機能だということです。
 確かに、一ヶ月以上もコンセントに刺したままキープするのなら、一旦抜いて保管しておいてまた使う前に充電したほうが良いでしょう。
 コンセントに刺しっぱなしにしておくことで万が一トラッキング事故(コンセントに溜まったホコリなどに通電して火事になる事故)などで発火する危険性もあることですし。

 そこで、「日曜にデジカメで使用して、家に帰って充電、そのまま一週間放置してまた次の日曜に使う。」といった感じの休日使用をする場合に近い状態でテストしてみようと思ったわけです。(仕事で毎日充電池を使って、毎日充電する人の用途では…満充電キープ機能は必要無いでしょうしね)
 ニッケル水素電池は「使う前に充電する!」が基本ですが、もし充電器が満充電をキープしてくれるのであれば、わざわざ「休日前の土曜に充電器にセットして日曜に使えるように準備する」なんてことをしなくても良いはずですし、当日の朝になって「しまった!土曜に充電するのを忘れてた!」なんて事にはならないはずですよね。(2本なら倍速充電で出発まで2時間程の余裕があれば充電できますが…)
 数日前から充電器に入れっぱなしにしておいて良いのなら、ズボラな性格の人や充電池の使い方に詳しく無い人にも最適ということになりますね。

 用意した電池「セットA」「セットB」について次の実験を行います。

満充電キープ機能の試験 (10日版)
検査種別 電池 とり扱い 放電特性検査の時期
充電完了
直後検査
電池A 充電完了後取り外し 充電完了後1時間後に測定
(基本コンディションの測定)
電池B
10日間
経過検査
電池A 充電完了後取り外し 10日間放置後に測定
(自己放電の測定)
電池B 充電完了後満充電キープ 10日間満充電キープ後に測定
(自己放電との比較)
追加試験
一ヶ月間
経過検査
電池A 充電完了後取り外し 一ヶ月間放置後に測定
(自己放電の測定)
 各測定は、(予備)標準充電→(予備)放電→標準充電→試験の順に行います。

 『充電完了直後検査』は、上の各電池の放電特性グラフになります。
 各電池の基本コンディションの確認と、10日間放置後との比較用データとなります。

 本題の『10日間経過検査』は次のようになりました。
 10日間の放置中は普通の室内に電池・充電器を置いています。室温の変化は28(夜間)〜32(昼間)度です。かなり暑いです。


■ 実験結果

 こちらが10日間『放置』したものと『満充電キープ』したものの放電特性グラフです。
※ 電圧分解能が3V/8ビットのため多少カクカクしたグラフとなっています。
※ データは5秒サンプルの元データを30秒毎(6サンプル)で平均化してからグラフにしています。
※ 放電実験実施2006年7月27日、室温30度C(+−1度C)。
▼グラフをクリックすると拡大表示
CSVファイルのダウンロードは[こちら]
(右クリック→対象をファイルに保存)
 ごちゃごちゃしていて見づらいので、電池毎にグラフを整理してみましょう。
 中に1つとんでもない物が混じっているようですが‥‥

※ これ以降の各電池のグラフには「一ヶ月間放置実験」のデータを追加しています。

eneloop (HR-3UTG) の結果
▼グラフをクリックすると拡大表示
 満充電直後の状態と比べて、満充電キープしたものはほとんど性能が変わっていません。
 維持電圧が少し低くなっていますが、これは高い電圧で満充電にした直後と、その後に時間が経った時の差そのものですので満充電キープ機能の為に電圧が下がっているのではありません。
 終止電圧までの放電時間が満充電キープ状態の電池のほうが延びていますが、これは容量が大きくなったのではなく電圧が低いぶん定抵抗放電時の放出エネルギーが少なくなっている為に保持時間が延びたものですね。

 10日間放置したものは電圧・維持時間共に少なくなっています。
 しかし満充電時やキープ状態のものと比べてもあまり「減っている」という感じはありませんので、さすが自己放電の少ないエネループという感じの結果です。

 このグラフからはエネループに対しては「満充電キープ機能」は有効であるということがわかります。

 一ヶ月間放置したものも、電圧の減少が少なく「自己放電が少ない」ことがよくわかります。今回試験をした他の電池と比べても特にその差が大きいです。

 エネループの魅力として「維持電圧が高い」という点がよく上げられますが、特に電圧が高いのは充電直後だけで一定時間の放置後はそれほど高いわけでは無いことがわかります。満充電キープ後でも充電直後の非常に高い電圧は出ていません。
 しかし「長時間、比較的高い電圧を一定時間維持できる」という特性はキープ後も保っています。

HHR−3MPS (パナループ/緑パナ) の結果
▼グラフをクリックすると拡大表示
 満充電直後満充電キープしたものがほとんど同じ放電特性となっています。
 10日間では完全に満充電状態がキープできている、まさに「満充電キープのお手本」のような結果ですね。

 10日間放置したものはやはり一定の比率で減衰しているようです。
 特に放電初期にグラフが落ち込んでいる状態は、放置したニッケル水素電池でよく見られる症状ですね。充放電を繰り返せば復活しますが、放置しているとこのように電池が寝てしまいます。

 満充電状態とキープ状態のグラフは開始部を除いて放電終了までの電圧がほとんど変わらないという見事な結果です。NC-M58での満充電キープ用の電圧・充電量はHHR−3MPS(パナループ/緑パナ)にぴったりということになるのでしょうか。(他社電池ですけど…)

 一ヶ月間放置したものは電圧がかなり下がっています。
 充電一ヶ月後の状態は、電圧・維持時間のグラフが同じPanasonicの2600タイプとほとんど同じです。


 エネループやパナループ/緑パナといった「自己放電が少ない」電池で丁度良いという感じが見えてきましたが、それではもっと容量も大きく自己放電量も大きな電池だとどうでしょう? 満充電はキープできるのでしょうか。
 容量2600mAh,2700mAhの電池の実験結果を見てみましょう。

