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2Vになったら、3VになったらLEDが点灯する回路
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いつも楽しく拝見して実生活に役立たして頂いています
08/10/17 の(任意電圧で警告LED点灯)回路ですがセンサーライト(6V仕様)三個に搭載して非常に具合よく安心して使用していました、LED(赤)はプリンターのインクカートリッジの御尻から
剥がしたSMD基盤(8ミリ角)ごとテープで張り付けています、配線はICのボンデイングワイヤーもどきに極細線をハンダしています
今回機器の更新で新型センサーライト」を導入したのですが電源が単三×3本仕様となり今までの警告LEDでは作動しません
色々試行錯誤の毎日でしたが自力開発の限界を感じました
お忙しいこととは思いますが3.6V仕様、2.4v仕様の回路図をご教授お願いします
エゴじじい 様>
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お返事 |
既に過去ログに移動している記事に対して「電圧を変えた回路図を提示してください」といったご質問は基本的に受け付けていません。
それは、このコーナーは一度提示した回路には説明もつけていますし、参考になる回路図が既にあれば「それをご自由に改変して、ご自分の目的にあわせた物を作ってください」というスタンスだからです。
電子回路で何か欲しいものを作られる場合は、参考になる資料を見てご自分でそれを活用するのが普通のやり方だと。
何度も同じような回路を組み立てて、実験してから回路図を(HPで公開できるようなCGで)書き、また同じような記事を書くほうの身になってください。
(しかも多忙でお返事できかねるというに状況を示している時に、そういうふうに神経を逆撫でするような投稿をされたらもう精神的に参ってしまいました)
xxVになったらLEDが点灯するとか消灯するという系統のご質問に答えるのはこれが最後にしたいと思います。
こういう回路はもういくつも載せて説明していますので、今回は詳しい説明は無しとさせていただきます。
この回路への質問、ご意見などのレス・投稿も受けつけません。
お返事 2010/11/27
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投稿 12/2 |
お忙しい中愚問にお答え下さいまして有難うございました
早速試作に取り掛かりたいと思います
目下、センサーライト内臓をめざして表面実装型(デジタル、アナログ)の試作中であります
秋月のプロトタイプSMD基盤は実に使いやすいです
申し遅れましたが私は6ZP1、6C6,6D6、807等の真空管世代の
電波少年のなれのはてで御座います
ゲルマ、シリコン等よく理解せぬまま興味を失っていました
50年ぶりにハンダの臭いを思い出させてくれた「気の迷い」様に深い感動と感謝を覚えました
これからも興味ある記事を期待しております
本当に有難うございました
エゴじじい 様
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AC100Vドリルの回転数を制御したい
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はじめまして、宜しくお願いいたします。
100Vハンドドリルに関して質問なのですが使用しているドリルはスピードコントロールが付いていないものです。
作動時(ON)にドリルの回転をじょじょに上がるようにしたいのですがどのようにすればよいでしょうか、7秒間でMAXになるようにしたいのです。
お教えください、お願いいたします。
temura52 様
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お返事 |
たいへん申し訳ございませんが、注釈文をよくお読みになられていらっしゃらないようですので、改めてここに書かせていただきます。
● AC100Vなど、高い電圧の回路ついて
温度によるスイッチなど、電子回路部分は低電圧(5〜12V)の電源で動作して、AC100VはリレーまたはSSRなどで「ON/OFFするだけ」の回路の質問にはお答えできますが、コンセントに繋いで「AC100Vの電球の明るさを調節したい」などのAC100Vの電力をコントロールする電子回路などについては回路図の提示などは行いません。(手持ち部品ですぐテストできない為)
そういう回路についてのご質問はご遠慮ください。雑談や一般的な話題程度でしたら応じられます。
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この通り、お答えできかねますのでご了承ください。
またご希望を叶えられる市販品も電気店などでは売られていません。
このトピックは一定期間経過後に削除いたします。
お返事 2010/11/26
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車・燃料計の表示をあわせる改造
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はじめまして 質問させてください。
オートバイの燃料メーターについてご教授ください。
30年ほど前のオートバイの燃料計です
メーターを多機種のものに交換しまして
表示部とセンサー部のマッチングが取れません
12ボルトがメーター部に入りそこからセンサーへは5ボルトが供給されています。
センサーはフロートを使った可変抵抗で抵抗値が実測で13オームから130オームまでの範囲で上下いたします。
出力される電圧は0ボルト〜3.6ボルト これも実測値です
どうやら、この出力電圧を0.3〜0.5ボルトほど減圧するとほぼ適正な電圧になるようなのですがその減圧方法がわかりません。
当方まったくの素人なので、なるべく素人にもわかるようにご解説頂けると助かります。
パカスケ 様
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お返事 |
抵抗値の変わる燃料センサーというと、仰る通りフロートの付いた可変抵抗のものが車やバイクではよく使われているようです。
私は燃料タンクをバラした事は無いので実物を見たことは無いのですが、ネットで調べると写真などが見れるのでとても単純な構造であることがわかります。
それに対して、お使いのメーターユニットは内部電源電圧が5V系で動作していて、燃料センサーの抵抗値の変化を見ているようなので抵抗値とメーターの表示をあわせるにはセンサーの抵抗値を変えるのが最も正しいやり方ですが、センサー内部を改造するわけにもゆかないでしょうから外付けの部品でなんとか近い値になるようにしてみましょう。
車・バイクの燃料メーターの回路・接続は大雑把に書いて右図のようになっています。
図中の130Ωと13Ωは今回お知らせ頂いた抵抗値で、最近の車種では使われていない抵抗値の燃料センサーのようです。
バッテリーの12V電源、または今回ご使用のメーターのようにメーターの中に定電圧電源回路が入っていてバッテリー電圧の変動に影響を受けなくした電源からの電圧を、電流計(メーター)と電流制限抵抗(R)を組み合わせた「電流測定回路」がメインのメーター回路で、その回路に直列に「燃料センサー」を繋いで回路に流れる電流値を燃料の残量として表示します。
タンク内の燃料が少ないとセンサーの抵抗値が大きく電流が流れにくく、残量が多いと抵抗値が小さくなって電流がたくさん流れます。
「出力される電圧は」「ほぼ適正な電圧」などと電圧に着目されているようですが、燃料の量は電圧ではなく電流で感知するシステムです。
でも、今回の問題では電流値などを計って頂くのは面倒なので、センサーの抵抗値とそこの電圧値をお教え頂いただけでデータは出揃いましたから、それを元にどう改造すればいいかが全てわかります。
● 燃料メーターの内部抵抗を知る
まず最初に、その燃料計の電流計と電流制限抵抗の合計抵抗値を知らないと何も計算ができません。
そこでお教え頂いた情報から燃料メーターの内部抵抗Raを求めます。
電源電圧が5Vで、センサーの抵抗値(Rb)が130Ωの時にセンサー端子の電圧が3.6Vになる場合、右図のような回路となり、各抵抗の抵抗値・電圧の関係は
 で表されます。
その式からRaを求めるには式を変形して
 とし、
そこにVa = 1.4V、Vb = 3.6V、Rb = 130Ωを代入すると
になりますので、燃料メーターの内部抵抗は約50.56Ωと導かれます。
これがわかればそこに流れる電流値を現状とは変えて、正しい残量を表示するようにすることができます。
尚、この計算はあくまで燃料メーターが従来からあるような電流計方式のもので、燃料残量センサーの抵抗値を直接電流を流して計測する単純な方法の場合のみです。
最近のデジタルメーターでも似たような内部回路で抵抗値を計る物もありますが、A/D変換回路にもっと複雑な変換回路を使っている場合にはこのように単純に内部抵抗を計算できないもの、内部抵抗という概念では考えられないものもあります。
● 燃料センサーの補正値を知る
さて、今回は「センサー端子の電圧を0.3〜0.5Vほど下げると正しい表示になる」とのことですので、そうするには何をどのようにするか考えてゆきます。
燃料メーターの内部抵抗は約50.56Ωとわかりましたので、こんどは残量0(EMPTY)と表示する時に端子電圧はご希望の3.6V - (0.3〜0.6V)になるセンサー抵抗値を求めることにします。
右図の求めたい抵抗Rbを導くには式を
 と変形し、
正しい表示をする時のセンサー端子の電圧を仮に3.2V、その他の数値を代入すると
 になりますので、
正しい表示のときの燃料センサーの抵抗値は約89.88Ωと導かれます。
約90Ωですが、約90〜100Ωで燃料がカラと表示するということは・・・今回購入になられた燃料メーターは「100Ωタイプ」と呼ばれる規格品ではないですか?
● 燃料センサーを改造する方法・値を知る
計算から導いた数値にあわせる意味でも、100Ωタイプのメーターに合わせる意味でも、どちらでも「燃料センサーの抵抗値を(最大)130Ω→90Ωに変更(改造)する」という改造方針がやっと固まりました。
センサーの抵抗値を低くするには、抵抗を並列につないで合成抵抗値を低くします。
抵抗を並列につないだときの合成抵抗Rxは右図のような計算式で表されます。
今回は2つの抵抗値からRxを求めるのではなく、既存の一個の抵抗(R2)に新規に抵抗(R1)をつけ足して抵抗値を小さくするには新規の抵抗(R1)は何Ωが必要かを計算することになります。
式をR1を求めるために
 と変形して、
Rx = 90Ω、R2 = 130Ωと数値を代入すると
 になり
必要な抵抗R1は約292Ωと求められました。
290Ωズバリの抵抗は無いので、市販の固定抵抗で270Ωか300Ωを燃料センサーと並列にとりつければ目的の表示に近づけることができます。
270Ω+20Ωの直列で290Ωでもいいですが、本当に290Ωでちょうどいいのかは不明です。
● 変更値を可変させ、自由に調節できるようにする
固定抵抗を使用せず、半固定抵抗(ボリューム)で抵抗値を可変できるようにすれば自由に調節できるようになりますので、右図のように200Ωの半固定抵抗と200Ωの抵抗で200Ω〜400Ωの間で可変できるようにすれば燃料センサーと並列で98〜78Ωの間で調節することができるようになります。
半固定抵抗をほぼ真ん中に回した状態で、ご希望の表示にいちばん近くすることができるはずです。
200Ωの半固定抵抗が入手できない場合は100Ωでもいいですが、その場合は固定抵抗のほうも240Ωとする事でやはりツマミを中央に回したところがほぼ最適値になります。
これらの抵抗値であれば半固定抵抗・固定抵抗に流れる電流値も少ないので小型の1/4W品で大丈夫です。
30年ほど前のバイクという事で、今の燃料メーターの規格品ではなく各社や各バイクで独自品を使っていたのでしょうか。
最大130Ωというのは今の規格メーター(100/250/510Ωとか)ではどれでも該当するものが無いですね。
お返事 2010/11/24
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投稿 11/26 |
車・燃料計の表示をあわせる改造 を質問したパカスケです
貴重なお時間を割いて頂いての回答まことにありがとうございます。
早々着手したいと思います。
電圧ではなく電流をみてるんですね 大変勉強になります。
また後日談を報告させて頂きます。
パカスケ 様
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簡易ハイローコンバータに入れる抵抗は?/高級品の製作?
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『簡易ハイローコンバータ製作』に関して質問なのですが、8Ωの抵抗を入れる部分はスピーカーが4Ωの場合4オームの抵抗を入れるのがよいのでしょうか?また、簡易ハイローコンバータとの題名ですが、良質のハイローコンバータは作製可能なのでしょうか?
mm 様
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お返事 |
アンプの出力にハイローコンバータを付ける場合、スピーカーは繋ぎませんよね?
アンプ → ハイローコンバータ → 何かオーディオ機器のLINE入力
という風に配線すると思うのですが、ここに「スピーカー」は存在しません。
従って「スピーカーが4Ωの場合」という理屈はどこにも関係していないので、そういう話は成り立ちません。
まさか、アンプにスピーカーも繋いだまんまでハイローコンバーターをスピーカーに並列につないで、そのスピーカーが4Ωの場合にハイローコンバータの中に4Ωの抵抗を入れるような恐ろしい事は考えていないですよね?
アンプが燃えますよ!
(保護回路が入っているアンプなら保護が働いて出力が切れるだけですが)
尚、とてもとても耳の良い方で、ハイローコンバータを接続する前に繋いでいたスピーカーが8Ωの時と4Ωの時で音が違い、もちろんそれはスピーカーの性質の違いではなく負荷インピーダンスが4Ωの時と8Ωの時でアンプが出力する音に違いが出る!と聞き分けられるような超音感をお持ちでしたら、ぜひハイローコンバータ内に抵抗をつけてそれが4Ωの時と8Ωの時でどう違う音になるのかをお試しになられると良いと思います。
ご自分の好みの音が出るほうにしていただければ、それでよいのではないでしょうか。
簡易版のハイローコンバータではなく、良音質のハイローコンバータの製作も可能と言えば可能です。
音声信号用のトランスはST-71以外にも沢山売られています。
またライントランス以外にもスピーカーを鳴らす為の1KΩ:8Ωのようなアウトプットトランスもありますから、これを逆に使って8Ω側をアンプの出力にスピーカーのかわりに繋いでみたらどうなるか等の実験をしてみて、数あるトランスの中から最も音質の良いものを探し出すという方法もいいかもしれませんね。
単にアウトプットトランスの8Ω側を「8Ωだから」とアンプにつないで、ボリュームを上げるとトランスが焼けてしまいますから、音量に注意するとか、もっと他に何か工夫をするとか、色々と研究の余地はありますよ。(ライントランスのようにインピーダンスが高いコイルだと焼けないのでそのままつないで大丈夫なので普通はそういうトランスを使うのですが)
良い音のトランスにめぐり合うまでに何千円、何万円かかるかわかりませんが、音を追求するならそういう方法もあります。
ST-71のような汎用の安価なライントランスを使うのではなく、専用のトランスを自分で手巻きで作って納得のゆくまで何度でもコイルを巻き直すとか、トランスの製造メーカーに発注してとても音質の良いトランスを製造してもらえばよいのです。安いし性能もそれなりの汎用トランスでは音質が気に入らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
自分で手巻きする時でもコア(鉄心)や電線にはこだわり、××鋼を使ったコアで磁束がどうとか、△△銅の電線を使ったので電気抵抗がどうとか、それで音質が飛躍的にアップした!等と高級オーディオマニアの皆さんがよくケーブル等に関して語っていらっしゃるように、素材を厳選して超高級なトランスを作り、それが一個数百円のトランスでは出せないような音であると納得してくだされば結構です。
確か、市販のハイローコンバータでもそういうトランス等を使用している事を売り文句にしている物があったような・・・。
もちろん、自作で使うLINE端子は金メッキのRCA端子ですよ!
ライントランスを使わない場合、スピーカー信号を何か電子回路で受けてA/Dコンバータで1ビットデジタル信号などにして、絶縁トランスや絶縁式のデータ通信素子などを介して出力側にデジタル信号を受け渡し、そこから1ビットD/Aオーディオアンプでアナログ音声信号に変換するような超努級の高級なデジタル式ハイローコンバータなんてのも考えられますね。最近の1ビットデジタルオーディオマニアの方ならこういう装置が(音質とかそういう所を飛び越えて…)喜ばれるのではないでしょうか。
直接繋ぐとダメなBTLからLINEに変換したいとか、グランドループノイズをなくしたいとか、そういう理由のためにはあまりにも異常なほどの部品数と製作難度ですが、とてもとても音にこだわるオーディオマニアの方ならこれくらいの構成の超デジタル・ハイローコンバータなんてのも「アリ」かもしれません。
たぶんトランスをなんとかしないと「良質」という言葉の示すところが「音質」なら特段には良くはならないでしょうが、ケースにスイッチを付けて内部の負荷抵抗を「なし/4Ω/8Ω」と選択できるような機能が付いているとか、ST-71を使った回路では出力側をトランスの4番と5番のどちらの端子から取るかで「ノーマル/ブースト」等の表記のスイッチにしてしまえば、なんと『高級(高機能)ハイローコンバータ』のように見えるでしょうか!
「ブースト」のように、人の心をくすぐる名前にするところがポイントです!(笑)
お返事 2010/11/23
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車・「タコメーター・回転数パルスの2逓倍回路」は1万回転を超えても使えますか?
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こんばんは、初めまして。
パルスの増幅を調べており、たどり着きました。
今、バイクのタコメーターを交換しているのですが
取り付ける車両はクランク2回転で2パルス
メーターはクランク2回転で1パルスのようで
表示が実際の半分となってしまいます。
「タコメーター・回転数パルスの2逓倍回路」を拝見しましたが、1万回転を超えるので対応できるかわからず、
投稿させていただきました。
ぜひお知恵をお貸しいただけませんでしょうか?宜しくお願いいたします。
ロッシ 様
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お返事 |
えーと、説明が逆ではないですか?
車両はクランク2回転で2パルス → 1回転1パルス
メーターはクランク2回転で1パルス → 2回転1パルス
2回転1パルスのメーターに1回転1パルスの信号を入れたら、表示は2倍になってしまい、「表示が実際の半分となってしまいます」とは食い違うのではないでしょうか?
あくまで、目的が「パルス数を2倍にしたい」だったとして説明を続けます。
「タコメーター・回転数パルスの2逓倍回路」の場合、出力パルか幅を0.01〜0.1msecに可変でき、最も短い0.01msecに設定した場合には出力1パルスぶんで0.02msec、2逓倍回路したパルスが必要なために1回のカウント処理(入力)には最低で0.04msec必要です。
1周期0.04msecのパルスが連続して入力される時の周波数は25,000Hz、これを1回転1パルスの際のrpmにすると150万回転(rpm)の入力を300万回転(rpm)に変換するところまでは対応しています。
出力パルス幅を0.1msecにしても15万回転(rpm)の入力を30万回転(rpm)に変換する機能はあります。
(2倍、4倍パルス仕様の場合は各1/2、1/4に考えてください)
回転数はそこまで対応していますが、正常に働くかどうかは「タコメーター・回転数パルスの2逓倍回路」のほうで書いている通り、この回路の出力するパルス幅(0.01〜0.1msec)でメーター側の受信回路が正しくパルスとして受信できるかどうかと、2回連続してパルスが出される0.02〜0.2msecの間隔で正しく「2パルス」とカウントしてくれる能力があるかどうか。
そして最も重要なのはこの回路はOMRONのデジタルタコメーター(工業機器用のカウンタで、車等のメーター表示用では無い)用に設計しているもので、OMRONのタコメーターは車やバイクのタコメーターとは違う製品のために、あなたがお使いになる車やバイクのタコメーターがこういう形式の2逓倍信号に対応しているかどうかという事が大問題です。
そのあたりはお使いになられるメーターがどのような仕様で、最小パルス幅はどれくらいに対応しているのかや、車のタコメーター用信号のような回転中は均等なパルスでないと誤作動するようなカウント形式をとっていないかじゅうぶんに確認してからご使用ください。
お返事 2010/11/23
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クリアーボイスにノイズが乗ります
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初めてお便りさせていただきます。ユピテルの431siというナビをバイクで使用しています。音声をジャックから取り出しているのですが音声が小さいためキットのアンプ作り使っていたのですが、ノイズとか無線機とかに弊害が出たためいろいろ探していたところクリアーボイスの記事を見つけました。840円で手に入れジャックなどを取り付けバイクで使えるようにしたのですがキーンというノイズ?が出て気になります。無くすか低減する方法を教えてもらえればと思い投稿させて戴きました。宜しくお願い致します。
隆信 様
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お返事 |
車やバイクで、ラジオやオーディオなどに「キーン」とか「ヒューン」という感じの嫌な音(ノイズ)が入るのはよくある事です。
エンジンの点火系や最近の車ではエンジンコントロール用コンピュータなどから出るノイズ的な電気信号が直接、または電源ラインの電圧に不安定な変動を与えることで音を出す装置ではその影響で音に「キーン」というノイズが混じってしまいます。
普通はカーオーディオ等ではほとんど気にならないレベルなのですが、時にノイズレベルが大きくなるとかなりはっきり聞こえる音になってしまって不快になります。
解消するには
● ノイズを元から絶つ
● ノイズが伝わる経路を絶つ
● ノイズを受けても消す
の3種類の方法が考えられますが、なかなか一筋縄ではゆきません。
ある車である所からノイズが出ているとわかって、それに対処する処置をしてノイズが軽減したとして、ほかの車では同じノイズ源や伝達経路ではなくて同じ対処方法では全然効かないということが多々あるとてもやっかいな問題なのです。
● ノイズを元から絶つ
これはほとんど無理ですね。
点火系やコンピュータはメーカーにより完成した形で提供されていて、それに手を加えてノイズを低減させるような改造はあまり勧められる方法ではありません。
車いじりに慣れていて、点火系などを交換したり改造したり・・・そういう車の改造に慣れた方ならわかる範囲で改良してください。
● ノイズが伝わる経路を絶つ
どこかで発生したノイズが車体や何かの電装ケーブルを伝わってまわりに発散するのを抑えるため、アースを強化したり電装ケーブルにノイズ対策用のフェライトコアなどを被せてやるなどの対策が考えられます。
車では多くの場合バッテリーのマイナス側は車体を導体として電気ケーブルのかわりに使っているので、車体の金属抵抗などで電気が流れる回路に電位差が生まれ、それが原因で車体に電流が流れる時に電磁波としてノイズが放出されることがあります。
それを解消するにはバッテリーのマイナス極と、車の中で電気を使う場所(機器)との間を車体ではなく直接ケーブルで繋ぐようにして電気抵抗を減らしたり、車体の各金属パーツ間をケーブルで繋いで車体全体で電位差が起きないようにする「ボンディング」という手法がよく用いられます。
「元からアース側は繋がっているのに、たかがアースを追加配線するだけで改善するの?」と思われるかもしれませんが、無線機に「キーン」音が載って耳障りだった車で、ドアとボディ間にボンディングワイヤーを繋いだだけで「キーン」音がほとんど聞こえなくなったという例もあるくらいです。
大きく金属で覆われている車でなくても、バイクでも車体の金属が何らかのノイズ放散源や経路になっている可能性はありますので、アース/ボンディング対策を試してみる価値はあると思います。
● ノイズを受けても消す
元から出ているノイズを消す方向で改善してもまだ気になる程度の「キーン」音が聞こえる場合は、オーディオ機器側で何か対策をするしかありません。
多くの場合は電源配線からノイズがオーディオ回路内に入り込んで、それが増幅されて耳に聞こえる音のレベルになっていますので、電源ラインにノイズフィルタ回路をとりつけてノイズを低減することになります。
電子部品店でそういう用途のノイズフィルタが売られていますのでそういう商品を買うか、自分でコイルとコンデンサでノイズフィルタを作ってDC12Vの入力や、アンプ回路の中の電源部の出力に入れることでノイズを少なくすることはできます。
電磁波的な放射が電源線などに影響を与えてプラスとマイナスの両方の配線に同じ位相の電圧が発生するノイズの場合は1つのコアに2線を巻いたノイズ除去用コイル(コモンモードフィルター)を電源入力にとりつけます。
ノイズが電源変動に現れるような場合は、プラス側だけでもコイルを通して周波数の高い電気変動を通さないようにして、その出力を電解コンデンサで平滑してノイズを低減させます。
もちろんプラス側片側ではなく両側にコイルの入ったノイズ除去用のコイル(コモンモードフィルター)を使ってもかまいません。
どの程度のコイルを使うかなどは状況により様々ですが、電子パーツショップの店頭で店員さんに事情を説明して、その店で売られているコイルの中でどれがいいのか選んでもらうと良いでしょう。
ほかには、アンプの電源回路に各種容量の違うコンデンサをつなぐ方法でノイズが軽減する場合があります。
電源経由でノイズが乗っている場合、電源回路内にコンデンサを抱かせて同調回路を作ることでうまくそのノイズ周波数と同調することができればノイズはかなり消えます。
ただこの方法は電源回路や機器内部のインピーダンスとコンデンサの容量でフィルターできる周波数が決まるため、単純に「xxμFのコンデンサを付けてください」とは言えないのが難点です。
お使いの機器のインピーダンスによりどんなコンデンサを付けたらうまくゆくのか、またその方法ではほとんど改善されないのかは千差万別、色々なコンデンサを買ってつないでみてテストしてみてくださいとしか言えません。
● 電源回路自体を変えてしまう
あくまで電源からノイズが乗っている場合ですが、クリアーボイスの電源回路を取り払って別の電源回路に変えてしまえばノイズが低減させるかもしれません。
(そんなに猛烈にノイズを通してしまう回路には見えませんが)
三端子レギュレータで9〜12V程度の電源を作って交換してみるとか、ノイズフィルターで低減できないならそういう回路変更も試して見る価値はあるかもしれません。
本当にノイズ源は電源ラインで、音声入力に「キーン」とノイズが乗っているのでは無い場合ですよ。
● 最後の手段
車・バイク側のアース対策、オーディオ回路の電源ノイズ対策でもまだ耳障りな「キーン」が聞こえる場合は、カーナビからアンプに接続する部分かアンプの内部に「ローパスフィルター」回路を入れて高い周波数の音を消してしまうことで対処するしかありません。
ただし、ローパスフィルターを入れると高音を消してしまうので音楽やラジオを聴くようなオーディオにはお勧めできません。高音が聞こえないととてもくぐもった悪い音になってしまうからです。
あくまで、カーナビの案内音声を再生するスピーカー用・・・であれば多少音質が悪くなっても、何を言っているかがわかればいいので、本当に最後の手段です。
また、ローパスフィルターをつけるとカットしない周波数の音もレベルが下がってしまうので、クリアーボイスのアンプだけではじゅうぶんに大きな音が得られなく、ローパスフィルターと共にもう一段アンプをつけないといけないかもしれません。なんだか手間ですよね。
なににしても、車やバイクで「キーン」というノイズが入る原因とそれに対する正しい対策方法はその車・バイクによって様々に違うので、ご自分でノイズ源がどこなのか、どこを経由して入ってくるのかを確かめなければなかなかカンタンにはそれを消すことはできません。
お返事 2010/11/23
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投稿 11/26 |
丁寧なご返答ありがとうございました。ど素人な者なので私にとって難しい対策は出来かねますのでボンディング等の簡単なものからトライしてみようと思います。はなはだ簡単な文章で大変申し訳ございません。しかし、心の中は感謝の気持ちで一杯でございます。
ありがとうございました。
隆信 様
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投稿 12/5 |
自分の経験から横レス失礼します。
単体ではノイズが感じられないのに、アンプを外付け接続した時にノイズが入るのは、2つの機器のアースの電位に差がある事が原因のようです。
(ノイズが乗った電源から2つの機器に別々に電流が流れる事と、それぞれの機器内部のアースと電源側のアース間の抵抗が異なる事から、機器間のアース電位に差が生ずる。)
配線や接続で対策する方法(※)もあるのですが、初心者にはちょっと難しいと思います。
機器の間にトランスを入れる事でこの電位差の影響から逃げる事が出来ます。これが最も簡単かと思います。
※配線や接続で対策する方法
1.2つの機器はなるべく同じ電源,アースから接続し、分岐点からのケーブルも最短に接続する。(可能なら2つの機器のアース間を太い線で最短で接続)
2.アンプの入力回路のアースを、信号のソース(この場合はナビ)側から得る方法。
「コンポ形式」のカーオーディオの機器間もこのような接続が取られているようです。
ご参考になれば幸いです。
jr7cwk 様
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投稿 2/17 |
jr7cwk様横レスありがとうございました。暫くこのページを訪問していなくてアドバイスが有るのを知りませんでした。
私と同じような使い方をされている方がいて付属のシガープラグコードに原因が有ったようなことが載っていたページがあり、私も同じシガープラグを購入し、取り付けてみたところノイズは軽減されました。まだ不満は残っていますが。
知識がないため技術的なことも簡単な事しか対応できませんので。
いろいろとアドバイスをありがとうございました。
隆信 様
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圧電スピーカーがコイルで大音量で鳴りません
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沖縄在住の最近電子工作にハマっているオジサンです。宜しくお願いします。
本題に入りますが、100円ショップで売られている「窓用防犯ブザー」に入っているコイルについて教えて下さい。
圧電スピーカーを大音量で鳴らしたいため、防犯ブザーに入っているコイルと圧電スピーカーを抜き取り、タイマIC555の発振回路に接続し周波数1〜5kHzで試したのですが、大きな音は出ませんでした。
「雨降り警報ブザー」に公開されている回路をみたところ、トランジスタのところにコンデンサがありますが、それなのでしょうか。もしそうでしたら、コンデンサの容量(推測でも良いです)を教えて下さい。
仲村学 様
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お返事 |
大きな音で鳴りませんでしたか?
こちらで100円ショップの警報ブザーからコイルを抜いて、555の発振回路につないでみましたが耳が潰れそうになるくらいの大きな音が出ましたよ。
(原理的には大音響にならないはずは無いのですが)
右図のとおり、555で発振させた1.5〜3KHz程度の矩形波パルスでトランジスタを駆動し、コイル電流を入/切させて高電圧を発生させて圧電ブザーを大音量で鳴らします。
100円ショップの警報ブザーの回路とまったく同じものです。
サウンドの発振源が警報回路用のICから555に変わったくらいで、回路図上の違いはありません。
また、コンデンサを入れないと大きな音にならないという事はありません。(無しで鳴っています、入れても鳴りますが…)
さてそこでそちらで大きな音が出ない原因ですが・・・
● 基本的に何か接続を間違っている
コイルの足を間違えたとか、使用しているトランジスタの足を間違っているとか・・・?
そういう単純ミスではありませんか?
例の100円ショップの警報ブザーで使用されているトランジスタはS8050ですが、日本でよく使われる2SC1815などとピン配置が違うので間違うと動作しません。
● トランジスタを使っていない
「コイルと圧電スピーカーを抜き取り」とは書かれていますが、「トランジスタを抜き取り」とは書かれていないので心配です。
チョッパ型のコイル昇圧の原理はよくご存知だとは思いますが、コイルに電流を流して励磁して磁力エネルギーを溜め、電流を切った時にその磁力エネルギーが解放されコイルに高い電圧のパルスを発生させることで元の電圧よりはるかに高い電圧を得ます。
コイルとは言っていますが、今回のようなコイルは「昇圧トランス」の一種です。
今回使用した100円ショップ品の中のコイルだと圧電ブザーを接続した状態で出力はだいたい50〜60V程度が得られます。
さてそこで気になるのは、ちゃんとトランジスタを使ったチョッパ回路になっていますか?
たとえば、トランジスタは使わずに555の出力端子をそのままコイルにつないでしまっているとかの間違った回路にはなっていませんよね?
555の出力は単なるトランジスタ出力ではなくプッシュプルですから、H側もL側もどちらも出力時にトランジスタで上下に引っ張られます。
もしそんなプッシュプル出力をコイルに繋いだら、コイルに電流を流して磁力を溜めることはできますが、コイル電流を切って高電圧を発生させたい時には反対側のトランジスタの働きでコイルをショートさせるような回路になって、コイルに溜めた磁力はそのまま消されてしまうので高電圧を発生させることはできません。
高電圧は発生しないので、555で直接圧電ブザーを鳴らすのとたいして変わらない音量でしか鳴らないでしょう。
● ほか・・・
他に何かあるでしょうか?
ちょっと思いつきません。
お作りになられた回路をもう一度よく見直して、どこが間違っているかお調べください。
お返事 2010/11/22
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投稿 11/27 |
トン太です。
圧電ブザを大きな音で鳴らすためには
共振器といわれる小部屋(チャンバー)の空間が
必要です。
\100ショップ防犯ブザでも小部屋構造を設けて
あります。
参考(富士電機、圧電素子資料)
http://www.fdk.co.jp/cyber-j/pdf/BZ-TEJ001.pdf
21頁に共振器の設計についてあります。
圧電ブザの振動版をケースから外したことで、小部屋
構造がなくなってしまったからと思われます。
小部屋を壊さないようにケースから小部屋ごと取り出して
移植されたら良いと思われます。
トン太 様
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投稿 |
仲村学です。
新参者の私に御返答頂き、大変感謝しています。
トン太様の「共振器」については、圧電スピーカを取り出す際に既に壊しており、直ぐに試すことはできない状況ですが、次の機会には考慮したいと思います。
私の試した回路は、ご提示の回路も試しており、違いはトランジスタが2SC1815くらいです。電源はACアダプタ(5V, 500mA)を使用。
昨日、2SC2120で試しましたが変化ありませんでした。
因みに、圧電スピーカの接続を回路図のようにコイルの両端ではなく、真ん中とトランジスタ側に接続した方が2倍ほど音が大きいです。
コイルの両端で、うまく昇圧できていないのでしょうか?
仲村学 様
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お返事 |
・コイルの足を間違っている
・コイルを外す時に壊している
などではないでしょうか。
お返事 2010/12/2
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投稿 |
仲村学です。
ご指摘のとおり、コイルが壊れていました。
両端の足をテスタで検査したところ通電していません。
原因不明ですが、実験中に壊したようです。
再度、防犯ブザーを買いに行きましたが近所のダイソーでは売り切れていたため、探すのに苦労した上日数が立ってしまい返事が遅くなってしまいました。
後日なんとか手に入れ、お返事の回路で試したところ、とても大きな音で鳴ってくれました。
目標を達成し大変感謝しています。
コイルは簡単には壊れないと思い込んでいましたが気を使わないといけないのですね。
教訓になりました。いろいろとありがとうございました。
仲村学 様
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お返事 |
無事鳴ってよかったですね。
このようなコイルに使われている「フェライトコア」はとてももろくて、少し力が加わっただけでポロリと割れてしまいます。
足を曲げる際などに足の根元をラジオペンチ等で固定して、足だけに力がかかるような方法で曲げ伸ばししないと、本体を持って足だけ曲げたりしたらてきめんに壊れます。
足の根元の固定が割れてしまうと、中のエナメル線はとても細いのでほんの少し足が動いただけでプツッとちぎれてしまうでしょう。
ミニチュアコイル・インダクタの場合はコアとは別にプラスチック等の「台座」がついているものはかなり乱暴に扱っても大丈夫ですが、構造が単純でそういう固定具の付いていないコイルだと細心の注意が必要です。
それと、100円ショップ品を何かに流用・応用しようとする場合は同時に2〜3個買っておくべきですね。
あとでもう一個使いたい時に105円のために店まで行く手間や、今回のように店頭に無くて探し回るのはあまりに悲しい作業です。
お返事 2011/1/4
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テニス用スコアカウンター
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テニスを楽しんでいますが年のせいかカウントを忘れてしまうことが多々あります。そこでスコアカウンターを作れないかといろいろ試作しましたがどうしても大きく部品数も多いのです。腕に巻き付けて使いたいのでカウンターはなるべく小さく軽く、薄くが理想です。テニスは1ポイント得るごとにフィフテーン、サーティー、フォーティーと数え、フォーティーオールでデュースとなります。カウンターの仕様はLEDが3個、プッシュSWを1回押すごとに1個ずつ点灯し、3個まで点灯し、4回目にリセットとしたいのです。IC回路で作ればできそうなのですが、小さく、薄く、軽くとなると難しいとは思いますが、できるだけそれに近づくような部品数の少ない回路をご教授願いたいのでよろしくお願いします。
river2924 様
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お返事 |
腕に巻き付けて使う・・・ですか。
回路の説明とかそういう話より、先にそのあたりま話を。
(大き目の)腕時計くらいの大きさに収まればリストバンドに付けても小さくて軽くていいですね。
でも、それくらいの大きさにするにはICを使ってもIC一個くらいで済ませて、電池はリチウムコイン電池、とにかく小さくするならICは普通のDIPタイプではなく表面実装用のフラットタイプを使用してLEDや抵抗などもチップ部品を使うなど、個人で製作できる範囲ではありますがとても高度な表面実装技術を持った人でないと超小型化は難しいのではないでしょうか?
ハンダづけなどの工作が表面実装部品ほど難しくはなく、LEDや抵抗も普通の大きさの部品を使えば工作はカンタンですが大きさはそれなりのものになってしまいます。基板はマッチ箱を2つ並べたくらいでしょうか。
同じ回路図でも使う部品をどう選ぶか、どのような実装方式をとるかで大きさはかなり違ってきます。
それでもタバコの箱よりはずっと小さなもの、うまく作れば携帯電話の半分くらいの大きさにはできるでしょうから、ジョギング用などで携帯電話を二の腕にとりつける外面が透明ビニールになった「携帯ホルダー」等に入れてしまえばテニスのように激しく腕を動かす時でもちゃんと保持しておけるとは思います。
携帯電話の半分くらいの大きさならリストバンドに固定するのもなんとかできる範囲かなと。
また、最後に参考情報として載せておきますが、ロジックICで回路を作らずにPICマイコンを使えば8ピンの小さなIC(PICマイコン)一個で済んでしまいます。
PICマイコンでなら特に表面実装用のフラットタイプを使わずにDIPタイプでも(厚みはありますが)腕時計くらいの大きさに収まりますね。
▼クリックすると拡大表示
ロジックICで作ると最低これくらいの部品数です。
スコアをカウントする部分はシフトレジスタという機能のICを使います。今回はC-MOS 74HCシリーズの 74HC164を使用します。
シフトレジスタは入力端子と、中にデータを入れておく記憶回路が複数並んでいて、「クロック」端子に入力したクロック信号のタイミングで中に記憶しているデータを1つづつ隣の記憶域にバケツリレーのような感じで受け渡してゆく回路です。
いちばん入力に近い端の記憶回路はクロック信号のタイミングで外部からの入力信号を記憶します。
また、リセット信号で全部の記憶回路の中身をリセットしてLにします。
ですから、リセットした時には全部の出力がLでLEDは点灯せず、入力端子をHにしておくことでクロック信号が一回入ればいちばん端の記憶回路にHが読み込まれその出力(QA)がHになるのでLEDが一個点灯。次にクロック信号が入力されればそれが1つ隣に受け渡され2つ目のLEDが点灯すると共に入力端子もHのままなので端のLEDはやはり点灯で合計LEDが2個点灯、同じようにもう一回クロック信号が入ればLEDが3つ点灯するようにします。
そして、4回目のクロック信号が入れば4つ目の出力(QD)がHになる事を利用してそれをリセット信号にしてシフトレジスタをリセットしてやれば「4回目のスイッチ操作でリセット」という回路になります。
残念ながら74HC164のリセット端子はLow アクティブなのでL信号でリセットされるため、QDの出力Hでリセットするには論理反転させなければなりません。
最初はIC数を減らすためにトランジスタ一個でとも考えましたが、74HC164のクロック入力端子が変動する信号に弱いため信号を整形してやらないと激しく誤作動するため、スイッチ入力部にシュミットゲートが必要になったのでそれを"ついでに"利用することにしてシュミットNANDゲートICの 74HC132のゲートのうちの1つを使用して反転させます。
で、今書きましたように74HC164のクロック端子はなだらかな電圧変化では誤作動して一瞬でカウントを何度も繰り返してしまうので、スイッチを押した信号はコンデンサと抵抗のチャタリング防止回路と74HC132のシュミットゲートを経て綺麗なデジタル信号に整形してから74HC164のクロックに与えて「カウントを一回進めなさい」という信号とします。
本当ならシフトレジスタICを一個だけで済ませたかったのですが、スイッチを押した時の不安定な電気信号で正確にカウントをさせるような回路ではこのような入力信号の波形整形回路はつきものなので、今回はICを2個使用してしまいます。
電源は小型化するためにコイン型リチウム電池のCR2016またはCR2032を一個の3Vです。ちゃんとCR2016/2032用の電池ホルダーが電子部品店では売られています。
使用ICの74HC系は電源電圧が2V〜6Vで動作するため、リチウムコイン電池一個の3Vでも正常に動作します。
LEDを全消灯している場合、74HCシリーズのC-MOS ICを2個なら数十マイクロアンペア程度しか電流を消費しませんので、電源スイッチは要らないくらいです。でも一応は回路図中には付けておきました。
普通のDIPサイズのICを使って作ると基板サイズは2.5cm×4cmくらいでしょう。(電池ボックスは基板裏面側に)
表面実装部品を使えば2cm×3cm以下程度にできるかもしれません。腕時計くらいの大きさに収まりますがチップ部品など特殊な部品を使うので組み立て技術がものを言う作業になります。
冒頭で書いたように、PICマイコンで作れば下の回路図にように8ピンのマイコン一個で済みます。
これなら表面実装部品を使わなくても2cm×2cm以下くらいの基板に載ってしまいます。
もちろん表面実装用のフラットパッケージのPICマイコンを使えば更に半分くらいには小型化できますが・・・。
PICマイコン等を使用する場合には物理的な部品の数や規模をたいへん小さくできますが、その反面ご希望の動作をプログラムしなければ何も動きません。
こちらのコーナーではPICマイコンのプログラムなどは提示しない方針なのでもしここまで超小型化されたい場合にはマイコンプログラムの勉強もしてください。
最近はロジックICで回路を作るより各種の小型マイコンチップを使って目的を実現するほうが小さく・安くできる場合のほうが多いですよ。
お返事 2010/11/21
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投稿 11/26 |
早速お返事をいただきありがとうございます。なんとか製作できそうです。しかし、PICなるものを使うと部品も半分になるのですね。驚きです。さらに、しかしプログラムが必要とのこと。魅力的ではありますが、ハードルが高そう。一から勉強するとなると時間が。一度本を買ってから考えます。完成したら、投稿させていただきます。では、がんばってみます。
river2924 様
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昇降圧型の電源回路
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またお世話になります。
車のDC12Vバッテリーから安定的にDC12Vを得られる回路を教えてください。
実測ではバッテリー電圧は、10.4V〜14.4Vとかなり幅があります。
出力電流は5A連続で取り出したいです。
多分、昇圧も降圧もできる回路が必要と思います。
できるだけ電気を無駄にしたくないので、効率の良い回路を希望いたします。
よろしくお願いします。
かず 様
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お返事 |
その用件では昇降圧型のDC/DCコンバータが必要ですね。
● DC/DCコンバータ(昇圧回路/降圧回路)について
スイッチング方式(チョッパ式)のDC/DCコンバータについては、お使いになる部品(主にコイル)によって回路の部品定数などが変ってきます。
私のほうからは特にどの部品(コイル)を使えば良いなどのアドバイスはできませんので、DC/DCコンバータ方式での昇圧/降圧電源回路についてのご質問には回路図を提示したり、どの部品を買えばいいのか等のお答えできません。予めご了承ください。
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と注意書きさせていただいている条項に触れますので、こちらから回路図などを提示することはできません。
5A流せるコイルも持ち合わせがありませんし。
以前のご質問の際に、私の提示したものよりも良いデバイスなどをお探しになられた実績のある方ですし、昇降圧型のDC/DCコンバータ用ICなども良い品を見つけてそれをご利用になられる事は可能ではないでしょうか。
お返事 2010/11/12
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投稿 11/18 |
かずさま管理人様横から失礼します。トン太と申します。
おなじみのDCコンICであるMC34063のアプリケーションノートAN954に昇降圧型の応用設計があります。
7.5〜14.5Vが入力で、10V/120mAの出力です。
2スイッチ方式の昇降圧タイプで、ロースイッチをIC内蔵のTrで担っています。
これを参考にハイサイドのPNP、ローサイドのNPNとも外付けで15A級のトランジスタを使用してコイルも10A級の物を用意して設計するとできそうですが。
チャレンジしてみてください。
AN954とMOTOROLAで検索すると雑誌トランジスタ技術2007年11月号の連載記事がヒットします。WEB見本で見れるのは2ページのみなので図書館あたりで残りも調べると参考になると思います。
トン太 様
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投稿 11/20 |
横レスすいません。
私も車のバッテリから安定した12Vを得る為の電源をどう作ろうか、散々悩んだ事がありました。
トン太 様ご紹介のAN954の昇降圧型の回路には気が付いていましたが・・・
そんなトリッキーな回路作らなくても、昇圧型回路のLを1対2位のトランスに置き換えればいいのでは・・・という構想だけは描いていたところでした。
(実際に製作には至っていません。→まじめに設計するとなったら、トランスはコイル以上に厄介そうで手に負えません(笑)
単なる悪戯レベルなら壊れたスイッチング電源のトランス巻き直して・・・などとも思ってはいるのですが・・・)
jr7cwk 様
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例えば5Xを超えた電圧でスイッチが入る回路
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よろしくお願いいたします。
一定の電圧(例えば5X)が常時通電している回路があり、その回路に一定以上の電圧が通電した場合にスイッチONになる回路を作りたいのですが御指導ください。
素の素人 様
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お返事 |
あまりにおおざっぱすぎて、回答ができません。
次の内容をご希望の数値などでご指定ください。
(1) 入力電圧は本当に5Vなのか?
「例えば5X」(V[ボルト]ではなくX[ファイブ]なのは何か意味があるのでしょうか?)と書かれていますが、これはあくまで「たとえば」であり、後から「実は12Vでも動かしたい」とか「3〜20Vで自由に調節したい」など、提示した回路図では対応できないような電圧値を言い出すという事はありませんか?
本当は何Vで動作するのが正しいと判断したいのですか?
(2) 電源は何?
この検知回路の電源はその「たとえば5V」から取っていいのか、別に単独に電源を用意しなければならないのですか?
その点でも後から「実は12Vでした」なんて言い出されるとたいへん困るので、先に正しい電源の取り方と電源電圧を決めてください。
(3) 一定電圧以上とは?
一定電圧とは果たしてどのくらいでしょうか?
「たとえば5V」と言われると、+1Vで6Vくらいでいいのか、+5Vで10Vくらいまでは検出したいのか・・・。
それはどの程度の変動までを許可として、検知した電圧以上で最大は何V程度までの電圧がかかるのかもよく考えて教えてください。
(4) スイッチONとは?
「スイッチ」というのは、読んで字の通り「スイッチ」なのですか?
つまりリレーのような物を使って接点出力にしたいという意味ですか?
その場合に接点容量は?
その接点で何を操作したいのですか?
それとも、電子的にトランジスタのオープンコレクタ出力のような形がご希望ですか?
最低でも上記の(1)〜(4)の内容がわからないと、何も提示することができません。
逆に何も提示されないまま、0〜30V程度でどんな電圧でも動作する回路はいかがですか?
ただし電源はその「例えば5X」という入力を流用するのではなく、安定動作のために別途電源回路を必要とすると思います。
お返事 2010/10/27
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投稿 |
前回おおざっぱな質問で申し訳御座いませんでした。
@A12ボルトバッテリーを直列に2個つないだ出力24ボルト電源です。トラック車両
B動作内容:ドア開放警告ランプがありドアが開いている時は2.5ボルトで点灯 ドアが閉じている時は24ボルトで点灯する警告ランプ回路があります。
B上記の電圧差を利用して音声ブザー(警告音)を発生させる回路を作りたいと思っております。(24ボルト時発生)
宜しくお願いします。
素の素人 様
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お返事 |
やっぱり・・・全然5Vとは関係無いですよね。
もし5V用の回路を提示していたら、24Vでは使えませんから全く無意味なものになっていたでしょう。
・ドアが開いている時は2.5ボルトで点灯
・ドアが閉じている時は24ボルトで点灯
とありますが、どちらでも点灯なんですか?
それは、何かの点灯回路の入力端子の電圧であって、ランプにかかる電圧では無いということですか?
・24ボルト時発生、音声ブザーを鳴らす
というのであれば、単純に24VでDC24Vリレーを動かしてリレー接点をON/OFFするようなものではいけないのでしょうか?
たとえは、その2.5V/24Vが切り替わる信号線が何らかのデジタル回路の信号電圧で、リレーのコイルなどを駆動するだけの電流が取れないというような信号線なのでしょうか?
だから電圧を判定する電子回路が必要で、電子回路を介してリレーを駆動しないとその2.5V/24Vを出力している回路が壊れるとか?