● パナソニック2600 (HHR-3XPS) の結果
▼グラフをクリックすると拡大表示
 やはり満充電直後と比べると満充電キープしたものが若干減衰しています。
 10日間放置したものはキープしたものよりはっきりと差が出ています。
 放置すると自己放電でエネルギーが少なくなるという「ごく普通のニッケル水素電池」の放置後の結果という感じです。

 満充電キープしたものは10日間放置したものと比べると満充電直後とほとんど遜色無く、確かに100%のキープはされていませんが、満充電キープ機能はパナソニック2600電池に対してもかなり有効であると言えるでしょう。

 一ヶ月間放置したものは、同社のパナループ/緑パナとほとんど同じ電圧・維持時間になっています。
 放置期間が一ヶ月までは2600タイプ電池のほうが残容量が多く、一ヶ月を越えるとパナループ/緑パナの自己放電の少なさが勝つような感じですね。

● サンヨー2700 (HR-3UG) の結果
▼グラフをクリックすると拡大表示
 ・・・・・ごめんなさい、実験失敗しましたか?

 満充電直後では公称容量が最も大きいぶん、放電時間や放電容量が他の電池の群を抜いてよかったサンヨー2700ですが・・・・これはどういうことでしょうか?

 簡単に言うと(簡単に言わなくても)「自己放電が惨すぎて、充電後は保管に耐えられない電池」だと言うしか有りません。

 電池一本で「放置」「キープ」のテストを連続して行ったのでは「この一本だけが不良品?」ということも考えられますが、同時に購入した2本をセットAとセットBで使用していますので、「放置」「キープ」共に同様の減衰率が見られますからサンヨー2700はこのような性能であることが確認できます。

 放電特性の詳しい記録データから計算した数値では、各状態の放電容量は
満充電直後 2698.77 mAh 100 %
満充電キープ 2050.69 mAh 76 %
10日間放置 1047.28 mAh 39 %
 という結果です。

 満充電キープをしても10日後にはエネループと同等に。(但し維持電圧が低いのでパワーは出ない)
 10日間放置すると元の1/3程度まで自己放電してしまっています。

 10日放置でこの状態ですから、デジカメに入れっぱなしにして一週間後でもかなり撮影枚数は少なくなっているでしょう。ましてや一ヶ月も放置するとほとんど撮影できないのではないでしょうか。カメラが起動すらしないかもしれません。

 一ヶ月間放置したものは・・・2行上で予想したとおり電圧が1Vを切っていて放電器の動作開始チェックで「電池切れ、動作不能」と判断してグラフが作成できませんでした。(8/28追加)

 サンヨー2700電池は大容量ですが、充電して1〜2日以内に使う目的専用の電池であると考えられます。
 せっかく現時点(2006/7)で市販されている単3型最大容量の充電池ですが、この自己放電の惨さではほとんど使用用途が限られてしまいます。
 この大容量はデジカメ撮影・大型ストロボの電源などに最適ですが、撮影する前日に必ず充電しないと数日後にはもうほとんど使用できないのはちょっと不便ですね。

 NC-M58改造ページでも書きましたが、この電池は充電器セットで購入し最初に電圧を測ったらそれぞれ0.6V〜0.8Vしかなく、純正充電器NC-M58に入れても故障電池と判断されて充電が開始されなかったといういわく付きの電池です。
 「もしかしてサンヨー2100の惨劇…の再来!?」とその時は思い、単に製造から購入までの間に時間が経って寝てるだけだろう、とか前向きに考えていたのですが…

※ 三洋2700の追加情報 ※
 三洋2700について、後期バージョンを購入してテストしました。
 酷い自己放電などは改善されています。
 詳しくは電池の小箱「三洋2700マイナーチェンジ後 」に掲載しています。


● TOSHIBA2500 (TH-3K) の結果
▼グラフをクリックすると拡大表示
 おやおや、満充電直後グラフでは上のサンヨー2700とほとんど変わらない放電時間を維持しています。(部分的には2700より良い部分も…)
 それでいて満充電キープ後もそれほど容量減少が大きくありません。
 10日間放置するとさすがに容量が減少している様子が見て取れますが、それほど大きな減少ではありませんね。  パナソニック2600と容量や放置した場合の減衰量などは近い物があります。

 一ヶ月間放置したものは実験時期が他電池より2ヶ月遅いので室温が多少下がって電池には優しくなっていることを考慮しても、かなりの割合で容量が残っているのが見てとれます。
 感覚的には現在も使用している少し古いサンヨー2500の保存性が更に上がっている雰囲気です。やはりサンヨー純正で実験したかった…

 東芝の2500タイプを実験に加えたのは、本当はサンヨーの2500の新品でテストをしたかったのですが、売り場には既に2700しか無くなっていてやむなく三洋OEM製品の東芝2500を購入しました。(三洋2500と同様のHRの刻印もあり中身は同じと思われます)

 三洋系の電池では「どうしても大容量の充電池が必要」という場合を除いて、2700タイプではなく2500タイプのほうが使い勝手が良さそうです。2700が大容量といっても、グラフを見る限り容量の差はほとんどありません。
 実際に使用する際の使い勝手は10日間放置後一ヶ月間放置後の残容量(2700は測定圏外)を見ても差は明らかです。



【ご注意】
 本実験は室温30度のに行いました。
 充電池の自己放電は温度が高いほど多く放電します。従ってJIS規格やメーカーの基準では20度の状態での試験結果を公式な性能としています。
 気温が高い時期に試験を行いましたので、メーカーの発表している公式資料より悪い結果となっている可能性がありますが、「気の迷い」では実験室レベルではなく、一般家庭での実際の使用状況下で実験を行っている為にこの記事をお読みになられている皆様が使用する状態で発揮される性能に近いものと思います。
 また特にどれか1つの電池に対して不利なのではなく、室温は全ての電池に平等に関係するものであることをご理解ください。
 東芝2500のみ追加実験のため実験時期が異なります。