そのあたりを詳しくお教えください。
面倒な電子回路なんか必要ない場所に電子回路を提示してもムダですよね。本当に必要なら電子回路で作らなければなりませんが、不要ならそれに越したことはありません。
お返事 2010/11/9
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投稿 |
ご返事有難うございます。ランプの回路で十分な電流が取れるようですので、24vリレーで目的達成したいと思います。もしデジタル回路などで電流が取れない場合はどのような方法が考えられるのでしょうか?。宜しくお願いします。
素の素人 様
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お返事 |
いや、24Vのデジタル回路なんてありえないので、存在しないものに対して回路図を提示しても・・・とお答えしたつもりでしたが、この忙しい時期にそういう質問をしますか・・・。
もしあなたがお使いの機器がそういう特殊な装置で、絶対にリレーなどでは壊れてしまうような装置ならどこのメーカーの何という機器なのか、それがどういう仕様なのかをお聞きしたかったわけですが、そういう情報は無しですか。
状況を判断して、リレー一個で良いだけの回路のようなのでそれをお勧めしたわけですが、なんとしても電子回路の回路図を知らないと…というのが目的の方なので、これ以上は細かな説明をしてもムダですね。
はい、これが回路図です。
お返事 2010/11/27
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投稿 12/9 |
ご回答有難うございます。
ご多忙中の中的外れな質問で申し訳ございませんでした。
今後とも宜しくお願いいたします。
素の素人 様
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ラジオに外部入力をつける
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いつも楽しく拝見しています。
また、先日はVVVFパワーパックの件でアドバイスをいただきありがとうございました。苦戦していますが少しずつプログラムを組み始めています。
さて、今回は全く別の話題ですが、私は80年代の車に乗っていましてFMラジオしかついていません。以前はMDもつけていたのですがデザインがあわずに外してしまいました。最近はFMトランスミッターを何種類か使ってみましたが音がかなり悪くやめました。そうしたところFMラジオを改造して外部入力を付けられるという情報を聞いたのですが、ネットをいくらさがしても方法まで見つかりません。FMラジオのどこにどんな回路を付けると音声入力できるのか、アドバイスいただけませんか?ラジオの復調とアンプの間にいれれば良いのでしょうが見分けるのも難しそうです。やはりプロに依頼するしかないのでしょうか…。
よしたけ 様
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お返事 |
それは・・・、多分知っている人であればあまりにあたりまえすぎていちいち記事にしたり解説したりするような事では無いですから、ネットを探しても出てこないのではないでしょうか。
それか、同じような事をしてネットに記録を載せていても「FMラジオに外部入力を付ける」のような直接的な単語では誰も書いていないかのどちらかでしょうね。
>ラジオの復調とアンプの間にいれれば良いのでしょうが見分けるのも難しそうです
これが分かっていれば、簡単な話なのです。
言葉では「ラジオの復調とアンプの間に」と理解できているのに、実物のラジオの中でどこを触ったらいいのかがわからないという事ですね。
電子少年であれば、たいていは「AM・4石(トランジスタ)ラジオキット」のようなラジオを組み立てた事があり、ラジオのしくみやラジオの中で回路がどうなっているのか、また音量調節のしくみも含めて音声信号がどう伝わっているのかをラジオの組み立てなどで学習しているはずです。
ラジオでなくても、アンプや何らかの音の出る回路を組み立てていても同じようなものですね。
テレビやラジオについている「ボリューム」を回すとなぜ音量が変わるかを考えたことはあるでしょうか?
ボリュームはツマミを回したり、物によってはスライドさせたりと人間が動かすと抵抗値の変わる抵抗ですね。
抵抗値を変えると電気の流れ方が変わるので、電気を流れにくくすると音量も小さくなり、電気をたくさん流すようにすると音量が大きくなると考えられます。
そこでよく初心者の方が間違うのは、「ボリュームはアンプの出力とスピーカーの間に入っている」と考えてしまうのです。
スピーカーに流れる電気をボリュームで調節(制限)していると。
確かにオーディオの世界には「アッテネーター」というスピーカーの中に入れるボリュームも存在します。
でも、スピーカーを鳴らすための電気はかなり大きく、それを抵抗で制限しようとするとその抵抗の部分での発熱などが多くなり、大電力に耐えられるような大型の可変抵抗が必要になります。それがオーディオ用ではアッテネーターと呼ばれる部品です。
また、スピーカーの部分に抵抗を足して音を小さくするには、アンプはスピーカーと抵抗の両方に電流を流すだけ働かなければならず、無駄な電力を消費してしまうと共に大きなパワーアンプでは発熱や回路への負担が大きくなり寿命も短くなります。
初心者の方は一回くらいはアンプとスピーカーの間にボリューム(普通の10KΩとか)を直列に入れて、「ボリュームをちょっと回すだけで全く音が出なくなる!」というトラブルを起こしたことがあると思います。(過去の質問投稿にもありましたね)
インピーダンス(抵抗値)が4〜16Ω程度の普通のスピーカーと直列に10KΩなんて大きな抵抗を入れたら電流がほとんど流れなくなって、スピーカーから音が出なくなるのはあたりまえですよね。でもそれがあたりまえと気づくには一度くらい失敗してからでないと・・・。
さて、前置きが長くなりましたが、実際のラジオや各種オーディオでは「ボリューム」はスピーカーを鳴らすための音声アンプ(AFアンプ)の入力についています。
しかも、入力に直列に抵抗を入れるのではなく、図のようにラジオならチューナー回路の音声信号出力をボリュームの抵抗で分圧して音声アンプへの入力電圧を調節するしくみです。
ボリュームを右(3側)に回すとチューナー等の回路の音声出力電圧に近い大きな電気信号がアンプの入力に入り、アンプの出力は大きくなってスピーカーを大きな音で鳴らします。
逆にボリュームを左(1側)に回すとアンプに入力される音声信号電圧はボリュームの抵抗で分圧された小さな電圧となり、アンプの出力電圧も小さくなってスピーカーから出る音は小さくなります。いちばん左(1側)に回しきってしまうとGND電位(0V)になり、音声信号はまったく伝わりませんのでスピーカーからも全く音が出なくなります。
もしチューナー等の音声出力とアンプの入力間に直列にボリュームを入れるだけだと、ボリュームの抵抗値をすごく大きくしても少ない電流ですが必ず電流は流れるのでボリュームを左いっぱいに回しても音量は0にはならずに、常に音で出続けるという音量調節としてはあまりよくないものになるでしょう。だから分圧して使用するのです。
● アンプの入力にボリュームはついている
● ボリュームに入れる電圧が、元の音声信号である
という事さえ知っていれば、どんなアンプでもそのボリュームの入力につなぐ物を変えるだけでそのアンプに入力した音声信号でスピーカーから音を出すことはできます。
それさえ知っていれば、ボリュームがついているラジオでもテレビでも、それこそオーディオ用のアンプそのものでも、ボリュームの位置さえ調べられればその入力にスイッチなりなんなりを追加して、別の入力端子・配線とつないでやれば別の機器からの音声をスピーカーから鳴らすことができます。
オーディオ用アンプ(AFアンプ)と他の信号源をつなぐ時には電気的な問題で「カップリング(結合)用コンデンサ」という用途で電解コンデンサを1つ挟みます。
普通はアンプ回路のほうに入っているので別途用意する必要が無いはずなのですが、ラジオなどの中の回路ではチューナー部の回路側にそういう機能を果たす部品が入っていて、アンプ側には入っていない場合も考えられるので電解コンデンサを一個(ステレオならL/Rで2個)入れておくと安心です。
※ 電解コンデンサの極性(+/-)も、アンプ回路の実際の回路によって逆の場合があります。心配な方はオーディオ用「無極性電解コンデンサ」を使用してください。
元から外部入力端子があって、それをスイッチで複数切り替えるように入力を増設するような場合にはコンデンサを追加する必要はありません。外部入力端子があるという事は元から内部についているのですから。
80年代の車で、それについていたラジオならボリュームもツマミがあって回転またはスライドさせて音量調節するものでしょうから、今回の考え方で改造できるはずです。
最近のオーディオでは音量もUP/DOWNボタンを押して調節するような「電子ボリューム」のものが多く、そういうボリュームが電子化されているものではこの通りの部品としての「ボリューム」を探しての改造はできません。
ボリューム自体はICやLSIの中に隠れてしまっていますので、音声信号の流れている回路を調べてどこを切ってどこに繋げばいいのかを解析できる専門知識のある人でないとかなり難しいでしょう。
とても高度にIC・LSI化されたオーディオ(特に最近のデジタルオーディオ機器)ではほぼ全部がIC・LSIの中に入ってしまっていて、アンプまで内蔵された専用IC・LSI化でアナログ信号で外部に出ていないような場合もあります。
今回の手法が使えるのは回転式やスライド式の機械的なボリュームを使用した、アナログ的な回路構成のオーディオ装置のみです。
また、本文中では触れませんでしたが、ボリュームの入力信号の電圧は「音声ライン(LINE)信号」と呼ばれるある程度決まった電圧範囲のみです。
マイク入力などでは電圧がとても小さいのでそれにあわせた入力電圧にする必要や、逆にマイクを普通のアンプに接続するなら「マイクアンプ」と呼ばれるマイクの微小な信号をライン(LINE)信号レベルに増幅するアンプが別途必要になります。
mp3プレーヤーなどの「ヘッドフォン出力」の信号電圧はライン(LINE)レベルに近いのでそのままつないでもほぼ大丈夫です。
※ この話は全て一般的なラジオ・オーディオ装置の場合で、特殊な回路・構成になっている製品は除きます
お返事 2010/10/7
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投稿 |
いつも勉強させてもらってます。
車ではないのですが子供が使っているラジカセで外部入力がなく困った末あきらめたことがありました。そのときにこの情報をしっていれば・・・(^_^;)
>※ 電解コンデンサの極性(+/-)も、アンプ回路の実際の回路によって逆の場合があります。心配な方はオーディオ用「無極性電解コンデンサ」を使用してください。
ここの部分だけ確認させてください。通常の電解コンデンサを2個逆に接続すると無極性コンデンサとして使えると何処かで見た気がするのですが、それで大丈夫でしょうか?容量は半分になってしまいますけど・・・
くまーる(素人) 様
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お返事 |
はい、別に普通の有極性電解コンデンサを2個、極性を逆向きに直列につないでもかまいません。
有極性コンデンサを無極性で使うためにコンデンサ2個、ステレオでは4個使うなら、最近では別に入手困難や高い商品でもなくなっているので無極性コンデンサのほうが追加もカンタンで良いかと思いまして。
普通は入力端子に接続するオーディオ再生機器側のヘッドフォン端子の中にも電解コンデンサは入っているはずなので、本当に何かの時のための予備といった感じです。
お返事 2010/10/9
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投稿 10/13 |
お返事ありがとうございます。
最近は普通に手に入るのですね。失礼しました。まずは手元にあるパーツでなんとかならないかな?と思って確認させていただきました。(^^ゞ
(もちろん極性を判断する自信がないというのも大きな要因ですが・・・)
前出のラジカセも最近めったに使われなくなってきているようなので、年末年始とかまとまって時間の取れるときにがんばって入力端子を取り付けてみます。(^^♪
くまーる(素人) 様
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投稿 11/5 |
よしたけです。お返事が遅くなりまして申し訳ございません。自動送信のメールをいただいていたのですが、「投稿確認メール」だと勘違いし、お返事を待っていたのですが、先ほどメールをよく見たら「公開しました」と書いてあったのでアクセスしてみると…。まさかこんなに早く回答がいただけるとは思っていなかったのですみませんでした。
さて、ラジオに外部入力を付ける件、大変詳しく解説していただきありがとうございました。素人の私でも十分理解できる内容でした。ボリウムの位置なら簡単に見つけられると思います。あとはその端子を当たってステレオ左右を判断して繋ぎ込めば良いと言うことですよね。大変勉強になりました。
ひょっとしたら最近の電子ボリウムのオーディオもこの手法で…と欲をかいたのですが、そこまでご丁寧に解説していただけて感激です。さっそくラジオを引っ張り出してトライしてみたいと思います。しかしこのような簡単な原理なのに業者にお願いすると数万円取られるとは…。いずれにしても本当に参考になりました。なんとお礼を申し上げて良いのか分かりませんが、今後もこのような活動を続けていただけると大変うれしいです。
よしたけ 様
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介護用在宅表示ランプ
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はじめまして。私の妻は実家で身内の介護をしておりまして、在宅と不在を1階から2階へ音とLEDでお知らせできるものがないかしら?というと妻の要望で探していたら、こちらのホームページに出会いました。
モーメンタリスイッチを「在宅」と「不在」用に2個設置して、在宅の時に1階で押しボタンを押すと、「ポーンと低い音が1回鳴ると同時に、赤色点灯から青色点滅(0.5秒間隔)に変わり2回ピカピカと点滅後に青色点灯」して外出する時に不在用押しボタンを押すと、「1回鳴ると同時に、青色点灯から赤色点滅に変わり3回点滅後に赤色点灯」する。
2色LEDを使い、点滅速度はボリュームで調整。音はイメージ的に飛行機の機内案内の前になるポーンという低い音に近いと嬉しいです。
本体は2階の部屋に置いて電源は12V1Aスイッチング電源(手持ちで軽いので)を10メートル離れた1階から2階へ供給にしたく思います。
どのような回路が考えられますか?是非教えてください。宜しくお願い致します。
グルメ 様
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お返事 |
いくつか質問させてください。
(1) 使用LEDは?
「赤と青の2色LED」とありますが、アノードコモンですか?
それともカソードコモンですか?
逆だと全く異なるので、お使いになられるLEDが具体的にどちらかを指定してください。
(2) 同一状態への再設定は可能/不可能のどちら?
仮に、一度「青」のボタンを押して「青」の状態にてしいる時に、もう一度「青」のボタンを押したら
(A) 何も反応しない
(B) チャイムが鳴ってLEDが点滅する
のどちらがご希望ですか?
「青」でも「赤」でも同様ですが、下階にはLED表示がありませんので、「ボタンを押したかな?」と不安になった場合にまたボタンを押して、その時にチャイムなどが反応したほうが良いのか、何も反応しないのが良いのかを選んでください。
もちろん、下階にもLED表示があれば「押したかな?」という風な不安も間違いも無いですが、今回のご希望では下階にはスイッチしか無いようですし。
下階のスイッチをプッシュスイッチではなくトグルスイッチにすれば、レバーの倒れている方向でどちらのモードになっているかは一目瞭然で間違いは無いと思いますが、プッシュスイッチでしかもLED表示無しだときっと押し忘れによる間違いが発生しますよ。
お返事 2010/9/28
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投稿 |
お返事にご提案をありがとうございます。妻と共に喜んでおります。
(1)について、2色LEDはカソードコモン VF:2.0V(赤),3.4V(青)@20mAです。
(2)について、トグルスイッチに変更とスイッチ横に確認用2色LEDと2階の表示用2色LEDは3箇所に変更でスピーカーのボリュームも追加でお願い致します。
2階の表示LEDは部屋の3方に置けたらと思い、構想はベット上部の棚に「本体基盤+スピーカー+表示用2色LED」、本機を中心に左右2.5m離れたところに表示用2色LEDを1個づつ配置。
スピーカーは手持ちの電子メロディーによく使われている、インピーダンス:8Ω 入力:1W 音圧レベル:90±3dB/0.1W 共振周波数:520Hz±20%@1.0V 周波数レンジ:f0Hz〜20KHz サイズ:直径約28mm×厚さ約6.3mmを予定してます。
他のご提案ございましたら是非教えてください。
ご検討をよろしくお願い致します。
グルメ 様
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お返事 |
トグルスイッチを選ばれたことで、ラッチ回路が必要なくなるので少し部品が減ります。
スピーカーのボリュームは最初から入ったものですのでご安心ください。
LEDも数箇所に置けるようにします。
これは実際の製作には関係無いかもしれませんが、業界では介護や障害者向けの装置では2色LEDはあまり使わないことにしています。
信号機を見ていただければわかると思いますが、信号機も1灯で2色(青/赤)や3色(青/黄/赤)に色が変わるものでも信号色を表示するという目的においては問題はありません。
でも、色弱や色盲、視力の弱い方には1灯では何色になっているのかよくわかりません。また街路の明かりにまぎれてそれが信号なのか他の照明や広告看板の光りなのかも区別がつきにくくなります。
ですから、誰が見ても「ランプが複数並んだ表示灯で信号機である形状を認識でき、光っている位置でも表示状態を認識できる」というのが信号機などを単に色が変わる灯火ではなく、意味の違う別々の灯火がその意味を持つ時に点灯するという風に作る理由です。
交通信号機以外でも工場の機械の状態表示ランプや警報ランプ、オーディオ機器などのパイロットランプでも単に色が変わるものよりは個別に意味のあるランプを別々に並べることのほうが多いですね。
もちろん2色や3色に色が変わるタイプの表示ランプやスイッチも世の中には多くあり、そういうタイプはどちらかというと一個だけ単体で使うのではなく、制御盤などで同一種の操作で対象機器が多く数多くのスイッチを並べていてそのうちどれがONなのかOFFなのかや、全部が同じ色(緑とか)で点灯していたら正常で中にぽつんと色が違う(赤とか)のがあったらそれは異常を表しているとひと目でわかるようなスイッチ/ランプ配置にする場合などに多く使われます。
ポータブル機器で1つのLEDで「充電中は赤」「充電完了すると緑」というランプをよく見ますが、実は色盲に多いとされている「赤緑色盲」の方には赤なのか緑なのかが判別できないために不評だったりもします。
今回のご希望では介護を受けていらっしゃるご家族の方の目も悪くはなく、青・赤の色を容易に識別できるようなので依頼者の方のご家庭内では2色LEDでも良いとは思いますが、もし他の方が介護や障害者の方用の装置を作られる場合には2色LEDよりは別々のLEDを並べて、パッと見た目でどちらの表示が点いているのかわかったほうがより安全・親切ですよ。
少し余談にそれてしまいましたが、回路図ができあがりましたら掲載します。しばらくお待ちください。
お返事 2010/9/29
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投稿 |
ご親切に表示ランプの説明をありがとうございます。信号も医療機器のランプも個別にありました。
身内の介護で色盲や弱視は今は気になりませんでしたが、2色表示より個別表示なら「在宅」「不在」ラベルも張れますし確かに見やすいと思いました。
気ずかぬ所をご指摘いただいて嬉しいです。「在宅」「不在」別々に2個のLEDを使う仕様に変更させてください。
よろしくお願いいたします。
グルメ 様
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お返事 |
「カソードコモン」用に回路図は書きますので、カソードコモンタイプの2色LEDを使われるか、2色別々にLEDをつけるかは製作者様の工作次第です。
使う場所や見易さを考えて、適宜どちらにするかはご自由にお決めください。
今週末は非常に多忙なので、回路図を書いたりするのは来週になります。しばらくお待ちください。
お返事 2010/10/1
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投稿 10/5 |
こんにちは。毎回お忙しい所ご親切に対応して頂きまして感謝しております。
知人も同じような環境なので2組作る定です。
グルメ 様
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お返事 |
10月より多忙でたいへんお待たせいたしました。
こちらの回路図になります。
▼クリックすると拡大表示
※ IEなどではクリックしても縮小表示されます。拡大操作をしてください
● スイッチ入力の判定・変化検出回路
一階に置いたスイッチからの入力は、D1,D2,R5の保護回路を通ってR6,C5でチャタリング除去をした後にIC1 74HC86でデジタル信号に整形します。
整形されたデジタル信号は後に赤[不在]か青[在宅]を選択する信号として使用するほか、スイッチ状態変化検出回路で「スイッチが切り替えられた」ことを検知します。この切り替えられたことを検知した信号(パルス)はランプの点滅を開始する信号と告知音を鳴らす信号として使用します。
● 点滅用クロック発振回路
ランプの点滅スピードを決定する発振回路です。
おなじみのタイマーIC 555を使用します。
点滅スピードはVR1で調節できます。
クロック発振の様子はLED1で確認できます。
但し、クロック発振は「点滅中」しか発振しないようにしているので、点滅が終わってランプが点灯しっぱなしになる期間にはLED1は消灯します。LED1を見てクロック発振回路が動作しているかどうかや点滅速度を調節するのは必ずスイッチが押されてランプが点滅している期間にしてください。
ここでクロック発振を点滅中以外の期間は停止させておかないと、発振しっぱなしだとスイッチを操作されて点滅期間に入ったときの最初の一回が点滅の途中になるため、最初の一回の点滅時間が毎回全く違ってしまいます。ほとんど点滅に見えずにパッと2回目に進んでしまうかもしれません、それではあまりに不格好です。
厳密には555の発振は停止状態から開始した場合は最初の一回だけほんの少し長くなるので、とてもとても厳密に発振時間を見たい・使いたいという方には不向きな回路ですが、今回の用途のようにランプを点滅させるためなら最初の一回は色が切り替わった瞬間なのでわずかな時間の違いには気づかない程度でしょう。(更に言えば音が鳴ってはじめてランプを見るくらいで、最初の瞬間は装置を見ていない事のほうが多いでしょうから・・・)
● 点滅回数制御回路
赤[不在]や青[在宅]のランプを任意の回数点滅させ、点滅が終わったら点灯しっぱなしにするための回路です。
IC2 74HC4017でクロックパルスの回数をカウント/デコードします。
その出力のうち任意の回数の出力を選んで赤[不在]と青[在宅]でそれぞれ何回で止めるのかを制御します。
回路図ではご希望の赤[不在]は3回と青[在宅]は4回としていますが、別の回数でも、赤・青共に同じ回数に接続してもかまいません。
赤[不在]または青[在宅]が選択された回数に達したときにカウンターとクロック発振回路を停止状態にします。また停止状態になるとランプも点灯しっぱなしとする信号を出します。
一度停止状態になると、スイッチを操作してリセットパルスが発生するまではそのままです。
リセットされるとカウントはまた0から開始され、指定の停止カウントまで回ります。
● 赤・青点灯制御回路
実際にどちらの色のランプを点灯させるのか、点滅なのか点灯しっぱなしなのかなどの状態制御をする回路です。
文章で説明するのは面倒なので、回路図中の制御ロジックの注釈をご覧ください。
● LEDドライバ
今回はLEDを複数・別々の場所で点灯させたいとの事ですので、トランジスタを使って100mA程度までなら流せるLEDドライバとしています。LED2〜5個程度まで点灯できます。
● 飛行機のような「ポーン♪」サウンド発生回路
手持ちの部品・安価に入手可能な部品で完全にあの音を再現するのは難しいため、「完璧なあの音」の再現は断念しました。
もっと色々と部品を増やしたり、製造終了品でいつ入手不可能になるかわからないあるICなどを使えば完璧な再現ができるのですが、それだといつかは作れなくなったり部品数が増えて制作費や手間が多くなるので、今回はある程度似た音で「ただのデジタル音のような機械的な音では無くちょっとだけエレガントな感じがする音」でご容赦ください。
飛行機の中に忍び込んで「あの音」の回路にアクセスすることはできませんので、今までに聞いたもの(の記憶)や、映画などで使用されている効果音から調べると「あの音」は約500Hzのサイン波(正弦波)で、減衰エンベロープは約1秒の三角波です。
航空機製造会社による違いか、効果音製作元の作者の違いかによって10Hz程度のズレはあります。
サイン波(正弦波)なのでとても耳あたりがよく、綺麗な音に聞こえます。
減衰は三角波でスーっと消えてゆく感じです。
実際に聞くと少しビブラートがかかったようにも聞こえますので、この手の音に厚みとエレガント感を与えるためにほんの少し周波数のズレた音を加えて和音にしているのかもしれません。
(いや、そう聞こえるだけで本当は単音だけかも・・・)
そこでパソコンで「あの音」だと思われる音声信号を製作してみました。
500HzのSIN波にゆらぎ用に50Hzを合成しています。
で、この音がズバリ出る回路を作ればいいのですが、先述のように面倒なのでそれなりに似た音の出る回路です。
ツインT型の一石発進回路で綺麗なSIN波形を発振させます。
そのままでは振幅が小さいので一石アンプで増幅して後で使いやすいくらいの信号レベルにします。
発振周波数(音程)はVR2で調節できます。
それをTr2 2SC1815でミュートしてやって「ポーン♪」という減衰に近い形にしてやるわけで、その減衰のための三角波はオペアンプ LM358の「ノコギリ波回路」で生成します。
残響(鳴っている)時間はVR3で調節できます。
スイッチが切り替えられたことを検知したパルス信号でミュートが解除され、そのパルスは一瞬で消えるのでそこからノコギリ波としてエンベロープ波形が生成されます。音はエンベロープ信号の電圧が上がると小さくなります。(但しTr2のベース電圧0.6V付近での変化)
部品数を少なくしているので、「ポーン」の「ポ」の部分が少し長く続き、最後にスーっと消えるような感じに聞こえます。
矩形波の固い感じのデジタル音ではなくSIN波で、消え方も「ブー」とブツッと消えるのではなくスーっと消えてゆくので一応は・・・それなりに・・・柔らかい感じの音は出るのですが、完全に飛行機の「あの音」を期待されるのでしたらもっと別の回路で作られたほうがいいですね。
● 音声出力アンプ
おなじみの音声アンプIC LM386Nを使用してスピーカーを鳴らします。
今回の回路では供給される電源電圧が12Vですので、アンプの電源はそこから取ってより大きな音まで歪まずに鳴らすことができるようにしましょう。
音量はVR4で調節できます。
C17 1000μFは必ずLM386の電源ピンのそばに付けてください。
● 電源回路
ロジック部は5Vで動作させますので、供給される12Vから三端子レギュレータで5Vを作ります。
● 組み立てと調節
赤[不在]と青[在宅]で点滅回数を別々にしたいや、飛行機の「あの音」のような音がご希望など、それぞれのご希望を叶えるためにかなり部品数が増えています。
製作にはじゅうぶん注意して、配線ミスなどが無いようにしてください。
組み立てて電源を入れると、「ポーン♪」という音と共にランプが点滅します。
点滅するランプはスイッチで選択している側の色で、回数は電源を入れた時にはリセットしていないので不定(10回以内)です。ただ、往々にして74HC4017は電源投入時にはリセット状態になるようで、設定している回数点滅すると止まるようです。
スイッチを切り替えるとLED2(変化確認)が一瞬だけ点灯します。
それと同時にランプが指定の回数点滅し、その後に点灯に変わります。
ランプが点滅している間はLED1(CLOCK確認)も点滅しています。
もしランプが点滅しない場合はクロック発振は行われているかや、制御回路周辺の配線ミスが無いか確かめてください。
クロック表示が指定の回数点滅して消えるのに赤・青のランプが点滅しない場合は点灯制御回路からLEDドライバ、そしてLEDまわりの回路を確認してください。
スイッチを切り替えてLED2(変化確認)が一瞬だけ点灯したら、「ポーン♪」とサウンドが鳴ります。
もし鳴らなかったら、音声関係のどこがが間違っています。
たとえば、Tr2のコレクタ配線を切り離せば、ミュートはかかりませんのでずっとスピーカーから「ポー」という感じで発振音が鳴りっぱなしになります。
Tr2のコレクタ配線を切っても音が出ない場合はSIN波発振回路や増幅回路、音声アンプのどこかを間違っています。
コレクタ配線を切ったらスピーカーから音が出て、でもスイッチ操作では「ポーン♪」と鳴らない場合はオペアンプまわりの配線ミスです。
正常に動作したなら、各VRを調節してご自分のお好みの点滅速度や音にして完成させてください。
お返事 2010/11/20
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投稿 |
介護在宅表示回路を作っていただきまして、誠にありがとうございます。ポーンの音が再現できそうでとても嬉しいです。点滅回数を任意に設定できるようにしていただいたり、ご経験から使い勝手が便利になるよう考えていただいたり、きめ細やかな説明などお気使いに感謝いたします。
回路の複雑さに圧倒しておりますが、部品をリストアップして一つ一つ解読しながら制作準備を進めている最中です。
早く作り上げてご報告したい気持ちでいっぱいです。
制作中に分からない所が出てくるかと思いますので、またその時は教えてください。よろしくお願いいたします。
グルメ 様
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お返事 |
ご希望が色々と細かいので、それを実現するにはそれなりに部品数も多く、組み立ても手間がかかるものとなっています。
まぁ、ゆっくり、じっくりと作ればちゃんと完成するはずですから、慌てずによく確認しながら作業を進めてください。
お返事 2010/12/15
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雨降り警報ブザー
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いつも親切丁寧な解説で勉強させていただいております。
最近は突然の雨などがあり、窓からの吹込みで困ったことが数回ありました。そこで100円ショップで売られている窓の防犯センサー(磁石が離れると警告音が発せられる)を改造して雨センサーにできないかな?と考えておりますが簡単に改造できる方法はないでしょうか。条件としては、
○雨のあたるセンサ部分はアルミ箔2枚を両面テープで防犯センサ本体に付ける。
○音量を変えられる。
○防犯センサに付いているボタン電池3個を電源とする。
○できれば待機状態が半年くらいもってほしい。
防犯センサはいろんな種類が出ていますが、特に指定はありません。(こちらが同じものを探します。)
お手数ですがよろしくお願いします。
tenten 様
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お返事 |
防犯警報機は、100円ショップダイソーで売られている写真のものを使用します。
色は白や写真のベージュ、ほかもあるかもしれませんが中の基板・回路が同じなら使用できます。
基板パターンと配線は下記のとおりです。
他の製品で内部の回路が違う場合がありますが、今回の回路はこのブザーの回路にあわせて設計しています。
「自分が買った製品は中身が違い、動きませんでした。どうしたらいいですか?」というご質問にはお答えしませんので予めご了承ください。
本文中で動作原理は説明しています、別の回路のブザーの場合はその回路を解析され、ご自分でどうしたらいいのかお考えください。
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100円ショップで売られている「窓用防犯ブザー」は種類はあっても動作する原理は同じで、ブザーを鳴ら発振回路(モールドされたICの中に入っています)を動かす/動かさないを「リードスイッチ」という磁力スイッチでコントロールします。
直径3mm程度のガラス管に入ったリードスイッチが基板にとりつけられている物(今回の製品はそう)や、リードスイッチの中の金属接点だけがむき出しで基板にとりつけられているものもあるようです。見た目・形は変わっても働きは同じです。
リードスイッチは磁力を与えると中の金属接点がくっついて電気を流します。磁力が無いと接点は離れていて電気は流れません。
窓用防犯ブザーでは窓が閉まっていると本体に窓枠にとりつけた磁石が近づいてリードスイッチがONになった状態ではブザーは鳴りません。窓が開いて磁石が離れるとリードスイッチがOFFになってブザーが鳴ります。
という事で、窓用防犯ブザーを雨降りで動作させるには、リードスイッチのかわりに「晴れていたらON」「雨が降ったらOFF」というスイッチ回路をつなげば良いことになります。
晴れているか雨が降っているかを感知するには、ふつうは「雨降りセンサー」というセンサーを作ります。
板に金属のパターンを張ったもので、晴れている時には2つの金属パターンは離れていているので電気を通さず、雨が降ると2つの金属パターンの間に雨つぶがくっつくと水は導体なのでパターン間に電気が流れるようになります。電気が流れるとはいってもそのままスイッチにできるようなものではなく、「水の抵抗値」で制限された微弱な電気が流れる程度です。
ですから、「雨降りセンサー」だけでは他の物や回路をON/OFFすることは難しいので、ふつうはトランジスタなどを使ってスイッチングを行います。
今書いたように、「晴れ=OFF」「雨=ON」なので、今回の警報ブザーのリードスイッチを動作させるための「晴れ=ON」「雨=OFF」というスイッチ動作とは逆ですから、それを反転させる必要もあります。
また、トランジスタを使った回路では通常はバイアス電流が常にある程度は流れているので、待機中もある程度は電池を消耗します。
「ボタン電池で半年は動作させたい」との事なので、元の警報ブザー回路同様に雨振りセンサー回路も待機中は電力を消費しないようにするためには普通のトランジスタ回路ではだめで、状態が変化する時以外には電流を消費しないFETを使用した回路をつかうことにします。
▼クリックすると拡大表示
使用する警報ブザー基板は、上の回路図のように「リードスイッチの片側がGNDに接続されているタイプ」です。Vcc側に接続されているタイプや、ICの中で中立な回路に接続されている方式ではこの回路図の通りに作っても動作しません。
● 音量調節
500KΩの半固定抵抗またはボリュームを圧電ブザーと直列に接続します。
ブザーが圧電ブザーなのでこのような高い抵抗値の抵抗を直列に入れることで音量調節ができます。
普通の4〜32Ω程度のマグネチックスピーカーを使用したブザーやラジオのようなオーディオ用スピーカー回路では抵抗を直列に入れる方法はとりません。
この方法ではボリュームを絞っても音量は0(無音)にはなりません、小さな音は聞こえます。
あくまで「警報」装置なので、警報音を出なくするのは意味がありませんから、音量調節では最低でも警報音が聞こえるようにしておきます。
鳴らしたくない時には電源スイッチを切ってください。
● 雨降りセンサー回路
雨降りを感知するセンサーボードの抵抗値の変化「晴れ=OFF」「雨=水の抵抗値ぶんの抵抗」によって、警報部ザーのON/OFFをするために高感度なFETでスイッチングします。
晴れているとFETのG(ゲート)端子は5〜10MΩ(値は適宜選んでください)の抵抗を通じてVccの電圧がかかっています。
その状態ではFETのD-S間はON状態となり、そこをリードスイッチに接続しておけば「晴れ=ON」となってブザーは鳴りません。
尚、FETのG-Sには電圧変化時以外には電流は流れませんので、ふだんの待機中には5〜10MΩの抵抗にはまったく電流が流れず、雨降りセンサー部では電力を消費することはありません。
雨が降ってセンサーボードに雨つぶがつくと、センサーボードは雨つぶの抵抗値(5〜10MΩよりずっと小さな抵抗値)で導通するのでVccから5〜10MΩを通って来た電流はGNDに流れてしまいます。従ってFETのG(ゲート)端子には電圧がかからなくなり、FETのD-S間はOFF状態となり「雨=OFF」で警報ブザーが鳴ります。
センサーボードに水滴がつくとその抵抗値+5〜10MΩの抵抗を経由して電流が流れますが、5〜10MΩという大きな抵抗値経由するので実際の電流値はごくわずかでかす。
それより、水滴がついて警報ブザーが鳴っているときのブザーの消費電流はかなりのもので、それと比べればこちらは全く電流を消費していないと言ってもいいくらいです。
● 元の「窓用」スイッチとの共用でもっと便利に!
依頼者様のご希望ではこの装置を窓の内側に置いておいて、「雨が降り込んだら」警報ブザーが鳴るようにお考えなので、特にこの応用をしなくても良いのですが、普通の雨降りセンサーのように「センサーボードを窓の外に出して、雨の降りはじめ程度で感知してお知らせする」という用途で使った場合には、「雨が降り込んだら」というのを知りたいなら「窓を閉めていれば警報を鳴らす意味が無い」ことになり、センサーボードを窓の外に出した状態でスイッチを入れてあれば窓を閉めていて雨風か吹き込む心配も無いのに雨が降ると警報が鳴ってうるさい!だけとなってしまいます。
窓を閉めるたびにスイッチを切るのではあまりに面倒で、窓を開けたのにスイッチを入れ忘れていて雨が降り込んだのに警報が鳴らなかった!という失敗も考えられます。
そこで、「センサーボードは窓の外の設置して雨の降り出しを素早く検知する!」「窓を開けている時だけ自動で雨降り警報を出す!」という感じの素早くかつ間違いの無い警報装置にする方法をご紹介しましょう。
今回の雨降りセンサー回路は「窓を開けたかどうか」を判定するリードスイッチの働きにそのまま互換性を持たせてあります。
ですから、(磁石を使わなければOFFなので)元のリードスイッチを取り外す必要はありませんし、リードスイッチは元のままの状態で「雨降りセンサー回路」も並列につないだ警報ブザーとマグネットを窓にとりつけて窓を開けたら警報が鳴る時と同じようにセッティングしておけば、「窓を開けてリードスイッチがOFF」かつ「雨が降ってFETがOFF」の両方の条件が成り立ったときにだけ警報ブザーが鳴る「窓が閉まっている時に雨が降っても警報ブザーは鳴らない」便利機能つきの雨降りお知らせブザーになります。
その場合は雨降りを検知するセンサーボードは警報ブザー本体から少しケーブルで離して窓の外側にとりつけることになりますが、この時に5〜10MΩの抵抗が大きいと静電気や外来電気ノイズで誤作動する可能性もありますので、もし誤作動するなら1〜5MΩ程度の間で誤作動しない抵抗値を探してみてください。
実はこの「窓用防犯ブザー流用・雨降りお知らせブザー」は雨が振り出したらお洗濯ものを取り入れるように知らせるブザー用途などで、電子工作マガジンの100円ショップ改造大作戦!向けの記事用に暖めていたネタです。
これで紙面での発表は無くなってしまいましたので、また何か別のネタを探すことにしましょう(^^;
お返事 2010/9/27
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投稿 |
ありがとうございました。
これでしたら部品全てケースに収まりそうです。200円くらいでとても便利なものが出来上がるのでとてもうれしいです。
スイッチをもう一個追加して雨ブザーと防犯ブザーを切り替えることも可能ですね。
電源が常にONでよければ電源スイッチ部をパターンカット等して雨ブザー、防犯ブザー切り替えスイッチにしても良いですね。
PS:ネタを一足先に公開してしまい申し訳ありませんでした。
身を削っていただいたことに感謝です。(記事にしていただいても全く問題ありません。)
tenten 様
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お返事 |
どう動いているのかの「しくみ」がわかれば他の用途などにも応用が利くと思いますので、それぞれ改良を加えて面白い使い方を考えてください。
書籍には一度ネットで公開した回路などは寄稿しない事(自分ルール)にしていますので、このネタはもうボツです(^^;
同じ内容の物で原稿を書くよう出版社の方から依頼されればそれはそういうお仕事なので別ですが、既にネットで発表してしまったものをやるとそれに対して色々と良く思わない人から文句が来るので、自分でネタを考えて編集さんと煮詰めて何を発表するかの場合こちらから出すものは未発表のもののみと決めています。
出版社のほうからは「既存(公開済)の物でもいいですが、できれば未発表のほうが良い」とも言われていますし。
書籍で公開すれば広く流通に乗り書籍を買った人が読んでそのうちの何人かは作ってくれるでしょうし、ネットで公開すれば検索などで目的のものを探している人の目に止まりやすいメリットもありますし、どちらで公開しても誰かが使ってくれるならそれでよいのです。
書籍だとそれなりの原稿料が頂けますが、ネット公開だと物理的には何も得られないかもしれません。それでもネットで質問に答えているのは、質問者様が「役に立った」と返信してくださればそれで満足しているからです。
お返事 2010/9/28
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GND電位差のある物を単一GNDの計測器で計る?
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GNDを分離する入力回路
データロガーを購入したいと考えております。A&Dに安くて都合の良いものがあったのですが、入力の2回路ともGNDが共通になっています。当方の計測対象物はGNDに電位差があり、共通化できません。こういった場合、何か回路を前段に付加することで、2チャンネル間のGNDを分離できませんでしょうか。
かず 様
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お返事 |
普通は、オシロでもデータロガーでも複数チャンネル対応でも測定GNDは1つですよね。
「計測対象物はGNDに電位差があり」という事ですが、どう電位差があるのかがわからないと全く対応できません。
いや、湯水のように設備とお金をかけて対応する方法をとれば、どんな事態になっていても対応はできるのでしょうが、ここで質問をされるという事は回路を作るとして予算は数百円程度の簡易なものでできないか?、というもくろみですよね?
そのGND電位差が起きる原因は何でしょうか?
(1) 全く別々の機器を測定しようとしたところ、機器間にGND電位差があって、GNDをつないでしまうとショートや壊れてしまう。
(2) 1つの機器・回路内だが、GND電流の影響で2点間のGND同士に電位差が生じている。
(3) その他、なにか信じられないような原因がある。
このうちのどれか、またもっと別の原因なのか、それくらいはお教えください。
それと、測定したい電圧は何Vなのでしょうか?
最大電圧(レンジ)とか、交流なのか直流なのか、そういう物もわからないとどういう物で対応できるのか意見も何も出しようがありません。
いきなりAC 6600Vとか言わないでくださいね。
電柱の上では確かに電柱ごとや変電所ごとにGNDはかなり差が出るでしょうが・・・、そのへんの電子部品屋さんで売っている部品ではとても対処できませんから(^^;
お返事 2010/9/22
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投稿 |
説明不足で申し訳ありません。
測定したい回路
具体例:太陽光発電用のチャージコントローラーの入力電圧と出力電圧を同時に測定したい。
現象:GND間には数百mVの電位差がある。これを直結するとチャージコントローラーは動作しない。恐らく、内部回路に電流計測用のシャント抵抗がGNDに接続されている。
他の回路であれば、例えばR1,R2,R3が直列に接続された回路で、R1とR3の電圧を同時に測定したい場合、GND共通では計れないと思います。
測定電圧:0-20V以内です。
データロガーはT&DのVR-71を考えております。(抜群のC/P)
アイソレーションアンプなるものを挿入すれば、計測できるようですが、簡単に製作できるものが無いか、ご教示頂ければと思います。
かず 様
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お返事 |
なるほど、「測定したい場所の片方のマイナス側がGNDでは無い」のでアイソレーションアンプが欲しいわけですね。
アイソレーションアンプとは、アイソレーション(絶縁)されたアンプという事で、入力側と出力側が電気的には接続されていない増幅回路です。
右図のように、アンプ装置の中で入力側の回路と出力側の回路がトランス等で完全に絶縁されていて、電源は出力側からスイッチング電源などで入力側を駆動するよう絶縁されていて、信号は入力側でパルス幅変調や周波数変調などをしたパルス信号に置き換えてパルストランスで絶縁して伝え、それを出力側で復調して電圧信号に置き換えるというかなり複雑な回路を組み込んだ装置になっています。
この図・方式は一例で、メーカーや製品によって様々な回路方式が採用されています。
普通はそういう完成装置か、基板組み込み用のモジュール、または小型化してIC化されたものを使用するのですが、それなりの中身なのでお値段が相当なものになります。
さて今回のご希望のように、1つの装置の中で「ある部品にかかる局所電圧を測りたい」という場合、そんなご大層な装置や高いICを使わなくても、いつも使っている1個100円以下のオペアンプICと抵抗数個だけで済んでしまいます。
つい数日前も回路図の中に出てきたオペアンプによる差動増幅回路(引き算回路)がそれです。
差動増幅回路にはV1とV2の2つの電圧入力があり、出力電圧はVo=(Rb/Ra)(V2-V1)で求められます。
ここでRa=Rbとすると増幅率は1倍となり、出力は入力V2とV1の差そのものとなり、回路中の任意の点の電圧をそれぞれV1とV2に与えてやれば任意の2点間の電圧をGNDからの電圧てして出力することができます。
オーディオやビデオ回路用途ではグランドループ問題などで信号GNDの電位差ノイズを取り除くために差動アンプを使用する回路のことを「アイソレーションアンプ」と呼んでいる場合もあるようですが・・・。普通はこの回路のことは差動増幅回路・差動アンプ(ディファレンシャルアンプ)・引き算回路などと呼び、絶縁装置であるアイソレーションアンプとは区別します。
また、入力側と出力側を本当に絶縁しなければならないような用途、たとえば入力側と出力側が数十V〜数百Vの電位差があるとか・・・そういう本格的に絶縁が必要な場合は絶対にアイソレーションアンプや絶縁装置が必要です。
差動増幅回路はあくまで入力電圧範囲が使用するオペアンプの電源電圧程度の低電圧に収まっているという事も条件になります。
>例えばR1,R2,R3が直列に接続された回路で、R1とR3の電圧を同時に測定したい場合、GND共通では計れないと思います。
このような測定を行う場合は下図のように接続すれば測れます。
R1の電圧はそのまま測定器に入力できます。
R3の電圧は差動増幅回路の入力V1とV2を図のように(引き算するのでV2側がV1より電圧が高い)接続すると、出力VoにはR3の両端電圧がGNDからの電圧として現れますから、そのまま測定器の入力につなげばR3の電圧が計測できます。
もし「R2の電圧とR3の電圧を測りたい」というのであれば、差動増幅回路を2回路作ってそれぞれの入力をR2とR3の各両端に接続してやれば測定できます。
その場合も差動増幅回路のGNDは必ず絶対GNDと接続しておかないと正常に動作しません。
テスターの測定棒の感覚で単純にV1とV2に乾電池をつなぐ・・・みたいな測定はできません。V1とV2は必ずGNDからの電圧を与える必要があり、その差を得る回路です。
通常のオペアンプの入力・出力の電圧範囲はGND〜Vcc-1.5V(単一電源使用時)です。(レールtoレールタイプを使用する場合はVccまで)
DC20Vまで測りたいのであれば、Vccは21.5V以上必要で、よく使うLM358の場合はVccの最大定格は+32V(単一電源使用時)ですからご希望の電圧範囲は測定できます。
Ra・Rbの値はあまり小さくすると被測定回路から電流が流れ込んで回路によっては動作に影響を及ぼす可能性がありますので、100KΩ以上〜1MΩ程度までで適宜設計してください。
バッテリー充電器の電圧測定であれば100KΩ以上あれば大丈夫だと思いますが、別の回路で非常にインピーダンスの高い回路の測定の場合は入力端子の前にオペアンプでボルテージフォロワ(バッファ)を1段入れて、測定回路側のインピーダンスを高くする必要もあるかと思います。(別の回路もあるので後述します)
差動増幅回路は計測用途の回路では様々な分野で使用されています。
たとえば充電器の定電流回路で電流検知用抵抗が電源供給側にある場合とか、LEDの駆動回路の電流検知抵抗がやはりGND側以外にある時とか。
今回のご希望のように、充電器で電流検知抵抗がGND側にあり、バッテリーの電圧がGNDより浮いている際のバッテリー電圧測定などには充電器の中にそういう回路として組み込まれている場合が多いですね。
電流検知用途では倍率を1倍ではなく10倍・100倍などシャント抵抗に現れる微小な電圧を増幅して測定する必要もあり、差動増幅回路の増幅率を10倍・100倍などに設定してごく小さな電圧を計測器で測れる電圧範囲まで増幅します。
うちでは写真のような数種類の倍率で電圧増幅率を選択できるようにした差動増幅器を作っていて、必要に応じてデータロガーの入力段の前に接続して充電器などの測定に使用しています。
(現物あわせでてきとーに作ったので公開できる形の回路図はありません…)
今回のかず様の目的であれば計測器で直接測れる電圧範囲なので倍率は1倍のみで問題は無いですが、ほかの用途で応用される場合はご自分の用途にあわせて倍率を設定した回路を作って活用してみてください。
今回は説明していませんが、オペアンプの差動増幅回路の一種で「インスツルメンテーションアンプ」という回路もあります。
少し部品数が増えますが、入力インピーダンスがオペアンプの入力インピーダンスと等しくなり被測定回路に影響を与えないのと、増幅率が抵抗一本で変更できるのでボリューム一個で増幅率を可変できるなど、かなり便利に使える回路です。
高性能な差動増幅回路が必要な場合には作り方を調べて活用されるとよいと思います。
お返事 2010/9/23
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この記事・お返事は役に立たなかった |
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ラジコン・給油ポンプ自動停止装置
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はじめまして。
私は半田付けがやっとできる程度の初心者で電子回路にも詳しくないのですが、ラジコン飛行機の燃料タンクに外部の電動ポンプで給油又は抜き取り作業を行う際に満タン又は空タンクになったら自動停止する装置が作りたいと思っています。
機体に水位センサーを取り付けることはスペース的に無理があるため、ポンプのモーターの電流又は電圧の変動を検知して電源を切る電子回路式にできれば、と思いメール差し上げました。
ポンプのモーターを動かす電源は12V7Ah等のバッテリーで、4リッターの燃料缶から吸い上げて機体のタンクへとチューブ(往路)を通して送り込みます。
機体のタンクが満タンになるとオーバーフローした燃料が戻り用のチューブ(復路)を流れて燃料缶に回収される配管になっています。給油時に往路のみに流れているときに対して、満タンとなり復路にも流れ出すとモーター負荷が高まり作動音も変わりますが、このとき電圧が1V程度下がり電流が80mA程度上がります。
又、燃料抜き取り時にはモーターを逆転させることで逆流させるようになっていますが、抜き取り完了しポンプが空転するとまた音が変わり電圧・電流も変動しているものと思われます。これらの変化を検知したいのですが、バッテリーの充電状態等が一日のフライトの間に変化してくるようなので一定の電圧や電流値に決めて検知する方法が取れないのではないかと思います。
そこで、給油中にセットボタンを押すことでそのときの電流値が記憶されその値に対して増大した場合に電源を切るようにしてはどうかと考えました。逆回転で抜き取りの場合も同様にセットされた電流値に対して減少した場合に電源を切る仕組みです。
モーターの正・逆回の夫々について任意にセットされた電圧又は電流値に対する増減を検知し電源を切る回路です。
完成品イメージとしては、BOXに感度調整ツマミとセットボタンのプッシュSW、セットされたと表示するLEDが付いていて12V電源入力とモーターへの出力端子があるという形です。何もわからず要望のみ並べまして大変恐縮ですが、どうぞ宜しくお願い致します。
ubebe 様
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お返事 |
給油ポンプの負荷の増減で、供給元のバッテリー電圧が変化したり消費電流が変化することをお調べになり、それで自動的にポンプを停止させる回路を思いつかれたのはなかなかすばらしい発想ですね。
・給油(正転)時は1V程度電圧が下がる(負荷が重くなる)事を検出する
・排油(逆転)時はxV程度電圧が上がる(負荷が重くなる)事を検出する
・バッテリーの消耗状態が変わっても、自動で適宜対応できる
という回路で考えましょう。
電流・電圧のどちらを調べてもよいのですが、今回はモーターが回っている時の電流値が書かれていませんでしたので電流検知回路をそのモーターに適した数値で設計できませんから、電源電圧の12Vが変化する様子を捉えて変化を検知する方法とします。
12V/7Aの鉛バッテリーで運用されている状態ならそのバッテリーの性能で、モーター負荷が変われば電圧も少し変わる(今回確認された電圧値くらいの)現象が起きるので問題はありませんが、もっと容量の大きなバッテリーを使用したり、容量の大きな安定化電源を使用した場合にはあまり電源電圧には変化が見られず、この回路では適さない場合があります。
どんな電源でもほぼ対応できるようにするにはやはり電流値の変化を捉えるのが良いですが、今回の回路はあくまで投稿内容に沿ってラジコン飛行機を屋外で飛ばされる時に、ポータブル電源として12V/7Aの鉛バッテリーをお使いになられるという用途向けの回路です。
必要なものは
・正常回転している時の電圧を「記憶」する回路
・「記憶」した電圧と「今」の電圧を比較して数値化する回路
・比較結果を「任意の設定値」と比べ、設定値を超えたら自動停止させる回路
・モーターをコントロールする回路
などになります。
それぞれはオペアンプを使用して簡単に実現可能ですから、回路の規模もそれほど大きくはなりません。
▼クリックすると拡大表示
※ IEなどではクリックしても縮小表示されます。拡大操作をしてください
● 電源回路
ポンプを動かすバッテリーから本回路の電源ももらいます。
ポンプの負荷の変動でバッテリー電圧は変化しますから、そのまま内部で比較用の電圧を作るとバッテリー電圧の変動に左右されてしまいますので、一旦三端子レギュレータで安定な5Vを作って、それで回路電源や基準電圧に使います。
● サンプルアンドホールド回路
「正常に給油/排油している状態の時の電圧」を「記憶」させる必要がありますので、アナログ電圧の記憶回路である『サンプル・アンド・ホールド回路』で任意の時点の電圧を記憶します。
使用するオペアンプはおなじみのLM358です。
LM358を5V電源で使用していますので、入力/出力できる電圧は0V〜約3.5Vになります。ですからバッテリー電圧の12Vを直接入力できませんので、R1・R2で分圧して1/5の電圧にします。入力電圧が12Vの時にはオペアンプの入力は2.4Vになります。
入力された電圧は回路図上側のオペアンプでバッファした後、バッテリー電圧の今の情報を伝える「生電圧」と、任意の時間に「記憶」させた「ホールド電圧」の2つの出力ができるようにします。
「ホールド電圧」を作るのがサンプルアンドホールド回路で、回路図の下側のオペアンプと電解コンデンサC2とSW1-1がサンプルアンドホールド回路です。
この回路ではSW1-1がONの時には回路が入力側と接続され、C1の電圧は入力電圧(生電圧)と等しくなります。
SW1-1をONにしている間は入力電圧が変化してもC1の電圧はそれにあわせて変化し、入力を読み込む「サンプリング」動作になります。
SW1-1をOFFにすると、C1は入力回路から切り離されるため入力電圧に関係なく充電された電圧を維持します。これが「ホールド」動作です。
オペアンプの入力端子は非常にインピーダンスが高く、電流が流れ込みませんので容量の大きな電解コンデンサなら一旦溜めた電気はしばらくの間は放電されず一定の電圧を保ちます。そのコンデンサ電圧をオペアンプを通して出力することで、電流を消費する回路にもコンデンサの電圧を伝えることができます。
SW1-1はONで「サンプル」、OFFで「ホールド」させるスイッチです。
● 電圧の減少/増加検出回路
バッテリー電圧がどれくらい「記憶」している電圧から変化したのか、その「差(変化量)を検出する回路」と「差は設定値を越えたのかを判別する回路」でポンプを止めるための信号を作ります。
どれだけ電圧が上がったのか/下がったのかは「生電圧」と「ホールド電圧」を引き算すればわかります。
電圧の引き算回路はオペアンプで「差動増幅回路(引き算回路)」を作ってやればよいので、オペアンプLM324を使って回路を組み立てます。「給油用回路」「排油用回路」で2つ同じような回路が必要になり、オペアンプが合計4つ必要になりますので4回路入りのLM324を使用します。別に手元にLM358が沢山あまっている方(やネット通販でLM358×5個入りなどを買われる方)ならLM324のかわりにLM358×2個でもかまいません。ただし回路図のピン番号は変わりますからご自分で読み替えてください。
今回設計した差動増幅回路では、増幅率は×5倍として入力電圧差の値を5倍にしています。
最初のサンプルアンドホールド回路の入力値を1/5にしていますので、ここで差を5倍にすれば出力される差電圧はそのまま正しい電圧(1Vなら1V)となり、テスト時の計測やこの後の「変化量の検査」ではダイレクトに電圧値を扱えるので便利です。
もちろん、変化量として投稿者様のご希望が1V程度の変化という事なので、変化量の設定値は0〜3.5V以内にしても全然かまわないという前提での話しです。
差動増幅回路で求めた電圧の変化量が「設定した値を超えた」かどうかを判定する回路はオペアンプを「コンパレータ(比較器)」として使用して判別します。
判定用の設定電圧はVR1(給油用)/VR2(排油用)でそれぞれ設定します。
0V〜約2Vの間で設定できますので、今回のご希望の用途では大丈夫でしょう。
バッテリー電圧の差がVR1/VR2で設定した電圧以上の変化になった場合、LED1(減電圧検出)・LED2(増電圧検出)を点灯させてお知らせします。
ただし、給油中に負荷が重くなって発生するバッテリー電圧の低下現象は、ポンプを止めるとバッテリー電圧は(負荷が無くなって)上がってしまうのでポンプを自動停止させると判定回路も「電圧は下がって無い」と判定を覆してしまいLED1(減電圧検出)は検知した一瞬で消灯してしまいます。
まぁ、ポンプは自動で止まりますし別に動作上の問題は無いのですが、動作テスト中などに「ノイズなどで誤作動して止まってしまったのか?」「負荷が重くなったために正常に自動停止機能が働いたのか?」の判別がつきにくいため、給油側の回路には一瞬でLED1(減電圧検出)が消えてしまわないようにフリップフロップを入れて表示を保持させています。
気持ちの問題だけなのですが・・・。
それに、どうせ74HC132の半分が余るので、無駄に無使用にしておくよりは何かに使ったほうがいいでしょ?