■ 各電池の自己放電特性比較

 充電直後、10日放置後、一ヶ月放置後の各電池の1Ω放電時に測定した放電容量をグラフ化しました。
 視覚的に各電池の保存特性(自己放電特性)がよくわかると思います。
※ 充電はNC-M58低速モード(標準)で行っています。


 一ヶ月時点では東芝2500(三洋2500OEM)が最も高い容量で使用できます。
 「自己放電が少ない」がウリ文句のeneloopは確かに減衰率が最も少ないようですが、グラフを見る限り(延長線を想像すると)2〜3ヶ月以内に使用するのであれば東芝2500(三洋2500OEM品なら国内のどのメーカー品でも)のほうがより長時間使用ができそうです。
 パナソニック2600が意外と奮いません。2〜3週間で「自己放電が少ない新電池」群より容量が少なくなります。
 HHR-3MPS(緑パナ)は充電直後は設計容量差でeneloopより高容量を記録していますが、長期間の保存性ではメーカー発表通りeneloopより少し放電が早いようです。新電池二種は良く似た特性で、体感的にはそれほど差は感じないでしょう。
 サンヨー2700は充電してすぐに使いましょう。
 しかし実際に約一日持つはずの機器(通信機)に入れて使用した場合、東芝2500では24時間以上使えたのに対して、サンヨー2700は充電直後に使用開始しても20時間程度しか持たなかったので、使用中にも何か余計に放電していっているような使用感です。
※ 三洋2700の追加情報 ※
 三洋2700について、後期バージョンを購入してテストしました。
 酷い自己放電などは改善されています。
 詳しくは電池の小箱「三洋2700マイナーチェンジ後 」に掲載しています。

 なんだかeneloopの発売以来、電池使用機器にはなんでもかんでもeneloopを入れているという人が増えているようですが、使い道によってはeneloopとて万能の電池では無いということが良く分ると思います。


■ 満充電キープ機能・総評

 さて、サンヨー充電器の売り文句の1つ「満充電キープ機能」の検証はいかがでしたでしょうか。

 エネループパナループ/緑パナのような元から自己放電の少ない電池では、ほぼ満充電に近い状態がキープされました。
 エネループパナループ/緑パナにはたいへん有効であると言えるでしょう。

 でもセールスポイントが「自己放電が少ない」電池に適している・・・・なんか矛盾があるような???

 そして現在最も一般的に販売されているニッケル水素電池に対する実験では、東芝2500とパナソニック2600に対してはそこそこいい感じの結果になりました。満充電キープ機能は有効です。
 サンヨー2700の実験結果は‥‥NC-M58の満充電キープ機能が良い悪いという事ではなく、単純にサンヨー2700は自己放電が惨すぎるという事が判明しただけで、満充電キープ機能の実用評価にはならなかったような気がします。
 一応、キープする/しないで倍近い差が開いているのでサンヨー2700に対しても満充電キープ機能は有効とは言えるのですが・・・


 総評としては、サンヨー充電器の満充電キープ機能は有効です。
 但しどの電池でも完全に満充電時の状態をいつまでもキープできる夢のような機能ではなく、電池の性能による差に左右されるファクターが大きいのであまり過信はしないようにして使えば問題は無いと思います。

 パナループ/緑パナの驚異的なNC-M58満充電キープ機能との整合性(他社製品同士なのに…)を除いて、他電池のグラフを見る限り、どの電池でも満充電キープ機能を利用しても徐々に自己放電が進むことが確認できましたので、たとえエネループであってもニッケル水素電池は使用する直前に充電するのがベスト!という事が再確認できました。
 満充電キープ機能は補助的に活用すればよいでしょう。


記事掲載: 2006/7/29
追加更新: 2006/8/28
追加更新: 2006/9/2
追加更新: 2006/10/3
追加更新: 2006/11/1

※ 市販されている全ての電池/充電池を購入して試験できない事をご理解、ご了承ください。
※ 電池の性能は個体差、また製造ロットにより多少異なります。本試験は今回購入した品での比較であり、全ての同一種類電池の性能を厳密に指し示すデータではありません。

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 三洋エネループは使えるの?

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 海外製格安ニッケル水素充電池の性能は?
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 このページにお寄せいただきました「他社充電器で充電できますか?」「こんな実験をお願いします」などのメッセージは全て「電池」専用メッセージページに移動しています。

 本ページで行った電池の実験についてのメッセージ、皆様から寄せられた各電池の実使用感、体験談はそのまま残して有ります。
 
非公開の
皆様へ
 非公開で投書をくださいました皆様、全てのメッセージに目を通しています。
 頂きましたご意見は今後の参考にさせて頂いています。
 非公開ですので個別にお返事は掲載致しませんが、貴重な投書ありがとうございました。
 
 古いロットの私の2700は、半日すると容量が半分!になってしまいます。
 サンヨーの方から送られてきた2007年二月製造分は約六ヶ月たっているにも関わらずピンピンしてます。
 だいぶ改善されてますね。
電池君 様
お返事  三洋2700の新しいロットは改善されているようですね。

 とろこで、電池・バッテリー・充電器のほうで電池君様(電池訓様)の6/28の投稿に対してゲームマン様より質問が出ていますので返答してあげてください。(私も知りたいので)
お返事 2007/7/27
 