排油側はポンプが軽くなって自動停止したら、モーターは切られてもっと負荷は軽くなるので「軽くなった」状態は続くのでLED2(増電圧検出)は自動停止後もつきっぱなしになります。ですからフリップフロップなどは必要ありません。
● 動作制御回路
シュミットNANDゲートIC 74HC132を使用したR-Sフリップフロップで「ポンプを回す/止める」の状態を管理する回路を作ります。
電源を入れた時にはパワーオン・リセット回路が働いてフリップフロップをリセットします。出力はLになりFETをOFFにしますのでモーターは回りません。
SW1-2をONにするとSET側に切り替わり、出力はHになりFETをONにてモーターを回します。
SW1-2はSW1-1と連動(一個のスイッチ内部の別接点)ですから、見た目1つのSW1をON側に切り替えるとモーターが回りはじめると共にその時点でのバッテリー電圧を「記憶」するので、記憶動作のためSW1は必ず2〜3秒はONにしてから、OFF位置に戻してください。
ON位置のままにしておくと、自動停止機能は働かずモーターはずっと回ったままになります。
自動停止機能を使わずにポンプを動かし続ける場合にはONにしっぱなしでもよいでしょう。
また、ポンプを動かしはじめた最初のうちはモーターの動作が不安定で、ある程度給油/排油が進んだ状態を「記憶」させたい場合にも、その状態になるまでSW1をONにしたままでいて、「記憶」させたいタイミングでOFFにすればそれ以降で指定の電圧変化があった場合には自動停止します。
ご希望のプッシュスイッチ(2回路・1接点)にすると、「起動ボタン」のような押しボタンスイッチになりますが、もし10〜20秒ほど不安定な期間があるとずっと押していなければならないので、できればトグルスイッチ(2回路・1接点)などにしておいたほうが使い勝手はよいと思います。
一旦動作をONにしてしまえば、ポンプ動作中はいつでもSW1をONにして電圧の「再記憶」も可能ですから、動作中に「今の電圧を記憶させて、そこから一定変化があったら自動停止するようにしたい」場合はいつでもSW1をONにして2〜3秒後にOFFに戻してください。
● モータードライバ回路
FET 2SK2232で電源の12Vをスイッチングしてモーター(ポンプ)のON/OFFを行います。
SW2-1・SW2-2でモーターの回転方向を「正転(給油)」「逆転(排油)」の切り替えをします。
同時にSW2-3で自動停止用の信号源として「電圧減少検出回路」か「電圧増加検出回路」かのどちらを使用するかも切り替えます。
SW2は3回路・2接点スイッチを使用します。
見た目は1つのSW2で、中にはSW2-1・SW2-2・SW2-3にあたる3つの接点が入っています。
● 組み立てと調整
組み立てたら、配線間違いなどが無いかどうかを確かめてください。
まずは、ポンプはつながずに本回路のみでテストを行います。
VR1/VR2は右側いっぱい(約2V)に回しておきます。
・サンプルアンドホールド回路の確認
電源を入れ、TP1の電圧(生電圧)がバッテリー電圧の1/5であることを確認してください。
この時点ではTP2の電圧(ホールド電圧)はまだ不定です。(たぶん数mV〜数十mV)
SW1をONにするとTP2の電圧(ホールド電圧)はTP1の電圧(生電圧)と同じになります。ただし数mV程度の誤差はあります。
SW1をOFFにしても、TP2の電圧(ホールド電圧)はほとんど変化しないことを確かめてください。
ご使用になられる電解コンデンサの性能にもよりますが、数十秒程度経つとほんの少しずつ(数mV〜数十mV程度)電圧が変化する場合があります。ポンプでの給油/排油に数十分もかかるような場合は多少問題ですが、数分以内であればその程度の微小なホールド電圧変化は問題ありません。
・動作制御回路の確認
電源を入れた時にはLED1(減電圧検出)とLED4(モーター動作)が消灯していることを確認してください。
電源ON時にLED2(増電圧検出)が点灯していてもかまいません。(後で記憶操作で消えます)
SW1をONにするとLED3(記憶中)が点灯し同時にLED4(モーター動作)が点灯します。
LED1(減電圧検出)とLED2(増電圧検出)は消灯します。
SW1をOFFにするとLED3(記憶中)は消灯しますが、LED4(モーター動作)は点灯したままで、(今はつないでいませんが)ポンプは動作状態を維持します。
※ LED3は「記憶中」と表記していますが、「この回路で電圧を記憶しているという状態(つまり記憶して比較動作を行っている)」という意味ではなく、「記憶させる作業中(読み込み中)」の意です。
今はポンプを接続していませんので、バッテリー電圧に変化は起きないのでこの状態からは何も変わりません。
・電圧減少/増加検出回路の確認と、設定ボリュームの調節
電源を切って本回路にポンプをつなぎます。
SW2を「給油」側に切り替えます。
電源を入れてください。
ポンプは停止しているはずですが、勝手に回りださないか確認してください。
SW1をONにするとポンプも回りはじめます。
このとき、逆転していないかも確認してください。逆転していたらSW2の方向転換用接点まわりのミスです。(いや、ポンプを逆につなぎなおすだけでもいいですが…)
SW1を2〜3秒間ONにしてからOFFに戻してもポンプはそのまま動作を続けます。
VR1を右いっぱい(2V)に回していますので、バッテリー電圧が記憶時から2V以上下がらないと自動停止はしません。
タンクからガソリンがあふれて、ポンプの負荷が高まってバッテリー電圧が下がっても自動停止はしませんが、そうなることを確認してください。
ガソリンがあふれて逆流ホースを伝っている間に、VR1をゆっくり左に回してゆき、ある時点でLED1(減電圧検出)が点灯してポンプが停止します。
そのVR1の位置より少し左が「給油時に自動停止させるのに適した設定電圧位置」です。
余裕をみて少し左側に設定します。
満タン時のTP3の電圧をテスターで計って、VR1で決める設定電圧をそれより少し小さな値にするのでもかまいません。
今、ポンプは停止していますよね?
つぎに、SW2を「排油」側に切り替えます。
SW1をONにするとポンプが「排油」方向に回りはじめます。
このとき、逆転していないかも確認してください。逆転していたら本格的にSW2の方向転換用接点まわりのミスです。
まだVR2を右いっぱい(2V)に回していますので、バッテリー電圧が記憶時から2V以上上がらないと自動停止はしません。
タンクが空になって、ポンプの負荷が弱まってバッテリー電圧が上がっても自動停止はしませんが、そうなることを確認してください。
ポンプが空転している間に、VR2をゆっくり左に回してゆき、ある時点でLED2(増電圧検出)が点灯してポンプが停止します。
そのVR2の位置より少し左が「排油時に自動停止させるのに適した設定電圧位置」です。
余裕をみて少し左側に設定します。
空転時のTP5の電圧をテスターで計って、VR2で決める設定電圧をそれより少し小さな値にするのでもかまいません。
VR1・VR2共にあまり左に回しすぎると検知電圧が小さくなって、ほんの少しのポンプの負荷の変化でも途中で止まってしまうかもしれませんから、数回動作テストと調整を繰り返して最適な設定位置を探してみてください。
普通は上記の調節をしてしまえばバッテリー状態が変化していてもほぼ判定範囲内で正常動作はするはずですが、状況によってはバッテリーが満充電の時(現れる電圧差が小さい)と消耗している時(現れる電圧差が大きい)では設定値を多少は調節しなおさないと誤判定するかもしれません。
実際に使ってみて、バッテリーの残容量の違いで誤判定するようでしたら「満充電の際の位置」「空に近い時の位置」のようにボリュームつまみの位置にしるしをつけて運用してみてください。
実際にどのくらいの差になるのかはそのポンプとお使いになられているバッテリーの組み合わせで実験してみないと数値がわかりません。
たいていの場合、満充電で電圧変化が少ない時に調節しておけば、容量が減って電圧変化が大きくなってもうまく反応はすると思いますが、変化する量が大きい場合にはまだ正常にモーターが回っている間でも微妙なガソリン量/負荷の変化での電圧変動が、最も敏感に設定している設定値を超えてしまって途中で停止してしまうことがあるかもしれません。
その場合は設定値を変えるのではなく、給油/排油中に「再記憶」させて、より作業終了時に近い時の電圧を記憶電圧として使用すれば、動作中の不安定な変動の影響は受けにくくなります。
本回路には「緊急停止スイッチ」はつけていませんので、動作中に停止させたい場合は「電源」スイッチを切ってください。
お返事 2010/9/20
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投稿 |
お世話になります。
大変素晴らしい回路を設計いただきましてありがとうございました。早速試作の準備として実際の基板上の素子の配列・配線をまず考えたいと思います。私は電子的な知識がほとんどありませんが、詳しいご説明を読んで回路の構成・仕組みが大まかには理解できたように思います。電圧式よりも電流値検知方式の方が電源の安定度合いにかかわらず検知しやすいとのことでしたが、回路完成後に12V7Ahよりも大型の自動車用バッテリーで電圧変動幅がより小さい場合にどうなるかも試してみたいと思います。
この度はどうもありがとうございました。
ubebe 様
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お返事 |
まずはこの回路で試作・テストを行ってみてください。
バッテリーが変わった時にうまく動かない場合は、一部の変更で電流検知方式に改造できます。
その際には通常動作時のポンプモーターの消費電流がわからないと適した回路が設計できませんので、電流値も添えてお知らせください。
ほかにも、今回のように通常動作時の電圧(または電流)を記憶させる方法以外に、「突然電圧(または電流…のほうが望ましい)が変化した事を検知する」という方法もあり、この場合は給油をはじめてガソリン量が増えるうちに少しずつ負荷が変化して電圧(電流)が徐々に変化する場合の記憶したものとは「差」が大きくなって、設定電圧を小さくしてあって敏感になっている時に誤作動する確率が低くなります。
但し電圧または電流の変化量がある程度以上大きくないと正しく判定しにくいので、一長一短です。
まずは・・・この回路でうまくゆくことをお祈りしています。
お返事 2010/9/20
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NaPiOnでリレーが動かせない
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お初になります。本ページ拝見し数々の見事な回答に感嘆しております。
ご相談させて頂きたいことがありまして投稿しました。
私は電気についてほぼ素人と言っていいほどなのですが、自作にてNaPiOnの人感センサーを用いた簡易な防犯ブザーを頑張って製作中でありまして、2SC1815にてセンサーの出力でスイッチングしブザーを鳴らす回路を作成致しました。(単3×4の6Vにて。)
無事センサーに反応しブザーが鳴る物は出来たのですが、そこで更にセンサーの出力信号を用いて外部出力の接点を取り出す仕様にする為リレーを噛ませたいと思い、OMRONのG6A-274Pをダーリントンにて構成し、上記のブザー回路と並列にして(センサー出力の次のベース抵抗後ろより。)作成してみたのですが、リレーがうんともすんとも言わず・・・。電圧を計測したらリレーには2.3Vしか来ておらず。。。果たして設計がこれでいいのかすら分からなく、混乱している次第です。
回路の条件として
@ 6V
A NaPiOn使用
B リレーはOMRONのG6A-274Pを使いたい(手持ちの為)、
です。
ご教授頂けると有難いです。
ちゃんちゃん 様
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お返事 |
それは・・・・動かないと思います。
普通、何らかの信号出力でトランジスタを使用して負荷(ランプ・ブザー・リレーなど)を駆動する場合、右図のような計算式でベース抵抗Raの値を決めますよね。
トランジスタのベース抵抗は、そのトランジスタの性能・定格にあわせて計算してつけているもので、接続するトランジスタが変われば抵抗値は計算しなおしです。
仮に電源電圧Vdd=6Vとして、NaPiOnの出力端子から最大値の100μAを取り出すようにするとしちたら、Ra = (6-0.5-0.6)/100μ = 49,000となり、49KΩ以上(にじゅうぶん大きな)抵抗を使うとNaPiOnを壊さない範囲で使用できます。
※ NaPiOn等を使用する際にはベース開放時に誤作動しないようにRbが必要、但し上の計算では簡便な説明にするためRbは無い状態で計算しています。
※ NaPiOnの出力電圧がVdd-0.5Vまで降下しない場合はもう少し電流値は増えるので、抵抗値はそこまで考慮すると良い。
そして、もし仮に100μAのベース電流を2SC1815に流した時には(コレクタ電圧・電流とか温度とか色々と関係する数値はありますが、おおまかに計算して…)hfe=150としてIc=15mAが負荷に流せる電流値の最大値となり、「LEDを一個くらい」ならなんとか駆動できる程度でしか使用できません。
もし正しいベース抵抗値でブザーの駆動回路を作っているとしたら、とても小電流のブザーを一個、やっと鳴らせる程度でしょう。
そこでリレーを動かせる程度の大きな電流が流せるスイッチとして「トランジスタのダーリントン接続」まで思いつかれたのは良いことです。
でもここで問題が。
>センサー出力の次のベース抵抗後ろより
と、おかしな所からダーリントントランジスタ用のベース電流を取り出してはいませんか?
上で書いたとおり、トランジスタのベース抵抗はそこにつなぐトランジスタの定格などに応じて計算するものです。
パワーアンプの最終段、ごく一部の電源回路などではトランジスタを複数並列にしてパワーを稼ぐような使い方をしますが、その場合はそれ用に計算したベース抵抗を使いますし、並列接続するパワートランジスタは全てが性能・品質が完全に揃った物を使用し、もし性能が違うトランジスタを混ぜたりしたら流れる電流値にバラつきが生じて、コレクタ電流が一部に偏って過電流なるトランジスタを破壊します。
今回おっしゃっている「センサー出力の次のベース抵抗後ろより」ダーリントントランジスタにベース電流を取っているなら、下の回路図のようになっているはずです。
一本のベース抵抗の後ろに「シングル・トランジスタ」と「ダーリントン・トランジスタ」を並列につなぐなんて、普通は考えられない事です。ダーリントントランジスタはベース電圧が2倍も違うのでダーリントン側がうまく動作するはずはありません。
最初に作っているブザー用の回路と後で作ったリレー用の回路は全く別々のトランジスタ回路ですから、それぞれに正しい計算で値を決めたベース抵抗をとりつけ、また2つのトランジスタ回路に流れるベース電流の合計が100μAを超えないようにも計算しなければなりません。
もしそれで最初のブザー用回路のベース電流を減らさなければならなくなったら、ブザーを鳴らせるだけのコレクタ電流が取れなくなってしまうかもしれません。
最初のブザーの側もダーリントントランジスタ構成にして、ブザーにもリレーにもそれぞれじゅうぶんな電流が流せるように設計変更しますか?
実は・・・・NaPiOnの出力でトランジスタを動かしている人はめったに居ないと思います。
「微弱な電流出力でトランジスタを動かして、大きな負荷を動かす研究や勉強」にはうってつけの課題かもしれませんが、出力100μAではトランジスタを使って何かを動かすには多少無理があります。
トランジスタアンプを2段以上にするとか、ダーリントン接続で使用するとか、・・・できない事は無いのでやりたい方はべつにいいのですが。
ここでNaPiOnについておさらいをしてみましょう。
「焦電型 MPモーションセンサ ナピオン NaPiOn」は超小型で単電源・省電力・確実なセンサー反応(デジタル出力)と、人感センサー応用機器を製作するにはとてもべんりな商品です。
NaPiOnデジタル出力タイプの出力は
・検出時 → HIレベル(ただし100μA / Vout≧Vdd-0.5V)
・非検出 → オープン
になっています。
出力電流がたった100μAまでとなっているのは、内部のIC回路の出力段がその程度の電流までしか流せない仕様(デジタルHIレベルが維持できないだけで、壊れるのはもう少し先)なのですが、この仕様はNaPiOnが「C-MOS入力など、電流を必要としない入力端子をもったIC・LSIなどと接続するためのもの」である事をあらわしています。
信号がLOWの時に出力がオープンになりますから、C-MOS ICやFET入力の場合はプルダウン抵抗をとりつけないと開放ではノイズや静電気などで誤作動してしまいます。
そのためにつける「プルダウン抵抗に出力がHIの際に流れる電流が100μA以下になるような設計をしなければならない」という意味の最大定格でもあります。それ以上プルダウン抵抗に電流を取り出してしまうと、出力電圧がドロップしてデジタル信号のHI電圧を下回り、正常に動作しなくなるからですね。
ですから・・・NaPiOnには普通は正常に動作するためのプルダウン抵抗と、それで正しくデジタル信号化した出力を無電流で入力できる「C-MOS型マイコンチップ」「C-MOS ロジックIC」「FET」などを接続します。
(よくネットで公開されている回路図もそうなっているはずです…)
NaPiOnの出力で単にブザーやリレーを動かしたい場合、MOS パワー FETなどのFETを使用して負荷をスイッチングするのが一般的です。
右図の回路図でFETに2SK2961を使えば負荷は最大2A(安全を見ると1A以下)までの機器が使用できます。もし2SK2231なら最大5A、2SK2232なら最大25Aなど、べつにFETをブザー用とリレー用など複数を並べなくても、1つのFETだけで複数の負荷を一度につないでもじゅうぶんな電流を流すことができます。
※ 大電流で使用するなら放熱などの注意が必要です。
※ コイルなど誘導負荷の場合は突入電流値をよく調べて定格内で使用してください。
2SK2961を使用しても、今2SC1815でじゅうぶん鳴っているブザーと、OMRON G6A-274Pを並列につないでも全く余裕で両方動作しますね。
上の回路図では人によって負荷に何をつなぐか変わると思いますので単に「負荷」と書いていますが、コイル等の誘導負荷の場合は必ず逆起電力による障害の防止用にコイルと並列にダイオードをとりつけてください。
コイルに電流が流れなくなる時に発生する逆電圧パルスでトランジスタやFETなどが逆電圧破壊される事から守ります。
お返事 2010/9/3
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投稿 |
ご回答ありがとうございます。部品を調達中でして返事が遅くなりましたことをお詫び申し上げます。
FETの知識に疎いもので、今回ご提案の通り2SK2961を購入し図のように構成してみました。(Vdd-ドレイン間にブザーとリレーを並列に接続)
そうしたら、ブザーは鳴ったもののリレーが動作せず・・・。リレーの+-電圧を測定したら6Vは来ていたので、電流値が足りないものと判断して良いのでしょうか?
改善策として考えたのが、
@NaPiOnの出力から並列にFETを2つ繋ぎ各々に負荷を接続する。
Aプルダウン抵抗値を変える。(C1815のようなベース抵抗を決める間隔?)
なのですが・・・。無知でお恥ずかしいですが御指導戴けますと助かります。よろしくお願い致します。
ちゃんちゃん 様
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お返事 |
とても基本的な部分の質問ですみませんが、リレーはちゃんと働くかテストしてから使っていますか?
つまり、OMRONのG6A-274Pの1ピンに電源の+、16ピンに−を直接つないでリレーが「カチカチ」と音を出して動作している事は確認していますか?