 2004年に買った三洋2500ですが、充電して6時間程度で完全に放電してしまうほど劣化しました。
 月に1〜2度充放電していて、トータルでもサイクル50回到達してませんが、初期の2700より酷いです。
 殆ど発売と同時に買ったものだったので、初期ロットのハズレ掴んだんですかねぇ。
 それより前に買って同じ使い方した三洋2300や最近買った三洋2500は普通に数週間持つんですが・・・
フォ男 様
お返事  うちの場合2004年に買った三洋2500は100回程度使用して劣化が早くなりました。
 2005年製造のものは時々記事で書いているように300回以上(400回近く)はかなり調子良く使え、その後ガクッと急に劣化して容量・保持時間共にかなり悪くなりました。
 それでも全く充電できなくなったわけではなく、小電流機器では2000mAh近くの容量まで使えます。劣化して内部抵抗がかなり増大しているようで大電流を取り出そうとすると電圧が落ちてダメですが。

 今まで見た経験では、三洋のニッケル水素充電池の場合初期ロットでは非常に性能が悪いのは2100/2300/2500/2700と伝統のように受け継がれているようですね。

 近く測定データを掲載しますが、あの劣悪だった三洋2700も最近買った製品では数週間たっても自己放電で電気が抜けてしまう事も無く、かなり改善されています。(本当は初期ロット品もこの性能でなければならないのですが・・・)
お返事 2007/7/24
 
 大容量と低自己放電を両立させると東芝2500(三洋2500OEM)が良いと思いますが、現在は三洋だけでなく東芝も販売されていません。
 同等品もしくは他のメーカーで三洋2500OEMが売られていますか?教えて下さい。
kazu 様
お返事  東芝2500が販売終了したのでしょうか?
 まだうちの近所では沢山売っています。数日前に見たヨドバシカメラでは電池単体も充電器セットも店頭に並んでいました。

 三洋の2500mAhタイプのOEMは国内大手メーカー製品では、自社製品の松下製を除いて他の電池はほぼ全て三洋製OEMです。
 東芝/マクセル/フジフィルム/ソニーなどは(よほどの事で海外メーカーOEMに切り替わっていない限りは)三洋のOEMです。

 ソニー製の2500mAh電池は一度も買っていないので未確認ですが、東芝/マクセル/フジフィルムの2500mAhタイプはほとんど同一性能でした。但し製造ロットや製造時期の違いにもよるのでしょうか、多少の自己放電特性の良し悪しなどはありますので、全て全く同じ中身の電池とは言えません。
お返事 2007/6/6
 
 東芝2500のことなんですが、100LEDライトのなかに入れて二十日程放置していると、ライトを点けるとLEDがパラパラと消えてしまいます。
 この電池は死んでいるのでしょうか?
 それとも自己放電が進んだだけなのでしょうか?
 ここでは2500がいい結果なので死んでいると思いますが・・・。
 まだ買ったばかりなのでショックです。
domodomo 様
お返事  100LEDライトのLEDがパラパラと消えるということは、あの大電流を流すのに十分な充電容量が無くなっているのか、もしくは充電不良であまり充電されていなかったかのどちらかだと思います。
 多分充電してライトに電池を入れた時にはちゃんと100個のLEDが明るく光ったのでしょうが、電池全部が痛んでいてすぐに自己放電してしまう場合と、どれか一本が充電不良でほとんど電気が無くて(それでも電圧はありますから)残り3本が満充電で最も電圧が高いような場合はライトに入れて数分くらいは明るく点灯するので、原因がどちらかは今の情報だけではなんとも言えません。

 個別充電表示機能つきの充電器で充電して、全部の電池が「充電完了」と表示されていたのでしたら不良電池の可能性が濃厚です。
 三洋2500、東芝2500、マクセル2500と三洋製の2500シリーズを十数本使ってきましたが、新品購入直後にそれほど早く自己放電してしまうような不良品には当たりませんでしたので、充電不良の可能性のほうが強いのではないかと思います。

 100円ショップ品で良いので「電池チェッカー」を購入して、充電直後の電圧(電池チェッカーで負荷をかけた状態のメーターの針の位置)、そしてライトに入れていても出していてもいいのですが、十日か20日程度放置した後の電池チェッカーの針の位置を確認してみてください。
 もしテスターをお持ちでしたら、充電直後の各電池の電圧や、日数経過後の電圧も測ってみてください。劣化した電池では開放電圧(テスター以外何も繋いでいない状態)でもある程度は電圧が低くなりますので目星は付けられます。
 「電池チェッカー」ではある程度(数Ω)の負荷を接続して、電池から電流を流している状態の電圧を表示しますので、電池が機器を駆動する能力が現在どれくらいかをより正確に知ることができます。

 100円ショップ等の「電池チェッカー」はマンガン・アルカリ乾電池用に目盛りが振られていますので、ニッケル水素電池では少し低い目に針が振れます。
 満充電でチェッカーの「OK=緑」のエリアの最も下の位置くらい、少し使った電池で放電電圧グラフでは水平になる最も安定した電圧を出力しているくらいの電池では「少し弱い=黄色」の上のほうを指すと思います。
※ チェッカー製品により多少針の指す位置が違いますので、できればお手持ちの乾電池やニッケル水素電池でどのくらい違うのかも試して確認してください。

 それと、全く別の原因ですが、100LEDライトの電池ホルダーは電池を挟み込む力が強く、各電池をしっかりと+側にスライドさせて押さえつけないと、単に電池を入れただけでは接触不良で点灯しないか暗くなってしまう事があります。
 電池の接触不良で電圧が下がればパラパラと消えてしまうことも考えられますので、電池ホルダー内で電池をギュッと+側に押すなどして接触不良ではないかも確かめてください。
お返事 2007/4/28
投稿  今日充電してとても明るく光りました。
 この前このような状態になった時はなぜか一本だけ完全に放電していましたが、充電して復活しました。
 なのでこれが続くようだったら、使う前に充電するようにします。
 電池チェッカーの代わりに電球を使っています。明るければ沢山電気が残っているとわかりますので。本当に詳しくありがとうございました。
 このHPは本当にいいと思います。だからこれからもがんばってください。
domodomo 様
お返事  豆電球があるのなら電池の状態がすぐに調べられて良いですね。
 充電前に各電池での豆電球の明るさを見てみて、充電後の点灯では充電前よりずっと明るければ充電ミスの疑惑は消えます。
 全ての電池がちゃんと充電できた状態で、10日や20日放置しておいて、その後に各電池での豆電球の明るさを見てみれば自己放電が強いかどうかが確認できますね。