そして、その+と−を間違わずにVddとFETのDに接続していますか?
G6A/G6BのDCタイプにはリレーのコイルに極性があります。+と−を逆につなぐと動作しません。
ちなみにG5VのDCタイプにはDCですがコイルに極性はありません、+と−をどちらにつないでも動作します。
「手持ちの為」とおっしゃっているので、以前何かに使われてG6Aの正しい使い方についてはご存知だとは思いますが、一応確認してください。
初心者の方がよく間違われる点に、OMRONのHPやデータシートではピン配置を「BOTTOM VIEW(底から見た図)」として書かれている点です。それをTOP VIEW(上から見た図)と勘違いしてしまうと、1ピンと16ピンはまったく逆になりますから、+と−の接続を間違ってリレーは動作しません。
ご丁寧にG6A/G6Bタイプリレーの上面にはピン配置図がプリントされていて、横にBOTTOM VIEWとはっきり書かれていますがBOTTOM VIEWの意味を知らない人は「上から見てこの図の通りに配線すれば動く」と勘違いしてコイルの極性を逆につないでしまって「リレーが動かない!」と大慌てする場合が多いです。
ICなどのピン配置は普通はTOP VIEW(上から見た図)で書かれています。
ですから配線する時も部品を置いてそれを上から見た通りにピン配置を考えて配線すればいいのですが、リレーに関してはBOTTOM VIEW(裏から見た図)でピン配置図を示すのが一般的です。
これは昔から「制御盤」などの大きな配線盤で大型の制御用や電力用のリレーを使う場合、配線は裏側から見て(裏側で)行うのが一般的なため、その際に作業がしやすいように「裏側から見た図」で示すほうが間違いが無いとされてきたためと考えられます。
(リレーでもネジ留め配線式のソケットを使う場合は裏側では無く表側から見るのでまた勝手が違うのですが・・・)
NaPiOnとFET(2SK2961)でならG6A-274P 6V (33.3mA)を10〜20個並列につないでも余裕でドライブできますから、2SC1815で鳴らせていた(小電流で鳴る)ブザーと並列でも何ら問題ではありません。
私の知る限りでは、リレーの極性を間違えている以外に動作しない原因は考えられませんので、一度リレーの配線・極性を確認してください。
お返事 2010/9/10
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投稿 |
早急なご回答ありがとうございます。
お恥ずかしいことに、仰る通り+と−の誤配線によるものでした。。。
無事ブザーとリレーを駆動させることが出来ました。
今回はとても的確な御指導ありがとうございました。勉強不足が身に染みたので、これから回路の勉強に精進して行きたいと思います。
ちゃんちゃん 様
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お返事 |
動いてなによりです。
そうやって・・・・色々トラブルを体験して知識が身についてゆくので、また何か面白いと思ったものを組み立てて遊んでみてください。
お返事 2010/9/16
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暗くなったら一定時間点灯する回路がうまく動きません
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始めまして。お盆の前から改良したいものがあって分からず困っていて悩んでいてネットで検索して見ましたら、貴殿のホームページにたどり付き内容を拝見させてもらい、数々の回答に感嘆するばかりです。私の相談内容の重複が無かったと思うのですが、もし見過ごしでしたら申し訳ありません。
現在、門柱の表札をLEDにて照明をしております。CDSの明暗センサーとタイマー(暗さによる点灯後、PIC使用で1時間単位の設定で消灯ができます)の併用です。ところが点灯と思われる時間から設定の時間で消灯してくれません。人影や、車のライト等で予定外の点灯、消灯があるようです。点灯のタイミングを調整してみたのですがうまくゆきません。積分回路、遅延回路、等使えそうな気がするのですが、なかなか理解できずまとめることができません。一定時間同じ状態が続いた(ゆっくり変化する)場合のみ動作(入・切)する回路をご教授いただければ幸いです。なお、PICを使用しないで2〜10時間位のタイマーが作れますでしょうか?もしくは、PICの使用で明暗センサー部とタイマー部を一緒にすることも可能でしょうか?
もし可能であればこちらのほうもご教授いただければ幸いです。
追)タイマー回路参照 http://www.zea.jp/audio/tim/pica_01.htm上記をACアダプター5Vで動作させています。
回路図はこちらです
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イッチャン 様
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お返事 |
先に余談から・・・。
現在お使いの回路図で、Cdsのところに50KΩという抵抗が書かれていますが、1%精密抵抗でも無い限り50KΩという抵抗は売られていないはず。E-24系列の抵抗だと51KΩですよね。
よくあるCdsを使った明るさセンサーの回路図で、そこには50KΩの半固定抵抗が使われていることが多いのですが、もしかして半固定抵抗と固定抵抗を間違われているとか?
リレーのところに謎の部品がついていますね。
2SD2076ってどんなトランジスタなんでしょう?
普通そこには逆電圧保護用にダイオードをつけるので、1S2076Aとかの書き間違いか(元のHPでは10D1ですし)、それでも図記号がショットキーバリアダイオードみたいに見えるので、1S2076A等の通常のダイオードではなくやっぱり2SD2076というまるでトランジスタのような型番のショットキーバリアダイオードがどこかで売られているのか・・・。
つけるLEDが100mA程度の消費電流なら、わざわざリレーを使わなくてもPICで制御しているトランジスタで直接点灯できるのに・・・とか。
はい。余談はここまで。
「点灯と思われる時間から設定の時間で消灯してくれません」というのは、その回路ではあたりまえに起こりうる現象だと思います。
その回路の動作をよく考えてみましょう。
● Cdsセンサー回路
Cdsとトランジスタで構成されるセンサー回路は、「明るいと電源出力OFF」「暗いと電源出力ON」という回路ですね。
そこに特に時定数回路(タイマー)は無いので、昼間に一瞬何かでセンサーが暗くなるとか、夜間に一瞬車のライトが当たるとかでも出力は変化します。
● PICによるタイマー回路
PICのプログラムで1時間単位のタイマーを構成していますが、「電源ONからxx時間だけON」(xxはスイッチで設定)というタイマーですね。
元のHPの回路図がAC電源ONで一定時間動作させるタイマーで、タイマー時間が過ぎてスイッチが切れれば、自分自身の電源も切ってしまって待機電力0にするというエコ設計のタイマーです。
そのめたに「電源が入った時に出力をON」「時間計測は電源が入った時からすぐはじめる」というプログラムになっています。
● 不具合発生?
そのタイマー用PIC回路を、Cdsによる明るさセンサーで「暗い間は点灯」「一定時間たったら消灯」という風につかわれようと組み立てられたようですが・・・・。
《もし昼間に、一瞬センサーの前を人が横切って陰になった時》
陰になった瞬間にCdsセンサー回路が働き、PICタイマーに電源が供給されます。
LEDランプが点灯します。
でも、人が通り過ぎてまた明るくなったら、その瞬間に電源が切れるのでLEDは消灯してしまいます。
もちろんPICのタイマーも電源が切れたらそれ以上は働くことはできません。
陰になった期間だけLEDが点灯してしまいますが、特段トラブルという事にはならないでしょう。
《もし夜間に、一瞬センサーに車のライトが当たってしまった時》
夜間、Cdsセンサー部が暗くて回路の電源が入り、PICタイマーも働き指定のxx時間になるまでLEDランプがONになっている期間。
なにごとも無ければそのままxx時間経過後にタイマーが切れてLEDが消灯しますね。
それか、xx時間より早く朝が来て周囲が明るくなれば、Cdsセンサー回路が電源を切ってLEDが消灯します。
でももし、Cdsセンサー部に車のライトか何かの光が一瞬でも当たったら?
センサーは「もう朝が来たのか?」と光に反応して回路の電源を切ってしまいます。
そして車のライトが通り過ぎるとまた真っ暗になり、センサーは「もう夜か?、短い昼だったな…」と回路の電源入れてまたLEDランプを点灯させます。
あれれ?
もし夜中にこのような車のライトが当たって一瞬昼間になったと勘違いするタイミングが発生した場合、PICタイマーは一度停止し、再度電源が入った瞬間からまた働きだしてそこからxx時間はLEDランプを点灯し続けようと働きます。
つまりこの回路は「夜中、家の前を車が通ったら、そこからxx時間ランプを点灯させる(時間を延長させる)回路」という珍妙なタイマー回路になっているわけですね。
それを解消するには・・・
Cdsセンサーを黒い筒に入れて、 空に向けて地上の光が入らないようにする!
というのはどうでしょうか?(^^;
雨が入らないように透明な防水のフタもして・・・。
やっぱりだめですか?
輝くUFOが真上を飛んだら誤作動しちゃいますよね・・・。
カンタンな改善方法として、Cdsに大容量の電解コンデンサを抱かせて、Cdsの抵抗値変化が急激でもトランジスタのベース電圧がすぐに変わらないようにする・・・というとても安くて安易にできる方法が考えられます。
ただ、この方法だといくらCdsセンサー回路がトランジスタ2つでシュミット回路を形成しているとはいえ、Cdsの反応が「ぼや〜」っと電圧変化してしまうため、PIC回路への出力電流も「ぼや〜」っと変化してパチッとON/OFFしなくなります。
PICの設定などにもよりますが、そういうあやふやな電圧でPICを動作させるのは誤作動の元です。
よって、2SA1015から直接PIC回路へ電源を供給していますが、2AS1015でリレーを一個動かし、そのリレーでPIC回路への電源をON/OFFするなどカッチリと電源がON/OFFできる回路に改善する必要が出てきます。
もしくは、もっとトランジスタを増やしてきっちりON/OFFするスイッチング回路を作るか・・・。
Cdsで明るさを感知して、なんとなくLED照明を点灯/消灯させるような回路ならCdsに電解コンデンサを抱かせるだけでも「一瞬の明るさ変化には反応しない」ものができますが、PIC回路などの電源を操作するにはこの回路図に部品を一個か二個足すだけではちょっと無理があります。
では、やはりまじめに「一瞬の変化では反応しない」「一定時間状態が継続した場合だけ反応する」回路を作って、Cdsセンサーの反応をタイマーが誤作動しないようにしましょう。
右図が「一瞬の変化では反応しない」「一定時間状態が継続した場合だけ反応する」回路です。
どちらの回路も一旦定常状態になってしまえば動作は同じなのですが、最初に電源を入れたときに入力(出力)がHのかLなのかで回路は2種類あります。
「規定に満たない」と判定する時間は、100KΩ×100μFで約10秒です。
その時間未満の変化では出力は変わりません。
但し、シュミットゲートの閾値の関係で、たとえばHになったと判定する電圧はまだ電源電圧と等しくは無く、それから後も電解コンデンサは電源電圧と等しくなるまで充電され続けます。
従って、閾値を超えた瞬間から逆方向に放電をはじめた場合、次にLと判定するまでの時間は完全に充電された状態から放電を開始するより短くなります。
HとLが逆の場合も同じです。
そんなにバタバタと状態が変わるような入力信号だと、一定時間継続したと判定する時間は設計値の約半分くらいになりますから注意が必要です。
何分も同じ状態が続き、時々一瞬だけ状態が切り替わってしまうような場合(今回のご希望のような)を排除するような使い方なら設計時間通りに働きます。
この時定数回路をCdsセンサー回路とPICタイマー回路の間に入れる場合、このような回路になります。(50K抵抗などは元の回路図通りにしています)
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車のライトが当たる時間が約10秒以下ならこれで対処できるはずです。
実用的なレベルを考えれば、タイマー時間はもう少し長いほうが良いと思いますので、抵抗を470KΩ程度にして保護時間を長くとったほうが良いでしょう。
さて、次の回路は今回のご相談の回路では必要はありませんが、もっと高度な判定ロジックを組み込んで、「必ず・一定の時間以上HまたはLの状態が続かないと、出力が切り替わらない回路」という強固なものです。
上記の回路でシュミットゲートの特性で、完全にコンデンサが充電・放電していない状態で入力状態が変わるとタイマー時間(判定時間)が短くなるという欠点がありました。
それを完全に取り除いて、HまたはLの状態が設定時間を越えなければ絶対に出力ほ変化させないようにした回路です。
▼クリックすると拡大表示
「Hが規定時間以上続いたか?」「Lが規定時間以上続いたか?」の判定を別々の回路で独自に行い、各回路は「継続中でなければタイマー用コンデンサは即放電」させることでタイマー時間を0にします。これで完全に「H/Lの状態が規定以上続いた場合のみ」、判定回路の出力をLにします。
判定回路の出力はその後のRS-FFに入力され、一定時間以上続いた側の状態を保持します。
RS-FFは電源ON時に出力状態が不定(何になるかわからない)なので、パワーオンリセット回路をつけています。
ここまで強固な判定回路を必要とする装置・製品というのはあまり無いと思いますが、一応回路例としてあげておきます。
そして最後に、PICを使ったタイマー回路ではこんな電子部品を追加してタイマー判定回路をつけなくても必要な機能は全部プログラムで賄ってしまえるので、ソースを書き換えてプログラムできる人なら追加部品は抵抗一本!、予算5円くらいで済みます。
PICマイコン側の電源を2SA1015でスイッチングするのではなく、+5Vに直接つないで常時供給します。
(PICの消費電流が…、とか気になるのでしたらPICのSLEEPモードも学習してください)
Cdsセンサー回路の2SA1015の出力電圧はPICの入力ポート(仮に余っているRB1)に接続します。(プルダウン抵抗の追加が必要です)
プログラムの変更は
● 初期化時、出力ポートRB3をONにしない!
元のプログラムでは電源ONで即出力もONですから、初期化してRB3もONにしています。
でも、改造版では「暗くなる」までは出力をONにはしないので、初期化時には出力はOFFにしておきます。
● 初期化後、まずは「暗くなる」のを待つ!
すぐに「スイッチの読み込み」「1時間待つ」タイマーに進むのではなく、まずはRB1の状態を読み込んで「暗くなったか?」を判定するプログラムを追加します。
ここも単純に「RB1 = Hになったら暗くなった!」と判別するのではなく、『継続判定タイマー』という変数(仮にT1)を作って、「RB1 = HならT1カウントアップ」「T1が30秒以上になったら、暗くなったと判別」「もしRB1 = Lだと明るいのでT1はリセット」というプログラムにします。
ここで「30秒以上暗い状態が続く」という状態を検知しない限り、ずっとループして暗くなるのを待ちます。
「30秒以上暗い状態が続いた!」時には、ループを抜けて「スイッチの読み込み」「1時間待つ」タイマーに進みます。
● 暗い間も「明るくなる」のを常に調べる!
元のプログラムでは「1時間」おきに規定のタイマー時間になったか判定し、規定時間なら出力をOFFにしていますが、この1時間を待つタイマー中でも「明るくなって、タイマーを中断してLEDを消灯するべき状態になっていないか?」を検査する必要があります。
RB1 = Lでないかを常に検査し、もしRB1 = Lなら「明るい」状態だと判別しますが、ここも最初に「暗い」と判定した時のように『継続判定タイマー』という概念を使用して、ある一定時間(たとえば30秒)はRB1 = Lが続いたかどうかを判別しないと、車のヘッドライトが一瞬当たっただけでも消灯してしまって、結局は最初のトラブルと同じことになってしまいます。
「明るい状態がxx秒続いた」という状態を判定したら、出力をOFFにして、プログラムは最初の「暗くなるのを待つ」ルーチンにジャンプします。
「1時間経ったか?」というタイマー処理と同時に「RB1 = Lがxx秒以上継続したか?」という処理も行わなければならないので、プログラム初心者の方にはかなり難しいかもしれません。
(割り込みを使って、上記の強固な判定回路と同じ事をバックグラウンドで処理させ、メインのタイマープログラム中ではその結果を見て単にHかLかを判別するだけ・・・という方法もありますが、複雑なので必要ならご自分で勉強してください)
PICなどで機械を動かすには、そういう平行して複数の処理をこなすようプログラムを作らなければ目的の装置ができない事は日常茶飯事といっていいようなものなので、PICのプログラムで対処される場合はそういうプログラムの流儀をぜひマスターしてください。
こちらのコーナーではPICのプログラムの具体的なコードなどはお教えしないことにしていますので、プログラムはご自分で習得・改良してください。
お返事 2010/8/22
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投稿 |
早速のご回答有難うございます。
余談のところでのご指摘申し訳ありません。ご指摘通りです。
点灯タイミングの調整後、回路図を修正していなかったので、アップ前にあわてて修正し間違えてしまいました。トランジスタは "1S2076A" が正です。年寄りのやる事とお許しください。
(自分の思いとは)誤動作の解説は理解できました。
「もし昼間に、一瞬センサーの前を人が横切って陰になった時」は無視して、「もし夜間に、一瞬センサーに車のライトが当たってしまった時」だけ考えればよいということにして、「初期状態LOW用・短時間の変化では反応しない回路」に取り組みたいと思います。早速 "74HC14" を買いに行きます。
一番魅力のある「予算5円」のPICマイコンのプログラム変更は、現在勉強中で、すぐにとはいきそうにありませんが、近い内に挑戦したいと思います。有難うございました。(8/22)
イッチャン 様
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お返事 |
たぶん、一部誤解されているように思えますが、
>「もし昼間に、一瞬センサーの前を人が横切って陰になった時」は無視して
無視する必要はありませんが・・・。
「初期状態xxx用・短時間の変化では反応しない回路」の初期状態は電源を入れた時のことですから、一度働き出してその装置の一定時間以上の安定状態になれば、LOWからHIになるのでも、HIからLOWになるのでも、どちらでも一定時間の経過を判定します。
積分回路の極性で「電源を入れた時にはLOW状態と同じ状態である回路」なのか「電源を入れた時にはHI状態と同じ状態である回路」なのかに違いがあり、電源を入れた時にセンサーがLOWなら初期状態LOWの回路、電源を入れた時にセンサーがHIなら初期状態HIの回路を使わないと、電源を入れた時にセンサーは働いていないのにこの検知回路が誤った信号を出力して、機械を誤作動させたり警報アラームを鳴らしたりと不具合が起きるでしょ?
(1つ下の一定時間センサーを無視する回路がよい例です)
今回のご相談の回路は「暗くなったらランプをつける」だけなのて、初期状態がどちらの回路を使ってもかまいません。
初期状態が回路の電源を入れる瞬間のセンサー状態と逆なら、最初のxx秒間(xx秒は設定による)だけ誤作動するたけです。
いったん定常状態になれば、後は「昼間に一瞬陰になる」場合でも「夜間に一瞬明るくなる場合」でも、どちらでも一定時間の入力変化を検知しない限りは出力は変化しません。
お返事 2010/8/26
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一定時間センサーを無視する回路
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自作の音感センサや赤外線センサなどの電源投入時に動作させない方法を教えて下さい。電源投入時にセンサ類が反応してLEDやリレーが稼働してしまうと不便なので、電源投入時にはセンサが稼働しない様にしたいのです。コンデンサなどで電源入力時の衝撃?を緩やかにしてみたりしたのですがどうにもあきません。よろしくお願いします。
Hco 様
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お返事 |
どんなセンサ(部品)やどんな回路を使われているのか一切書かれていないので、あなたがお使いのセンサ回路と合うかどうかわかりませんが、一般的な回答をご用意しました。
NaPiOn焦電型人体検出赤外線センサなど、電源を入れた際に内部が安定するまで数十秒程度出力が出っぱなしになるようなセンサーはたくさんあります。
それらを使う場合は電源を入れたときに反応・動作しても別にたいした問題では無いような機器(単に電灯が点灯するとか)で使用するか、機器側でそういう動作をしても問題が無いような保護回路を組み込みます。
(どちらかというと、ずっと電源を切らない用途の機器に使用するほうが多いですね)
電源ON時の反応を無視するなら、「無視する時間のタイマー」とAND<をとるだけで済みますから、回路もカンタンですね。br>
センサーの出力がハイアクティブなのかローアクティブなのかで論理が異なりますので、回路は2種類になります。
C・Rで構成する積分回路が充電されるまでの間、AND回路の片側はLのままなのでもう片側の入力状態がH/Lどちらでも関係なく出力はLです。
時間が経って充電され、論理がHになればもう片方の入力とANDをとった出力が得られます。74シリーズにシュミットゲートANDは無いのでシュミットゲートNANDを使用していますから、出力論理は反転します。
タイマー時間は100KΩ×100μFで約10秒です。
ご自分の必要な時間で部品定数は変えてください。
特に指定がありませんでしたので、センサーなどの回路はTTL/C-MOSレベル出力のデジタル回路としてお答えしました。
もしTTL/C-MOS仕様ではないアナログ回路などの場合は、これを参考にご自分で回路を設計してください。
お返事 2010/8/22
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投稿 |
遅れましたが素人工作で自動車の防犯ブザーを作っています。
センサは秋月の古い赤外線センサと、簡単な音感センサです。二つが時間内に稼働するとブザーが鳴る・・様にAND回路やNOT回路で作っているのですが車を去る時スイッチを入れてブザーが鳴ると恥書きますので、スイッチを入れて格好良く去っていきたかったのであります。おかげさまで有難うございます。
Hco 様
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お返事 |
その用途なら、10〜30秒程度の遅延タイマーくらいでよさそうですね。
ただ用途的に、遅延タイマーが働いて「センサーの状態が反映される状態になった」というLEDか何かがあると、車外から見て警戒が機能しているかわかっていいかもしれませんね。
電源を入れてまだタイマー中は「まだ安全」として緑色か青色LEDが点灯して、警戒に入ると赤色LEDが点滅するとか。
お返事 2010/8/26
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投稿 |
ありがとうございました。本日早速作ってみましたが、電源入れると稼働(LED点灯)してしまいます。ローアクティブ型で秋月センサ出力から555タイマーの2番ピンに繋いでいる箇所に回路を繋いでいます。最終的に555の出力からTr経由でオレンジLEDを点灯させています。
電源入れると点灯しタイマー終了後、消えた後はコンデンサ(回路中の100μ16Fを200μに変えています)に電気が充電されるまで(Cのプラス部分を電圧計で見ると2.8V位になるまで)は反応しないでいるので正常稼働しているのだと思いますが、電源投入後の動作を防げません。
繋ぐ場所が悪いのでしょうか?
Hco 様
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お返事 |
それは、タイマーIC 555の特性です。
特性というより・・・・「悪いクセ」のほうが表現は正しいですね。
たぶん、机の上で回路を組み立てて、そこでテストをされていると思います。
そして・・・電源を切ってから何分もの間を置かずにすぐに電源を入れて、その時に勝手にタイマーが動作していませんか?
(電源を切って何分も時間が経ってからだと誤作動しないはずですが・・・)
もしその症状だと、「電源を切ったつもりでも、回路内のコンデンサが放電し終わるまでは電源が供給されていて555は動作状態で、その間にトリガー端子がLOWになると内部のFFがセットされるので、その状態から電源スイッチをONにして電源を供給すると即座にタイマーが動作しはじめる」というトラブルです。
秋月のキットのままなら5V電源の電解コンデンサは10μFと小さな容量ですが、初期動作禁止回路の電解コンデンサも電源OFF時にはダイオードを通して電源に放電するしくみ(こうしないとICを壊す)なので、タイマー用電解コンデンサの容量を大きくしているならなおさら電源スイッチを切ってもまだコンデンサの電気で555の内部等が動いている時間は長くなります。
秋月のキット以外に何かを繋いでいるかとか、使っている回路がC-MOSデバイスで消費電流がほとんど無いとかまたは有るとか・・・、状況により変わりますが数十秒〜数分はコンデンサの残電圧で555まわりが動作し続けます。
秋月のキットのように555のワンショットタイマーの基本回路では、リセット端子(4)はVccにつなぎっぱなしにしておいて、特に外部から明示的にリセットをかけない回路で使用しているのも一因です。
ただ、リセット端子に外部に部品をつけて電源電圧がある程度以下になったら強制的にリセットするなどの回路(またはリセットIC等)を付け足すのも面倒です。
(555の内部にも電源ON時の自動リセット回路はありますが、完全に電源が切れないと動作しません)
そこで、こういう場合に常套手段として用いるのは「電源にブリーダー抵抗を入れる」という方法です。
電源部や電源に対して放電する構成の電解コンデンサに溜まっている電気で予定外の誤作動を起こすので、使わない時には溜まっている電気を放電させてしまえばいいのです。
具体的には、回路内の電源の+と−に1KΩ〜10KΩの抵抗を繋ぎます。電源用の電解コンデンサの+と−に繋ぐ形が見た目もそうだとわかっていいですね。
これで、電源がOFFの時に電解コンデンサを放電させて素早く0Vにします。電源OFFからだいたい数秒程度で誤作動しない電圧まで下がります。
電源電圧が5Vの場合、電源ON中は1KΩで5mA、10KΩで0.5mAほど余計に電流を消費しますが、それがバッテリーを激しく消耗するとか何か不具合が無い限りは最もカンタンで有効です。
電源にブリーダー抵抗をつけなくても原理上は数分以上電源を切っているなら電源を入れても誤作動はしないはずです。
普通に車に乗って、下車する時に装置の電源を入れるだけなら改良しなくても誤作動もなく使用できます。
でも、装置をセットしてから忘れ物か何かで車に戻り、一度電源を切って(その際には人感センサーなどが動作してしまう)、すぐにまたスイッチを入れた時には誤作動してしまうでしょうから、無対策ではなく対策は施したほうが良いでしょうね。
お返事 2010/8/30
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投稿 |
回答有難うございます。
>・・・電源を切ってから何分もの間を置かずにすぐに電源を入れて、その時に勝手にタイマーが動作していませんか?
電源OFF直後の再電源投入時は逆に遅延タイマーが正常動作しています。
つまり、電源を入れてもLEDが点灯しない状態です。
少し時間をおいて(5分位)電源投入をするとLEDが点いてしまいます。
ですのでご説明いただいた状況とは違う様な気がします。
その後、遅延回路をハイアクティブ型に変更し、555の出力とLED駆動のTrのベース抵抗との間に付けてみました所、電源投入時のLED点灯は見られず、遅延タイマーの稼働にしたがって一定時間後反応します。
素人考えですが、突入電流という物が電気に敏感なICの類に影響して繊細なトリガー信号を超越して稼働してしまうのではないでしょうか?
本来555やHC123の様なトリガー信号で稼働する動作するIC等は、電源を入れた時に発生する衝撃波(突入電流?)が影響してトリガー信号が発生しなくても出力稼働してしまうのではないでしょうか?
Hco 様
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投稿 |
・・・すいません続きです。)
因みに赤外線センサのセンサ部を取り外したり、音感センサでコンデンサマイクを付けない状態で電源投入してみるとLEDが点灯します。これは極端に言えば555等のトリガー入力に何も接続しない状態でも電源投入すれば否応なしにICが動作してしまうものなのではないでしょうか?
この突入電流?みたいな物を和らげたりICに影響させない事は出来ないのでしょうか?
素人説明で申し訳ありませんが、ご理解いただけたでしょうか。
Hco 様
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お返事 |
えーと、「秋月のキットを使用している」という話が出た時点で『遅延禁止回路は、秋月のキット(555の出力)の出力につけてください。秋月のキットは555部分まで含めて「1つのセンサー装置」ですから、その内部をいじるならオシロスコープ等で観測して確実に動作する試験を行ってくださいね。』という文章を書いて、でもどうせ普通は555の出力に繋ぐものだから、そこまで細かく指示しなくても大丈夫でしょうと削除しました。
それに、555のトリガーの入力に今回の遅延禁止回路を繋いでも、誤作動する要因は何も見当たらないので、どこにつないでも(目的に対する)結果は一緒のはずです。
最近は、細かな話を書くとそれに対して別の意見が有る方がイチャモンをつける来るようですから、面倒な話は避けたいので。
それが裏目に出ましたか?
ちなみに、秋月のキットは持っていませんが、前回のお返事を書く時点で秋月の回路図のように赤外線センサー部と555タイマー部にわけて、555のトリガー入力に電源が不安定なうちにLOW信号が入るとタイマーが働いてしまう症状は確認していますし、完全に電源を切ったら(何かLOW入力が無い限り)それは起こらない事も確認しています。
>電源OFF直後の再電源投入時は逆に遅延タイマーが正常動作しています。
>少し時間をおいて(5分位)電源投入をするとLEDが点いてしまいます。
これは、555の入力に対して何かLOW信号が入っているかオシロスコープか何かで確認された現象でしょうか。
555の入力に遅延禁止回路を繋いだ場合、コンデンサが放電されていれば電源を入れたからといって何かノイズのようなパルスは発生しません。ロジック回路の論理的にもそうですが、たとえオシロスコープを繋いで一発でも瞬間的なパルスが発生すれば計測できるモードで測定しても、何も起きないことが確認できます。
ですから、5分も経過すればコンデンサは放電されていますから、そこで電源を入れたからといっても絶対に出力信号は出せないのです。
逆に、電源切断直後にまた電源を入れた場合は、先に書きましたようにまだ555の中のFFは生きていて、かつ遅延禁止回路のコンデンサにもまだ電気が残っている状態ならセンサーの反応信号はつつ抜けですから、電源を入れた途端に反応する現象は起きます。
もしそれが逆だとすると、何かこちらで想定している回路図とは違うものを作られていませんか?
>素人考えですが、突入電流という物が電気に敏感なICの類に影響して繊細なトリガー信号を超越して稼働してしまうのではないでしょうか?
これを発生させようとしてみましたが、回路図通りに組み立てていれば、何も起きません。
秋月の回路のようなもの以外に、555というIC単体での基本機能の確認テストも行いましたが、先に私が書いた電源不安定中にトリガーを入れるような動作以外には、「555を正しく使っていれば」電源突入で勝手に動作しはじめるような事はまったく起こりませんでした。(あたりまえといえばあたりまえ・・・)
なお、秋月の人感センサーキットは「明るい間は動作させない」ようにリセット端子にCdsがついていますが、その機能は必要ないのでつけていません。抵抗・Cds・ダイオードは無しで直接Vccに接続します。
>因みに赤外線センサのセンサ部を取り外したり、音感センサでコンデンサマイクを付けない状態で電源投入してみるとLEDが点灯します。これは極端に言えば555等のトリガー入力に何も接続しない状態でも電源投入すれば否応なしにICが動作してしまうものなのではないでしょうか?
まさかとは思いますが・・・・「センサ部を取り外す」とは555の入力に繋がっている電子回路を全部外してしまってはいませんか?
555の入力端子はオープンで使用は絶対に禁止です。
必要な信号入力レベルLOW/HIを与えるか、信号入力として使用しない場合はVccまたはGNDに接続して使用しなければなりません。
たとえばトリガー入力端子に何もつながないとか、リセット端子を開放のまま使用するのは絶対にしてはいけません。
もし人感センサー回路の人感センサー部品だけ外す、マイクアンプからコンデンサマイクだけ外すなどをした場合、その回路図によっては電源ONから定常状態になるまで中の電解コンデンサなどに充電して、「安定した」という電気状態を作るまでの間は出力をONにしっぱなしにする回路もあります。
お使いの回路・部品の動作原理を理解し、そのセンサー回路がそういう「電源ONで出力を出す」仕様かどうかはよくお確かめください。
尚、そのようなセンサー回路であっても、初期禁止回路は正しくセンサー信号を電源ONから一定時間は禁止しますから、電源を入れた時に勝手に555タイマーがONになる事はありません。
それはこちらでもかなりの回数のテストを行って確認しています。
何か製作に間違いが無いかや、接続が違っていないかなどを再度確認してください。
お返事 2010/9/3
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投稿 |
ご返答有難うございます。
>555の入力に対して何かLOW信号が入っているかオシロスコープか何かで確認された現象でしょうか。
いいえ、正常動作しているというのは電源OFF直後の再電源投入ではLEDが点灯せず、一定時間後には赤外線センサに反応してLEDが点灯するので、再電源投入直後は遅延タイマーが正常動作していると思いました。
>まさかとは思いますが・・・・「センサ部を取り外す」とは555の入力に繋がっている電子回路を全部外してしまってはいませんか?
555の入力端子はオープンで使用は絶対に禁止です。
素人とは恐ろしいモノで、555の入力部分を外せば電気が通じていないのでマイナスだろうと考えていました。改めて音感センサの555入力部分にVccを繋ぐと電源投入してもLED点灯しませんでした。GNDに繋ぐと点灯しました。
しかし、ローアクティブ遅延タイマーを入力部に繋ぐと点灯してしまいます。
Hco 様
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投稿 |
・・続きです)
そして同様の実験で、赤外線センサの555では入力部がVccでもGNDでも電源投入でLEDが点いてしまいます。これは「絶対に禁止」事項を破ったために壊れてしまったのでしょうか?
赤外センサの555には、以前こちらのHPで紹介された「延長回路」やCDS等を付けています。
>尚、そのようなセンサー回路であっても、初期禁止回路は正しくセンサー信号を電源ONから一定時間は禁止しますから、電源を入れた時に勝手に555タイマーがONになる事はありません。それはこちらでもかなりの回数のテストを行って確認しています。
そうですね。後考えられる事は、センサや555には抵抗など多くのチップ部品を使っていますのでワット数の問題や漏電?迷走電流?も原因として考えられるのでしょうか?
Hco 様
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投稿 |
すいません続きになります)
同様の実験で、赤外線センサの555では入力部がVccでもGNDでも電源投入でLEDが点いてしまいます。これは「絶対に禁止」事項を破ったために壊れてしまったのでしょうか?
赤外センサの555には、以前こちらのHPで紹介された「延長回路」やCDS等を付けています。
>尚、そのようなセンサー回路であっても、初期禁止回路は正しくセンサー信号を電源ONから一定時間は禁止しますから、電源を入れた時に勝手に555タイマーがONになる事はありません。それはこちらでもかなりの回数のテストを行って確認しています。
そうですね。後考えられる事は、センサや555には抵抗など多くのチップ部品を使っていますのでワット数の問題や漏電?迷走電流?も原因として考えられるのでしょうか?
Hco 様
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お返事 |
555は壊れていないと思います。普通それくらいでは壊れませんが、使用されている555がC-MOSタイプだとそれで壊れたという可能性もありますね。
とても基礎的すぎて、質問するのも申し訳ないのですが、1つ質問させてください。
74HC132のパスコンは何をどうされていますか?
お返事 2010/9/6
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投稿 |
>74HC132のパスコンは何をどうされていますか?
最初は何も付けていなかったのですが、ICにはおまじないの様にコンデンサを付けると言うのを思い出して、VccとGNDの間に0,1μFのチップコンデンサを付けています。
Hco 様
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お返事 |
それなら安心ですね。
さて、最初の投稿の時にどのような回路で使うのか一切書かなかったり、9/6の投稿ではじめて555には「延長回路」が付いていると言い出したり・・・・。
たぶん、まだ私たちには知り得ていない秘密がたくさんあるのでしょう。
そういう事では回答しても「実はそうではなく、こうなっています」の繰り返しになり、正解にたどり着くにはまだまだ時間がかかりそうですし、本来の「センサーを一定時間禁止する」という回路から話が外れましたので、この話題はこれにて終了とさせていただきます。
お返事 2010/9/8
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車・モトイージー風回路を半導体化
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2008年後半のログに「バイクの前照灯をエンジンON中だけ点灯する回路」を発見しました。投稿者の希望から数種類の回路図がUPされていますが、この中でモトイージー風回路を自作しようと考えていますがリレー2個ををFETに置き換えられないでしょうか?またD1、D2のダイオードはD3と同じダイオードでOKですか?
電気初心者 様
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お返事 |
リレーを2個ともFETに置き換えたいですか?
ライトをON/OFFしているリレー1はそれ自体で自己保持回路を構成しているので、単にFET一個と置き換えるのは無理(別途トランジスタが必要)ですし、エンジンOFF時に回路を切るために使用しているリレー2はわざわざFETに置き換えなくても普通の安いトランジスタでいいのですが・・・。
リレーを使っているからこそ少ない部品で構成できているのですが、半導体にすると部品数がやたらと増えますよ。それでもいいのですか?
▼クリックすると拡大表示
これくらいです。
どう見てもリレーを2個使ったほうがカンタンに作れて、信頼度も高いと思うのですが、どうしても半導体で作りたいとおっしゃるならどうぞこういう回路でおつくりください
尚、オルタネータから取っているエンジン回転中電圧信号は、あくまでレギュレータ/レクチファイアが正常に動作するものとして、絶対に15V程度の限界以上の高電圧パルスは来ないものとしています。
もしレギュレータ/レクチファイアが故障する、または元々ちゃんとした働きになっていない等で、ジェネレータコイルが発する高電圧パルスがこの回路にかかるとトランジスタ2が破壊されますのでお気をつけください。
あくまで正常動作するバイクで使用される前提で、回路図では安全部品は省略しています。
また、過去のリレーを使用した回路図では、D1〜D3は全て1N4001などの整流用ダイオードを使用します。
この回路図のようにD1,D2に小信号用ダイオード1S2076Aなどを使うものではありません。
お返事 2010/8/21
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投稿 |
丁寧な説明ありがとうございます。
リレー2個よりも省スペース化が可能ならと思い投稿させて頂きました。しかしながら信頼性、安全性の観点から元のリレーで自作しようと思います。ありがとうございました。
電気初心者 様
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お返事 |
リレーをバカにしてはいけませんよ。(バカにしているわけでは無いでしょうが・・・)
リレーはうまく使えば半導体数個ぶんの回路をリレー一個で製作できる魔法の道具なのです。
しかも半導体のようにノイズや異常パルスで故障する率の低さも便利です。
反面、コイルである程度の消費電力を使ってしまうことや、(半導体に比べて)スイッチングスピードが遅いという点などもあります。
ただ、半導体より比較的簡単に制御回路が作れること、制御用のロジックと大電流のON/OFFをする接点が同時に扱えるなど便利な点も多いので、用途によってはリレーを使った回路のほうが適しているものもたくさんあります。
お返事 2010/8/26
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似た記事に
が、あります。
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車・外部入力ONでじわっと減光するLED回路
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こんにちわ いつも楽しみに拝見しています。
車のイルミネーションなのですが、電源onでフル発光、イルミonでじわっと減光、イルミoffでじわっとフル発光をする回路はどのような回路が考えられますか。
LEDを5個程度使いたいと考えています。
よろしくお願い致します。
みつはし 様
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お返事 |
回路図は以下の通りです。
▼クリックすると拡大表示
● 三角波発生回路
オペアンプLM324を使用して、約1400Hzの三角波を発生させます。
LEDをPWMで調光させる基準信号になります。
(過去に何度か乗せた回路と全く一緒です)
● 入力回路
外部からの+12V信号を受け、調光用の基準電圧を作成します。
基準電圧は入力された+12V電圧をVR1で0〜12Vの間で調節します。
0Vでは減光なし、12Vで消灯になります。
外部から+12V電圧がかからない場合、ここの電圧は0Vですから減光なしでフル発光です。
抵抗で分圧して電圧を作っているので、後でコンデンサの充電・放電に使うためにオペアンプのボルテージフォロワでバッファリングしておきます。
● PWM発生回路
1400Hzの三角波と入力回路で作った基準電圧を比較して、PWM波形を作成します。
● 出力ドライバ
FET 2SJ334で12V電源をスイッチングして出力します。
安全をみて約15Aまでの使用にしてください。
尚、数A以上で使用する場合は放熱板をつけてください。
● 組み立てと調節
「遅延設定」用のVR2をまず0Ωにして遅延はしないようにしておきます。
電源を繋ぐと外部入力に何も繋いでいない状態ではフル発光します。
フル発光しない場合は工作ミスの可能性があります。
外部入力に+12Vをつないで、「減光設定」用のVR1をまわすと出力につないだLEDの明るさが変わります。
ご希望の明るさに設定してください。
外部入力を切るとLEDはフル発光に戻ります。
そこまで正常でしたら、次は「遅延設定」用のVR2を適当な位置に回して、外部入力を入れたり切ったりしてください。
VR2の位置によってぼや〜っと明るさが変化する時間が調節できます。(最大約10秒程度)
電解コンデンサの充放電で明るさをゆっくり変化させているため、暗くなる時にはゆっくりで、明るくなる時には少し早い目に見えます。
◇ ◇ ◇
さて、そろそろ「車のイルミを・・・」などに対応した回路も複数のパターンを提示しましたし、もうこれ以上は質問は出てこないと思います。
必要な回路・構成はたくさん載せていますので、以後は車関係で質問をされる方は過去の作例を参考に、ご自分でご自分の必要にあわせて回路を作ってくださいませ。
お返事 2010/8/21
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この記事・お返事は役に立たなかった |
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車・タコメーター・回転数パルス4/3倍化回路
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はじめまして。色々探してたどり着きました。
タコメーター・回転数パルスの2逓倍回路に通じるのかもしれませんが、教えてください。
3気筒の車に4気筒用のタコメータを取り付けたいのですが、4気筒の場合エンジンコンピュータ(ECU)からのタコパルスが2発/回転(4発/2回転)なのに対して、3気筒は1.5発/回転(3発/2回転)なので、そのままつなぐと実際の回転より低く表示されてしまいます(3/4回転になってしまう)。
そこでECUからのパルスをICやPIC等を利用して安価に4/3倍に出来ないかと考えています。
なお、ECUからのタコパルスは5V程度の出力で、エンジン回転数が0〜9000rpmとすると周波数は0〜225Hz程度でしょうか。
どのような回路を組めばよいかアドバイス頂けませんでしょうか。
トッポ 様
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お返事 |
回転数パルスの数を3/4倍にするには、単純に「パルスが3回来たら1回追加して4回にする」という回路を組めばよいのです。
ただし、使用するタコメーターが高い回転数時の短いパルスにじゅうぶんに対応した機種であるという事が条件です。たいていのデジタル回路式のタコメーターでは大丈夫のはずです。(規格外の場合はだめです)
最大225Hz程度までという事で、回路上は最大300Hzくらいまで対応するよう設計します。
入力される回転数パルスの幅が不明なので、一旦ワンショット回路で300Hzの半分の時間、約1.6msecの基礎パルスに変換します。
通常の回転数パルスを伝達するため、基礎パルスの立ち上がりで出力パルスを発生させ、出力パルス幅は基礎パルスの半分の約0.8msecです。
入力パルスをカウンタ回路でカウントして「3回目」のときだけ基礎パルスの立下りタイミングでもう一回出力パルスを生成して、4回目のパルスを出すことで3/4倍化します。
これでタコメーターには3/4倍の数のパルスが入力され、正しい回転数を表示します。
▼クリックすると拡大表示
● 入力カップリング回路
ECUからの出力電圧が「約5V」という事で、正しくTTLレベルの5Vかどうか不明ですから、もし過電圧などでこちらの回路を壊すといけないのでフォトカプラでカップリングします。
使用するフォトカプラはいつものTLP-521-1(1回路入り)です。
● 基礎パルス生成回路
フォトカプラで入力検知したECUからの回転数パルスに応じて、本回路内で使用する一回ぷんのパルスの基礎となるタイミングパルスをワンショットタイマーで生成します。
使用するICは74HC221です。
2回路入りなので、残りは後で出力パルス生成用に使用します。
● 3/4倍化タイミング生成回路
基礎パルスを「3進カウンタ」でカウントし、3回に一度だけ「2倍化」の動作をするタイミングを作ります。
3進カウンタはD-FF ICの74HC74とNANDロジックの74HC00で組み立てます。
3進カウンタで作った3回に一度のカウントと、基礎パルスの^Q出力をANDを取って、4回目のパルスを作るタイミングとします。
● 出力パルス生成回路
基礎パルスの立ち上がりと、4度目のパルスを生成するタイミング信号、それぞれを微分回路で出力パルス生成用のトリガー信号とし、ダイオードORをとってどちらのトリガーの時でも出力パルスをワンショット回路で発生させるのが出力パルス生成回路の働きです。
出力はTTLレベル(C-MOS出力)の5Vです。
使用するタコメーターはTTLレベルの入力回路である必要があります。
(ECUの5V信号で動いているなら問題ないはずです)
● 組み立てと調整
本回路には調整する箇所はありません。
ワンショットタイマーの動作時間は計算上の時間で動作するよう抵抗値・コンデンサの値を決めていますので、VRなどで調節する必要はありません。
組み立てに間違いが無ければ、ECUに繋いでエンジンを回すと、低回転数では入力信号で生成される基礎パルスに応じてLED1がパラパラと点滅します。
ほぼ同じタイミングで、少し暗く出力表示のLED3も点滅します。
(本当は4/3倍化されていますが、人間の目で見てもそれは確認できません)
4番目のパルスを生成するタイミングを示すLED2はLED1が3回点滅するのに対して1回の割合で点灯(点滅)します。
回転数が上がると人間の目で見て点滅とわからなくなってしまいますので、確認はアイドリング状態で行ってください。
● PICで作る場合
もしPICで作られるなら、8ピンのPIC 12F629あたりを一個使うだけでよく、回路もとても簡単です。(5V電源部は省略しています)
入力はやはり「+5V程度」という事でフォトカプラでカップリングしますが、もしも+5Vが完全にTTLレベルで危険が無いのであれば、フォトカプラなどは無くして直接PICに接続しても大丈夫で、その場合はもっと部品が減ります。
部品は少ないですが、動作を全部ソフトウェアで行わせるので、プログラムの知識がおありでしたら製作可能という事で、そうでなければICや抵抗・コンデンサ等を並べて上の回路図通りに作ることになります。
お返事 2010/8/21
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投稿 |
掲載を楽しみにしておりました。お忙しいのにありがとうございます。
タコメータの中身がよくわかっていないのですが、F/Vみたいなものだとすると、不等ピッチで入れても大丈夫なんでしょうかね(針がピクピクとかしませんかね)?電子工作は不慣れ故、少し時間がかかるかもしれませんが、教えていただいた回路を組んで試してみます。
トッポ 様
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お返事 |
針ですか!?
タコメーター・回転数パルスの2逓倍回路を引き合いに出されていましたので、てっきりデジタル数字表示かデジタルバーグラフのタコメーターだと思っていましたが・・・、針ですか?