 全部の電池ではなく、一本だけ痛んでいるだけでも懐中電灯の中では合計電圧が下がってうまくパワーを出せなくなりますので、しばらく放置してみてそれぞれの電池がどれくらい自己放電しているのか調べてみてください。
お返事 2007/4/28
 
 はじめまして、拝見させていただきました。
 すばらしいレポート感心いたしました。

 私も色々な充電池を、充放電繰り返して遊んでいますが、こういう形で、はっきりとしたデータをみて改めて、二次電池の奥の深さを感じております。

 これからも楽しみに拝見させていただきます。
充電マニア 様
お返事  充電マニア様、ご覧いただきありがとうございます。

 多分、世界中には私と同じように多数の充電池を集めては充電したり放電したり、他の電池と比べたりと無駄に充放電を繰り返して地球環境の破壊を増進している不埒な趣味の方も多いかと思います(笑)

 充電池を使う事はエコですので、少しでも多くの方がご自分の使用目的にあわせた充電池を選択されて、地球資源を守ることができれば・・・・とか立派そうな事を言っても結局はこのサイトの一連の実験はただの趣味なんですよね(^^;

 趣味である以上、生きて興味の続く限りは続けますのでまた次の実験発表をお楽しみに!
お返事 2007/3/10
 
 パナ(24)と三洋(23)をデジカメで使ってますが、より大容量が欲しくて三洋の(27)を買う寸前でした。これを見て買わなくて良かったと思ってます。
 それにしても最近は中国製のGPなんて緑色の電池も目につくようになりました。
 もし機会がありましたら、そういう品物もテストして国産と比較して欲しいです。
なんとなく国産派 様
お返事  GPの電池も普通に買えるようになったのでしょうか?
 私のまわりではスーパーやホームセンター、ヨドバシ等の電器店で取り扱っている店がまだ無いんですよ。
 秋葉原や日本橋の電子部品店では昔から取り扱っていましたが、普通に日本全国の店頭で買える商品では無いので私の中では一部のマニア商品という位置付けです。
 バラエティショップの店頭ではDLG社の「次世代」電池と充電器も売られるようになっていますので、どこかの大手全国展開ショップではGP等を売っているのかもしれませんが…。(大阪の量販店ではまだ見ていません)

 輸入品のGPやBPの電池は昔使っていましたが、個体差が激しくてすぐにダメになる物があったりとあまり良い印象はありません。国産のYUASAや松下の充電池のほうがバラつきも少なくて安心して使えるたという記憶があります。
 輸入されている商品は世界中で販売されている大メーカー製でもありますし、最近の商品では改善されているのかもしれませんので、実験するのはやぶさかではありませんが、電気特性より前に、まず歩いて行ける店での入手性という点で大きなマイナスポイントのある電池ですね。
 ネット通販で買うとしても、送料や代引き手数料を入れると市販の国産電池より安いというものでもありませんし。安くて高性能!なら実験して紹介する価値もありますが、購入価格が高くてイマイチではあまり意味がありません。
 秋葉原ではエネループのパチもんのような輸入電池も発売されているようですので、エネループより安く入手できれば試してみたいと思います。

追伸。
 東京の知り合いにメールを出したら「今日秋葉原に行くから買って送るよ!」という事なので、エネループのパチもんその他数種は買って送ってもらいます。
 やはり持つべきものは友です。(^−^)
お返事 2007/3/7
 
 初めまして。
 ネットでいろんな乾電池/充電池の事を調べているうちに、ここのサイトに辿り着きました。

 私は、昨年春に初めてデジカメを買ってから、使用バッテリーが「単3」と言う事もあり、周囲の意見などから、「ニッケル水素電池」を幾つか併用して使っています。
 充電器は、ソニーの超急速(15分)を使っていますが、当時から気になっていたのは「容量」で、ソニー(25)の他にはパナ(26)と三洋(27)を買いました。
 が、使っているうちに「ある事」に気付きました。
 このサイトにも紹介されていますが、やはり三洋の「27」は自己放電が酷過ぎますね…。
 「27で失敗したからエネループを出した」と思われてもおかしくありません。
スッキ〜♪ 様
お返事  デジカメには専用バッテリー/乾電池仕様機にはニッケル水素充電池は必需品ですね。

 三洋電機の充電池の場合、2100→2300→2500と容量がアップしてきましたが、→2700と高容量化させる開発と、自己放電を抑えたエネループの開発は同時に行われたようで、メーカーのCMで言われているように「2つの選択肢」を別々に選ばれたようです。

 現在の製造技術ではある種の限界があり
 「容量アップすると自己放電などのマイナスポイントも上がる」
 「容量を低くして自己放電も抑える」
の2つの方向性です。

 2700の開発中にその問題点が大きい事になんとかしようとエネループを開発したのであれば「2700の失敗」という見方もできると思いますが、既に限界に達しているニッケル水素充電池の中で2つの方向性を見出して、「従来とは逆の方向」という逆転の発想をしたのであれば、それは失敗ではなく画期的な選択であったと思います。

 「失敗?」「英断?」果たしてどちらなのかは三洋の中の人にしか知りえない事ですが…
お返事 2007/3/2
 
 初めまして
 レポート、興味深く読ませていただきました。
 実は私はニッスイからエネループに切り替えた口です。
 その結果は非常に満足しております。
 どのような使い方かといえば、ハンディストロボのバッテリーとして4本セットで使います。
 エネループ以前もニッスイは何年も使用していましたが、非常にトラブルが多く困っておりました。その原因ですが・・・自己放電も去ることながらセル毎のばらつきも大きな問題ではないかと考えます。
 それが、エネループになって大いに改善されたのではないでしょうか?
 未計測ですが、換えて半年、4本7セットのエネループでトラブルは一度も体験しておりません。
 是非数十サイクル後のばらつきのテストもお願いいたします。
新藤修一 様
お返事  電池のバラつきですね。
 過去に1300mAh、1700mAh、2500mAhの充電池を多数使用してきましたが、セット使用中のバラつきによる不具合には私は遭遇したことがありません。
 数百回使用してかなり劣化が進むとさすがに性能差は見られましたが、数十回程度の使用では使用中に気になるようなバラつきや一本の劣化は見られませんでした。
 多分運が良かったのだと思います。

 電池を複数直列で使用していると、もし中に性能の落ちた電池があれば早く放電してしまいますし、それが原因でトータルの電圧が下がってまだ他の電池は使えるのに電圧不足で機器が使用できなくなることもありますね。
 また電圧警告を出さない機器だと一本が放電した状態で電流を流し続ける事になり、早く空になった電池に逆電圧で充電してしまうことになって「転極」という故障状態になってしまいます。

 全ての電池が同じコンディションで使用できれば良いのですが、電池にも個体差はありますのでどうしても性能が悪い個体が混ざっていると続けて使用しているうちに性能差が広がっていって不具合につながります。

 エネループなどの新電池になってバラつきが気にならなくなったという事ですので、手持ちのエネループ、パナループのバラつきテストを行ってみました。
 最も長期使用しているエネループ、約150サイクル使用した4本(2本単位で無線機で使用)に全くバラつきは見られませんでした。
 約30サイクル使用したパナループ4本(4本単位でデジカメで使用)に全くバラつきは見られませんでした。
 これだけでは「新電池は通常のニッケル水素電池よりバラつきが少ない」という比較には繋がりませんが、私の手元で使用している新電池に関しては今のところバラつきによる不具合は無いということになります。
 約20〜30サイクル使用した東芝2500はまだ厳密なテストをしていませんが、今のところバラつきらしい放電時間の差や充電時間の差は見られません。
 三洋2700は使用していませんので対象外です。
(必要でしたら各グラフを公開します)

 ライトのランタイムテストのページでも書きましたが、複数本を同時使用している場合は温度環境で中のどれかの電池だけ早く消耗する場合がありますので、複数同時使用の場合は常に同じ位置に同じ電池を入れるのではなく、一回充電する度に入れる場所をローテーションして使用するなどして、電池の劣化が偏らないように使用する事も電池を長持ちさせる上で必要だと思います。
お返事 2007/2/3
 
 SANYO NC-M58と2700(HR-3UG)の組み合わせでデジカメ用に使っています。
 最近、充電後2日持つかどうかという状態だったので、エネループを買おうかどうしようかと思案していたところ、こちらの実験結果にたどり着きました。
 大変参考になりました。ありがとうございます。
ひわ 様
お返事  三洋2700mAhが2日ですか、かなり弱っていますね。
 エネループやHHR-3MPS(緑パナ)は容量的には2700mAhに比べると少ないですが、充電してからの持ちは非常に良いので充電後しばらくはデジカメに入れっぱなしにしても使えるので便利です。
 早くエネループの2500mAh版など、高容量化したものが出ればよいのですが。
お返事 2007/1/28
 
 私がGPS用に4本ずつ2組、8本買った2700は8本中6本が大外れ! なんと4日でほぼ完全放電状態、しかも10回位使ったら容量が半分に落ちてしまいました。買う前にこのページを見ておけば・・・・・・・
 現在は、エネループを使って快適々々
hoihoi 様
お返事  4日でほぼ完全放電状態・・・ですか。ちょっと凄い・・・
 ハンディGPSでトレッキング中なんかに電池が切れると大変ですよね。

 ああ、ちゃんと液晶画面の付いたハンディGPSが欲しい。
 「液晶画面無し」の普通はPC接続、スタンドアローンでは表示無しで内蔵メモリーに足跡だけ定時記録する(後でPCで読み出し)タイプのSONYの初期のGPSなら持ってるのですが・・・。
お返事 2007/1/18
 
 TOSHIBA2500 (TH-3K)が結構お勧めと言う事ですね。
 参考になりました。
 しかし、エネやパナで売りにしているメモリー効果についても優位性があるのでしょうか?
 ご多忙とは思いますが、ぜひ検証の方よろしくお願いいたします。
電池君 様
お返事  私のほうでも放電を途中で停止する放電器の製作(改造)ができれば実験したいテーマの1つですが、PIC制御の放電器をまだ作っていないのでそのうちに製作した後にテストする予定に入れておく、という程度にしかお答えできませんがご容赦ください。

 eneloopやHHR-3MPSなどの新電池、HR-3UGやHHR-3XPSのように性能改善された新型ニッケル水素電池(特に広告やパッケージに継ぎ足し充電に強いと表記)に比べれば、1世代旧式の三洋2500OEM製品はメモリー効果の面については多少は性能的に劣ると思われます。
 居酒屋ガレージさんの新世代ニッケル水素電池の放電特性ページの中で新電池や三洋OEMのmaxell2500(HR-3SD)の継ぎ足し充電時の電圧特性のテスト結果が掲載されていますので非常に参考になります、ぜひご覧下さい。
お返事 2007/1/17
 
 はじめまして、とてもおもしろい実験ですね。
 これから充電地を選ぼうと思っていたのでとても参考になりました。本当にありがとうございます。
reg 様
お返事  充電池の種類によって「性格」があるのが良くおわかり頂けるかと思います。
 お使いになる用途でどれが適しているかの参考にして頂ければ光栄です。
お返事 2007/1/15
 
 大変参考になりました。やっぱりどんな充電池でも使う直前に充電するのが王道のようですね。

 中学生の頃ラジコンをいじっていた時から電池(当時はニッカド)の管理に悩まされていました。モーターやシャシーによってクラス分けがされていたので、電池をいかに管理するかがレースの勝敗を決めるほどでしたから、神経を使ったものです。
 電池のナラシや充電回数のメモやらコネクタの磨きやら・・・
 当時から「充電は使う直前に」「寝ていた電池なら使う充電をする前に起こせ」が鉄則でした。

 デジカメ用の電池でずいぶん悩んできましたが、エネループに全面更新してからは電池を「起こす」必要がなくなったので随分ラクになりました。
 急な電力の引き出し(ストロボのフル発光後とか)についていけないことがあるようで、それが残念ではありますが。
飛鳥 様
お返事  確かに、ひと昔前のニカド電池には手を焼きましたね。
 特にラジコン等で大電流を流す用途では管理の手を抜くとすぐにヘタったりして私も番号を書いたりしてかなり神経を使いました。

 ニッケル水素電池になり特に過放電や過充電をしない限りは管理は楽になり、長期放置したものでも1〜2回充放電してやれば「起きる」ようになって、電池を大量に使用する際でも古い物と新しい物の差があまり大きくならないのも便利になったものです。(もちろん容量が大幅に増えたのも嬉しいですね)

 エネループは長期保管に強いですし、途中継ぎ足し充電でもメモリー効果の心配が少ないので充電池の知識がほとんど無い人でも簡単に扱えて良いですね。
 しかし一ヶ月放置グラフの最初の部分の落ち込みからもわかるように長期放置したら「寝ている」のは確かですし、昔からある充電池の弱点に関しては完全に克服されていないようですのであまりぞんざいに扱いすぎるとすぐにダメになってしまいそうです。

 昔の電池が10神経を使わなければならなかったとすると、エネループは2〜3くらい気をつければ良い程度なので本当に便利になりましたね。
 後は他のニッケル水素電池並に容量アップしてくれ、容量にあわせてもう少し大電流に強くなってくれれば・・・
お返事 2007/1/15
 
 とても参考になりました。
 単四電池の比較も知りたいです。
単四電池 様
お返事  単4電池ですか・・・。
 mp3プレーヤー等の普及で一般家庭でも単4電池の利用シーンが増えていると思いますが・・・

 しかしうちには単4電池を使用する機器がほとんど無いので、単4電池を何種類も買うという事はしないんですよ。
 ですので当面は単4電池の比較実験などを行う予定はありません。
 これは充電池・アルカリ電池共にです。

 また、本ページで実験してる電池メーカーに関しては、単3電池も単4電池も同じ原料と製造工程で作られている物同士であれば特性は似たものとなっていますので、単3電池の性能から単4電池の性能も類推することができます。
 類推ではなく、実際に実験して結果をお見せするのが本ページの人柱実験の醍醐味なのですが、すみません。
お返事 2007/1/15
 
 非常に参考になりました。ありがとうm(--)m
papa 様
お返事  いえいえどういたしまして。
お返事 2006/12/15
 
 とても参考になりました。
 工事関係者でカメラ用に充電地を良く購入するのですが電池の最大容量ばかり見ていて特性まで気にしていませんでした。
 これを参考に購入したいとおもいます。
ハヤブサ 様
お返事  現場でカメラを使われるのでしたら、充電池の必要性も高いお仕事ですね。
 毎日使用と充電をすぐに繰り返す位使用するお仕事なら大容量電池のほうが良いですが、ある程度はカメラを使用せずに保管期間がある場合は容量よりも保存性で選択するなど、使用条件にあわせて電池も選べば仕事でもより便利にカメラが使えますね。
お返事 2006/12/4
 
 実験に使用された東芝の2500のニッケル水素充電池はどのくらいご使用になった物でしょうか?

 私の経験では10回程度までの充放電までならサンヨーの従来タイプも自己放電が少ないと感じています、
 そしてその後はこちらでテストされたサンヨーの2700みたいな感じでしたので。
takebeat 様
お返事 takebeat 様、ご覧いただきありがとうございます。

 実験に使用した電池は、他の実験と同じく実験の為に購入し数回の充放電試験を経て特性が安定した時点のものです。東芝2500は約4〜5回充放電しています。
 夏を越えて既に20サイクル程度使用していますが、利用時の使用時間・容量・自己放電特性(保持特性)に大きな劣化は見えていません。
 さすがに一ヶ月も放置はしていませんが、最近一週間程度の放置後に測定した結果でも放電グラフでは劣化は見られませんでした。

 三洋2500については、2004年8月の発売初期に購入した品と、約1年後に購入した品の2ロット各4本使用していましたが、10〜20回程度の使用で著しく性能が低下したということはありませんでした。1年後に購入した製品のほうがわずかに性能が良かったですね。
 各ロット品共に約300サイクル使用くらいまではかなりの能力のまま継続して使用できました。その後約100サイクル程度以内に急激に容量が減り保存性も低下しました。(手元で現在充電できるのは2本のみです)
 三洋2500については実使用の経験から非常に信頼のおける充電池だと感じています。
 ですので、新品の三洋2500でテストを行いたかったのですが、新品では入手不可能でしたのでOEM製品でテストを行いました。

 三洋2500の例でも見られるように、takebeat様のご使用になられた製品と私が実験用に購入した最新ロットの品では私のほうがより新しく性能も多少は改善された品であることはじゅうぶんに考えられます。
 電池メーカーに不良電池を送ると必ずこう言われるようですが、充電池は使用条件、また充電条件により劣化するスピードが変わりますので、皆様のお使いの環境と本実験環境も、またメーカーの表示している性能が違ってくる可能性があります。
お返事 2006/11/29
 
 Canon PowerShotA530を使用しています。
 SANYO 2700は購入時期が違うものが4本あるのですが、充電直後でもA530で使えません。
 相性といってしまえばそれまでですが、ひどい電池です。
 他のNi-MH電池も、TOSHIBA, Panasonic, eneloop, GP, RB, Panaloop, Fujifilm, OLYMPUS... と、10種類ほど試しましたが、特に問題は起きていません。
KOH 様
お返事  充電直後での使えないのはかなり惨いですね。
 本ページのグラフのように、充電直後は2700mAhなりの性能は出ているはずなのですが・・・
 三洋の2700mAh対応の純正充電器を使用しての結果なのでしようか。
お返事 2006/11/21
 
 デジカメに使ってますが、充電後少したつと起動すらしないのは放電が激しいせいだったんですね。氷解しました。
 不思議なことに8本買ったうち2本だけは放電がゆるやかで使える電池でした。これは大当たりで他は正常なんでしょうね
やまのん 様
お返事  やまのん様、おお!当たりが出ましたか!?

 うちでは時期をずらして順次購入してテストした8本中8本全部が同じような超自己放電電池でした。(他の方のお話でもほとんど同じですね)
 「たまたま」当たりの電池が出来ているのか、最近の製造ロットでは改善が進んでいるのか(以前の2500電池でも初期製より後期製のほうが良い結果でしたし…)試してみたいところですが、「もし買っても変わらない物だったら…」と思うとこれ以上三洋2700を買う勇気がなかなか沸きません(苦笑)
お返事 2006/11/8
 
 デジタル一眼の外付きストロボに三洋2700を使用しています。
 充電をしていつでも使えるようにセットしていましたが、いざ使ってみると2〜3回でもう発光しなくなっていました。
 最初はちゃんと充電が出来ていなかったのかと思っていましたでも、これが何回も続いたので次ぎに容量不足を疑いました。
 で、この電池に関する情報を検索しているときにこのサイトを見つけました。
 まさに 目から鱗 でした。 こんなに自己放電がひどいとは…
 この電池は使わないことにします。リコールってことにはならないのかな?
 有難うございました。
おみたん 様
お返事  おみたん様、はじめまして。

 リコールになって、もっと自己放電の少ない(改良された)2700に交換してくれると非常に嬉しいのですが・・・
 昔、三洋の2100が出た時もあまりの性能の悪さにかなり苦情や不満が出ましたが、結局はリコールなど無しに三洋は何食わぬ顔で次の2500を出しました。
 エネループでは不良電池らしい症状の物は三洋に連絡すると大急ぎで回収した後に試験結果のレポートと共に新品を返送してくれるらしいので、2700でも苦情を申し入れると個別には対応してくれているのかもしれません。
 しかし新品に交換してもらっても、この自己放電のままでは仕方ありませんよね…。
お返事 2006/11/5
 
 はじめまして。デジタル一眼でニッケル水素の単3電池4本を常用してます。
 何種類かのメーカーを使っていて、使用時間や充電後の自然放電に疑問を持ち、こちらにたどり着きました。
 自分では絶対に不可能な、非常に参考になりすぎる実験内容で大変ためになりました!
 一言お礼を言いたくて書込みしました。これからも色々な実験をお願いします!
igacchi55 様
お返事  igacchi55様、ご覧いただきありがとうございます。

 もうすぐソニーからeneloopのOEM品が出るそうですので、発売されたら三洋eneloopと違いが無いかどうかのテストなどをしてみたいですね。
お返事 2006/11/2
 
 デジカメ用にニッ水充電池を買ったんですが、充電後一週間放置でカメラが起動できないほどヘタるので疑問に思ってサイトをあさってるうちにここに到達しました。
 高容量の電池ほど自己放電が早いと聞いたことがありますが、うちのもSANYO 2700と同じような感じで減衰してるんでしょうね。
 わかりやすい実験レポートありがとうございました。
beicun 様
お返事  beicun様、ご覧いただきありがとうございます。

 電池の材料は年々進化していますので、じきに2700クラスの大容量電池でも自己放電が少ないものが開発・発売されると信じて・・・・今はガマンの時期でしょうか(汗)
お返事 2006/10/18
 
 こうやって比較してくださると、三洋は、エネループと2700に明確なキャラクター付けを行っていることがよくわかります。
 そういえばアルカリ全盛の頃からこういったキャラクター付けは上手かった気がします。
 そこに注目すると、パナは何故2種類の電池を用意したのか、疑問が残りますね。
 それではまた色々な企画たのしみにしております。
でんえもん 様
お返事  でんえもん様はじめまして

 サンヨーの最新の2本(エネループと2700)は仰るように対照的な性格づけだと思います。
 片方は容量は少ないが充電してから長持ち、片方は大容量だけど充電してすぐに使う必要がある。
 エネループの大容量タイプが開発されればいちばん良いのですが、技術的な問題などでまだ先になりそうですね。

 それとは対照に、Panasonicの製品はどちらも従来のニッケル水素電池の良いところを活かしつつ、新技術の導入で長期保存タイプと大容量タイプの2種類が作られているように思えます。
 大規模に宣伝をするような革新的な技術の進歩ではなく、着実に一歩ずつ開発を進めた結果そのような電池が出来たという感じでしょうか。
 派手さはありませんが、こういう進化の形もあるのだと思います。
お返事 2006/8/28

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