針だとタコメーターの中身がマイコン式で、パルスをカウントしているタイプならこの回路で正しく表示するはずです。デジタル数字方式とカウント方法が変わらないからです。
F/V方式でアナログ処理をしている場合多くは問題ないはずですが、うまく表示されない可能性もあります。対象外とさせていただきます。
基本的には、F/V回路がよくある「パルス・積分方式」ならこの方法でも全く遜色なく正しい表示をするはずです。
入力される回転数パルスのデューティ比などには関係なく、入力したパルスの立ち上がりで一定幅の基準パルスを作って、それを積分して電圧出力するのがF/V回路の基本的な回路ですから、それ自体は「パルスが等間隔かどうか」なんて全く見ていなくて、ただ単に「単位時間内に入力されたパルスが多いか少ないか」という条件だけが出力電圧を左右する要因ですから、10Hz以上程度のパルスが入力されていれば4発目のパルスを足しているかどうかなんて積分回路のコンデンサで平滑されてしまって、メーターの触れに現れることは無いと思います。
そこまで敏感に入力パルスに適応してメーターの針を動かせるなら、一定回転に見えるエンジン回転数のわずかなずれでメーターはブレまくりですよ。
もっと別の方式、PLLか何かで周波数に同期させて何かの信号を拾うような方法なら、不規則なパルスだと不都合が出るかもしれませんね。
そこはぜひお使いのタコメーターに不規則な信号をわざと入れる回路などを設計して、実際にどういう不規則パルスなら表示が狂うのかを実験されるのも面白いでしょう。
もしどうしても「等間隔のパルスが欲しい!」という事でしたら、それこそ元の回転数パルスをF/V回路で電圧化して、その電圧でV/F回路(VCO)で元の4/3になるような周波数を発生させてやるしか無いですよね。
F/V用ICが手元に無いので(マルツでいいのが売ってるらしいですが)うちでは設計も回路図の提示もできませんので、もしそういうアナログ的な回路が必要でしたらICのデータシートでも見てご自分で作ってみてください。
やはり応用の利くPICにして、「1秒間のパルス数を計数して次の1秒はその4/3パルスになる周波数の出力パルスを出す」という処理を1秒ズレで行えば、これでも等間隔の4/3倍化パルスが得られます。
ただタコメーターの表示に1秒の遅れが出ますが。
お返事 2010/8/21
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投稿 |
スミマセン、アナログ(針)メータです。
折角なんで経緯を。
私の車(3気筒)にはタコメータがなかったので、同じ車種のタコメータ付メータ(4気筒車にしか設定なし)をつけました。
普通、3気筒対応の後付けメータをつけますが、仰々しくなるので純正メータが欲しかったのです。
素人考えで、3発入ったら1発返すような回路でまず1/3倍し、次に1発入れば4発返す回路と思い、ネット上を探すうちに迷い箱の逓倍回路にたどり着きました。
F/Vは個々のパルス立ち上がりの時間間隔から都度周波数を出して、周波数に応じた電圧を出しているのだと思っていました。
単位時間内に入力されたパルス数に応じた電圧を出しているとすれば、不等ピッチであっても大丈夫ですね。
電子工作は敷居が高く殆どやったことがないのですが、近所にマルツがありますので、パーツを集めて回路をつくってみます。
また、えらそうにPICなどと書きましたが、本を読み始めた程度の初学者です。少し先になりますが、こちらも勉強がてら取り組んでみます。
しかし、おっしゃる通り F/V → V/F がいちばんシンプルで簡単なのかもしれませんね。
トッポ 様
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お返事 |
>3発入ったら1発返すような回路で
相手がデジタルカウント式(積算式)のタコメーターならそれでも表示は4/3した値で表示されるでしょう。
ただ、元のパルス3回に一度しか出力パルスを出さないと、アナログ式のメーターなどではその一瞬だけ高回転、それ以外の時間は低回転と検知するので、ご心配の「ピクピク」が顕著に現れる可能性が高いですね。
>F/Vは個々のパルス立ち上がりの時間間隔から都度周波数を出して
たぶん、ある提示の規模以上のCPUやコンピュータ回路ばかり見られている方ならそういう方法も思いつくと思います。
でも実際のF/V用ICは「純然たるアナログ回路」で作られています。
たとえば「車・LED表示のリアルタイム加速度計」の投稿者の方が使われているTA8029S(マルツで販売)のようなICです。
ほかにも有名半導体メーカー各社からもっとお高い(?)ICも各種販売されていますが、ほとんどは中身の基本となるF/V回路は同様にアナログ式に充電・放電する積分回路が使われています。
そして、こういう積分回路を使ったアナログ方式のF/Vコンバータであれば、今回提示したデジタル回路でパルス数を4/3化する回路の出力でも、「1パルス入れば1パルスぶんの電圧を充電する、無入力だと電圧は下がる」「その電圧はコンデンサで平滑化される」というアナログ回路の動作で、パルスの間隔にはほとんど左右されず入ったパルスぶんに応じたF/V出力電圧を正しく作ってくれるはずです。
もともとデジタル回路のように一定時間ごとに区切ってデータを計算したりするものではなく、「常に変動するパルスにだって平気で対応しちゃいます!」というのがアナログ回路の得意分野ですから、入力パルスに追随する能力は高く、かつ細かすぎる変動はコンデンサの充電・放電プロセスがフィルターになって吸収してしまうというありがたい機能も内包しているのです。
針とはいっても、アナログ回路でF/V変換して「電圧計」の針を直接動かしているものと、中身はマイコンとステッピングモーターで、マイコンがパルス幅を計測して数値化し、その数値に合うようステッピングモーターを回して針の位置を移動させている」ようなデジタル方式のメカが入っている物もあります。
車用で、結構お高いタイプならこういう物が使われている可能性も高いですね。
この場合は中のマイコンがパルス幅を計りながらリアルタイムに回転数の数値を計算してるでしょうが、1つ上で書いたように「もしプロがプログラムを作っているなら」今回の回路から入れるように3回に一度2倍のパルスが入力された程度では針はピクピクせずにほぼ安定しているはずです。
そうでなければ・・・・そこのメーカーの製品にはちょっと疑いを持たなければなりません。
もしもそのタコメーターがレース用などの特殊品で、ピクピクしてでもいいから少しでも生のデータに近い表示にすることを目的に製造された、そういう表示がほしい人向けならしかたありませんが。
お返事 2010/8/26
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投稿 |
中間報告です。不慣れゆえかなり苦労して作り上げましたが、実装化でどこか間違ったらしくうまく動きませんでした。何とか間違いを見つけて再度tryします。
トッポ 様
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お返事 |
入力段付近から見直して、徐々に出力段までパルス信号が伝わっているか(LEDの点灯状況などで)調べてみてください。
お返事 2010/9/19
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一押しで5〜6秒鳴る玄関チャイム
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初めまして、お世話になります。記事一覧に参考があればと目をとしてみましたが見つかりませんでしたので、さんざん迷っていましたが思い切って投稿することにしました。よろしくお願いします。
玄関チャイムですが、現在豆トランスで出力AC8Vを使用してピンポンと1回鳴ります。手持ちにDC6V〜12Vで動作するメロディーチャイムが有りブリッジダイオードと電解コンデンサでDC変換しましたが一瞬しか鳴りません。一押しでメロディーチャイムが5〜6秒動作する方法があれば回路図、部品など教えてください。
アルプス 様
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お返事 |
うーん、タイマーIC 555を使った回路図などいくらでもその用途に使える回路図は載っていると思うのですが・・・。
そのあたりでダメなら、もっと部品を減らして、多少は動作に安定度が無い(タイマー時間があやふや)ものでも、作るのが楽でカンタンなものがいいですね。
既にAC100VからDCに変換する電源回路は作られているようですから、そこに少しだけ部品を足して「5〜6秒鳴る」ようにします。
追加する部品はOMRONのDC12Vリレー「G5V-1 DC12V」を一個と、4700μFの電解コンデンサ一個だけです。
オルゴールはリレーの接点でON/OFFするようにして、リレーのコイルに電解コンデンサを並列につないで、玄関スイッチを押せば通電してリレーをONにすると共に電解コンデンサに充電、玄関スイッチを離した時点からは電解コンデンサに貯めた電気でしばらくはリレーがONし続けます。
G5V-1 DC12Vと4700μFの組み合わせで約5〜6秒です。
もちろん、玄関スイッチを押しっぱなしにするとずっと通電していますからオルゴールは鳴り続けますよ。
ほかのリレーを使うとリレーのコイルの消費電流が違いますから時間も変わってしまいます。
今回は部品数を減らして簡単に作れる回路で、電子回路によるタイマーでは無いのでボリュームなどで簡単に時間を調節することはできません。
G5V-1 DC12Vを使う場合でも、4700μF以外にも2200μFや1000μFなど容量の違う電解コンデンサを用意して、どれを使うかやいくつか並列に繋いで容量を大きくしたりして時間を変えられますので、必要なら各種の電解コンデンサも買って実際につないで見てご自分のお好みの時間になる組み合わせを見つけてください。
お返事 2010/8/19
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投稿 |
投稿以来毎日のようにお返事を楽しみに待っていました。お返事を待ちながら自分なりに2分間ランプその他の回路図を参考に自分なりに仮付けして作ってみました。今回お返事をいただいた回路図に近いものができましたが後一歩がうまくいきませんでした。要はオムロンのリレーを使うことでした。追加部品のリレーやコンデンサ等は一昔前にアンプなど分解して保存しておいた中古品ですべて間に合いそうなので今晩にでも完成させたいと思います。お忙し中本当にありがとうございました。他の事でまたお世話になるかもしれませんがよろしく願います。
アルプス 様
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お返事 |
お盆前後と年末年始は「気の迷い」にかかれる時間があまり無いので、お待たせしてしまいます。すみません。
2分間ランプのようなFETを使った回路、タイマーIC 555を使ったタイマー回路、いろいろな方法で同じように数秒間働く回路は作れます。
今回のリレーとコンデンサを使った回路が最も部品数も少なくて簡単に作れますから、お手持ちの部品を使って動作を確認したら、コンデンサの容量を変えたりと実験をしてみて回路の動作を研究してみてください。
また、リレーの接点でカチッ!とオルゴールをON/OFFするのではなく、リレーを使わずにオルゴールの電源をコンデンサに貯めた電気で動かしたら何秒くらい鳴るのかや、コンデンサが放電したら突然オルゴールが鳴り止むのか、徐々に音が小さくなって最後に鳴り止むのかなどを実験してみるのも面白いと思います。
その結果、また別の回路を作る時の考え方の「頭の中の引き出し」が増えると思いますよ。
お返事 2010/8/19
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投稿 |
いつも楽しく拝見させていただいています
今回ふと思ったことですが
リレーにスナイパ用ダイオードを入れた方がコンデンサに負担がないと思うのですが〜〜如何でしょうか?
まぁ激しくリレーが駆動するのでなければ必要ないのかな?
gokichan 様
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お返事 |
ゴ・・・ゴルゴ13に狙われてますか!?
スナイパ(狙撃手)では無くスナバ(高電圧吸収回路)ですよね。
ところで、スナバ回路・スナバ用ダイオードはどんな時に入れる物でしょうか。
リレー等コイルを使用したものに電流を流して磁力を発生させ、その電流を急激に切った時にコイルに貯められた磁力が電力に戻って、与えられていた電流と逆方向に高電圧を発生させるというコイルの性質によって起きるパルス状の高電圧(しかも逆電圧)が半導体などの過電圧や逆電圧に弱い阻止を破壊してしまわないよう、コイルに逆電圧を吸収する素子(主にダイオードなど)をつける回路を「スナバ回路」や「スナバ吸収回路」などと呼びます。
コイル側ではなく高電圧や大電流をON/OFFする接点側でも、電流のON/OFFの際に起きるパルス・ノイズを吸収するような回路も同じくスナバ回路と呼びます。
リレーの場合、トランジスタなどでリレーを動かして「カチッ!」と突然OFFにするような場合には高電圧パルスが発生するので、接続されているトランジスタなどを保護する必要があります。
では、今回の回路は?
リレーをONにする時には特に問題はありません。
ではリレーをOFFにする時にリレーのコイルが高電圧を発生させる「瞬間的な電源OFF」の状況は起きるのでしょうか?
スイッチを切ってもリレーには電解コンデンサから電圧が供給され、その電圧は放電によって徐々に低下してゆきます。(回路図通りの部品定数では)完全放電までは10秒以上程度かかるでしょう。
ゆっくりとコイルにかかる電圧が下がるので、コイルに発生している磁力もそれにつれてゆっくり弱くなってゆき、最後に電圧が0Vになる時点で磁力も0になります。
電圧が下がる途中でリレーの接点はOFFになりますが、それはコイル側には何ら関係なく、接点が動いたからといってパルス電圧が発生するような構造ではありませんよね?
リレーのコイルに流れる電流を「カチッ!」と切ってしまうのではなく、ゆっくり何秒もかけて電圧を下げるのでスナバ回路が必要になるような逆方向の高電圧パルスなんか全く発生ません。
スナバ処理が必要なパルスなんか発生しないので、コンデンサに悪影響が及ぶこともなく、スナバ処理用のダイオードを付ける必要もありません。
やはりどこからかスナイパーに狙われていて、「ズギューン!」とパルス電圧を撃ち込まれてしまうのでしょうか?
お返事 2010/8/20
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投稿 |
電子オルゴールの消費電流にもよりますが、リレーを使用しなくてもプッシュスイッチの後に電子オルゴールに電解コンデンサを抱かせるだけでも実現できるような気がしますが?
(匿名希望) 様
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お返事 |
> また、リレーの接点でカチッ!とオルゴールをON/OFFするのではなく、リレーを使わずにオルゴールの電源をコンデンサに貯めた電気で動かしたら何秒くらい鳴るのかや、コンデンサが放電したら突然オルゴールが鳴り止むのか、徐々に音が小さくなって最後に鳴り止むのかなどを実験してみるのも面白いと思います。
と、書いておいたのですが、お読みになられていませんか?
私の知る限り、オルゴールICを使った電子オルゴールでは電圧が動作範囲より下回ると、「音程がおかしくなる」「テンポがおかしくなる」ものが多く、オルゴールとして聞いているとまるで壊れたような音になってメロディーが消えてゆくものがほとんどです。
リレーを使わずにコンデンサだけでオルゴールを鳴らした場合、そういう不快な音になるのを懸念してああ書いているのですが・・・。
コンデンサの電圧が下がって、一定のところでピタッ!とメロディが鳴り止むような優秀なICを使っている電子オルゴールだとコンデンサ一個ですみますね。
お返事 2010/8/20
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投稿 |
昨日お返事をいただいて夜早速作成をしました。ブリッジダイオード用には1000μFを使用し、リレー用は1000、1500、2200、4700μFとテストしましたが自分の理想として2200μFで4秒〜5秒程度で決定し完成させ早速取りつけました。色々なご意見ありがとうございます。なおコンデンサが放電する最後にはブーンと小さく音が出ますが特に気になりませんのでとりあえずよしとしました。ありがとうございました。
アルプス 様
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お返事 |
ちょうど使える(ジャンク)部品が手元にあってよかったですね。
最後にブーンという音がオルゴールのスピーカーから出るのだとしたら、お使いのリレーが磁力が弱くなってリレーの接点が切れるときに「接触不良」程度の接触力になってから切れるような物かもしれません。
気にならないならいいのですが、使っていてどうしても気になるなら別のリレーを入手した時に試してみるか、コンデンサでリレーを遅らせる回路ではなくちんとしたタイマー回路か何かを使うように改良しなければなりませんね。
またいつかお暇な時にでも、別のリレーで試してみるとか、オルゴールの電源+と−に10〜100μFくらいの電解コンデンサを並列につないでみるとか、まだまだ研究の余地はありますね。
お返事 2010/8/20
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投稿 8/21 |
>スナイパーに狙われていて
ギク!!
>高電圧パルスなんか全く発生ません
了解しました、いろいろと勉強になります
これからもよろしくお願いします
gokichan 様
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投稿 8/21 |
> と、書いておいたのですが、お読みになられていませんか?
誠に申し訳ありませんでした。
申し訳ありませんでした 様
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投稿 8/22 |
色々ご意見ありがとうございます。これから諸事情により忙しくなりますので余裕ができたらリレー・コンデンサ等でテストしてみます。
アルプス 様
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温度で回転数がかわる扇風機
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こんなことを質問していいのかわからなっかたのですが、質問させていただきます。
破棄してもかまいません。
自由研究で、温度で回転数がかわる扇風機を作ろうと思っています。
調べてみて、サーモスタットを使ってできると知ったのですが、その他に必要な部品や、回路図が、いくら探してもわかりません。
ご迷惑でしたらすみません。
回路図は、無理でしたら大丈夫です。
お力を貸していただけるとうれしいです。
よろしくお願いします。
(匿名希望) 様
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お返事 |
とても残念ですが、「サーモスタット」では無理です。
「サーモスタット」は温度スイッチで、「××℃以上でON(またはOFF)」みたいなONかOFFかの2つの状態を切り替える使い方には使えますが、温度を電圧や電流の大小の値で返すセンサーでは無いので「温度に応じて回転数を変える」ような使い方には使えません。
もちろん「30℃を越えたら高回転、30℃未満では低回転」みたいな2つの状態を切り替えるだけなら応用することもできるでしょう。
普通に考えて、温度に応じて回転数を変えるには
・温度を電圧か電流などの電気信号に変えるセンサー
・電圧か電流の値によってAC100Vの電力を弱〜強の間で調節する回路
が要りますよね。
温度センサーは精度の高い高価な工業用のものから、100円しないサーミスタのような素子までいろいろあります。
そういうセンサーで感知した温度信号(電圧や電流)をオペアンプ等の増幅回路で後の回路で必要な電圧信号に変換します。
温度信号が電圧で得られれば、こんどはその電圧でAC100Vの電力をコントロールする回路に繋げばよいのですが、外部電圧でAC100Vを制御する回路はほとんど回路図としては公開されていないでしょう。
工業用の製品なら数千円〜数万円はしますがそういう品があります。
「気の迷い」では電子工作に長けた方でなければAC100Vに関係する工作は危険すぎるので、ここでは回路図や作り方は公開しないことにしています。
温度に応じてパワーの変わる扇風機というのはたいへん面白い工作だと思いますが、夏休みの自由研究の工作ではちょっと無理がある課題だと思います。
乾電池とモーターで作るオモチャの扇風機くらいなら電子工作で温度でスピードコントロールするのも可能ですね。
それでも「何℃でフルパワーにするのか」や「何℃で停止(または最も弱い回転に)するのか」など、実用的な機能を全て盛り込むとかなり複雑な回路になります。
お返事 2010/8/17
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投稿 |
ご丁寧な説明ありがとうございます。
なんとか、やってみようと思います。
また、質問するかもしれないので、その時は、よろしくお願いします。
kitajima 様
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お返事 |
温度センサーとオペアンプを使って、温度を電圧値に変換する回路などはここに回路図がいくつかありますので、そういう物を参考にご希望の形に近づけてゆかれると良いと思います。
ぜひ頑張ってください!
お返事 2010/8/18
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パソコンのマイクのミュート回路、前出の物を使えますか?
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初めまして。当方、電子工作初心者です。
マイクのミュートスイッチについて質問です。
パソコンでイヤホンマイクを使用しておりますが、咳払いの時など、即座にマイクをミュートしたのですが、前出の「ポップノイズの出ない携帯電話ミュートマイク」をそのまま使用できますか?
イヤホンマイクのオス端子は、3極(というのでしょうか?)になっているようです。
回路図は読めませんが、簡単な電子キットの工作は何度か経験しましたので、無線ショップで回路図を見せて部品をそろえ、半田付けすることは可能だと思います。
ネットで散々検索しましたが、このサイト以上に説明されている事例が見つかりません。
どうぞ、お知恵を授けて下さいませ。
よろしくお願いいたします。
大塚 様
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お返事 |
結論から先に書くと、ポップノイズの出ない携帯電話ミュートマイクでそのまま使えます。
パソコンのマイク端子は3.5mmステレオ(3極)端子になっていますが、「3線式コンデンサマイク」をつなぐ端子ではなく、「2線式コンデンサマイク」を「ステレオのL・Rの2個」つなげられるよう3極ステレオ配線になっています。
要はヘッドフォン端子と同じように「GND」「R-CH」「L-CH」の3本の線が来ているだけです。
パソコンでステレオ対応マイクが使える音声入力回路(やサウンドカード)を搭載している物は稀で、普通はモノラル用としてL-CH(左マイク)のみ使用します。
3極プラグでは
▲先端(チップ)= L-CH(左マイク)
■中央(リング)= R-CH(右マイク)
■根元(スリーブ)= GND(アース・左右共通)
となっています。
そこにポップノイズの出ない携帯電話ミュートマイクの回路をつなげば、ゆっくりミュート・ゆっくり解除のマイクになります。
回路図・使用部品はまったく同じです。
お返事 2010/8/17
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投稿 |
横から失礼します。
以前パソコンのマイク端子について調べたことがあるのですが、その時には中端(リング)は+5VのBiasがかかっているらしいと言うところまでしか分かりませんでした。
http://www.epanorama.net/circuits/microphone_powering.html
今回のお返事が自分の理解とは異なっていたので、できればもう少し詳しく解説していただけるとありがたいです。
くまーる(素人) 様
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お返事 |
いや・・・そこのページにコンデンサマイクのプラグにかけるバイアスの話はあらゆるパターンについて詳しく書かれていますから、そこを読まれればご理解いただけると思うのですが・・・。
簡単に書くと、リングに+5Vがかかっているのは、Creative社のサウンドブラスター(かなり旧式)と、その互換サウンドカード(または似せて作っているもの)だけです。(そこにもそう書いてありますよね)
そういう古い物でなく、現在の主流は単ピンへの直接バイアスです。
うちにあるデスクトップパソコン数台(MBは各社様々)のうち、1台を除いてこのタイプです。
マイク端子は3極ステレオジャックですが、実配線はL-CH(チップ)とGND(スリーブ)のみしか繋がっていません。
チップにはコンデンサマイク用の専用電源(2.2V)からバイアス抵抗を経由して電源が供給されています。
ここで1つ覚えておいていただきたいのは、「モノラルマイク」でもパソコン用の3極プラグ式マイクはオーディオ用マイクとは違い「チップとスリーブが接続されている」という事です。
パソコン用ヘッドセットなどでプラスチック部がピンク色の3極プラグがそれです。
これは、後述する「Creative社のサウンドブラスター(かなり旧式)と、その互換サウンドカード」でも使えるようにするためです。
単ピンバイアス式のジャックであれば、パソコン専用のマイクでなくてもオーディオ用の2極プラグ式のモノラル・コンデンサマイクも使用できます。
また、オーディオ用の3極プラグ式のステレオ・コンデンサマイクも左CHのみですが使用できます。
つまりこの方式は
・パソコン専用のコンデンサマイク(ピンク色プラグ)
・オーディオ用モノラルコンデンサマイク
・オーディオ用ステレオコンデンサマイク(但し左のみモノラル使用)
・(ほか、ダイナミックマイク等も一部使用可能)
と、市販されている多くのマイクを使用することができます。
次に「少ない」とは書きましたが実際には実在するので・・・。うちではAcerのネットブック型パソコンと製造元不明のPCIサウンドカードがこれにあたります。
単ピンバイアス式ですが、ちゃんとステレオ対応で入力回路が2つ入っています。
ここにピンク色プラグのパソコン用モノラルマイクを刺すと、プラグの中でL-CHとR-CHが接続されていますから、パソコンには左右両方のチャンネルに同じ音が入り、モノラル信号として音声入力できます。
オーディオ用の3極ステレオマイクを刺せば、そのまま左右独立した音声が入力できますので、迫力のあるステレオ録音ができます。
オーディオ用の2極モノラルマイクを刺せば、L-CHはマイクが繋がり、R-CHはGNDに接続されますのでノイズの無い無音入力となります。
ステレオ録音ではなく、モノラルで録音するボイスレコーダーソフトなどではこれでも問題なく録音できます。
はい、最後がCreative社のサウンドブラスター(かなり旧式)と、その互換サウンドカード方式で、うちではIBM製のデスクトップパソコンだけがこの方式でした。
チップはマイクアンプへの入力にのみ繋がっていて、コンデンサマイク用の電源バイアスはありません。
そのかわり、リングに+5V電源から抵抗を通してバイアス電圧が接続されています。
ここにピンク色プラグのパソコン用モノラルマイクを刺すと、ピンク色プラグのパソコン用モノラルマイクでは内部でチップとリングが接続されていますから、コンデンサマイクにはバイアス電圧がかかって正常に動作します。
しかし、3極ステレオマイクや2極モノラルマイクでは正しくバイアスがかからないので一切使用できません。
パソコン専用マイクでないと使えないのは、とても不便ですね。
でも逆に、次に説明する「3極コンデンサマイク」や「ダイナミックマイク」のように、今ではパソコン用にはほとんど売られていない骨董的アイテムは繋ぐことができますから、20年以上前のそういうマイクを持っている人が活用するには良いかもしれません(^^;
このCreative社のサウンドブラスター(かなり旧式)と、その互換サウンドカード方式を使っているパソコンはもうごく限られた機種だけではないでしょうか。
同じCreative社製品でも最近のサウンドカードは単ピンへの直接バイアスになっているそうです。
SB16時代の製品がなぜこのようにバイアスを別にしているかというと、サウンドブラスター(SB16)が開発されたPC/AT機が量産しはじめられた頃(まだWindowsではなくDOS/V時代です…)、マイクはまだ2線式(2極)コンデンサマイク主流ではなく、電源線と音声信号線が別々な「3線式コンデンサマイク」が多く使われていたこと、また電源を与えずに自分で発電する「ダイナミックマイク」も多かったので、このタイプの入力回路では3線式コンデンサマイクはそのまま3線全部がつながり、ダイナミックマイクを繋ぐとバイアス線を無視してダイナミックマイクのコイルが直接マイクアンプ入力に繋がるだけの設計という事なのです。
今では、ダイナミックマイクはオーディオ用のマイクではまだ多用されていますが、パソコン用やポータブルオーディオ用ではほとんど使用されていません。
コンデンサマイクも3線式はもうほとんど使われていません。小型の2線式コンデンサマイクが主流ですから、パソコンやポータブルオーディオのマイク入力回路はほとんど全てがコンデンサマイク用にマイク端子自体にバイアス電圧をかける2線式の設計にしています。
そして、ピンク色プラグのパソコン用モノラルマイクではチップとリングを内部で接続すること、またパソコン側もそういうプラグが刺さる事に対応したピン接続にすることでピンク色プラグのパソコン用モノラルマイクでは
・サウンドブラスター式ではバイアスとマイクを繋ぐ
・単ピンバイアス・モノラル入力式では特に問題も何も無い
・ステレオ対応入力式には、左右に同じ音を入力できる
という、どの入力回路に対しても対応した実にマルチユースなコネクタになっています。
そこまでを理解した上で、質問者様のご使用のイヤホンマイクのマイク端子はパソコン用3極プラグとの事で、たとえパソコン本体がどの回路方式であってもプラグを差し込んだときには右図の回路が成り立ちます。
(イヤホンマイクで、ステレオマイクという事はまず無いでしょう・・・)
モノラルマイクはL-CHに接続され、内部ではL-CHとR-CHが接続(ショート)されているはずですが、それがプラグ内でショートしているのかステレオケーブルの先でマイク取り付け部あたりの中でショート配線されているのかは製品によって異なるので質問者様のイヤホンマイクがどう配線されているのかは私には想像不能ですから、どちらの場合でも「L-CH側のマイク配線」に対してミュート回路をつなげは目的が達成できる事だけはお伝えできます。
そして、SB16時代の旧式なマイク入力端子を使ったパソコンはごく稀に見るだけで、最近の機種はほぼ全てが2線(2極)式のコンデンサマイク用回路になっていて、ステレオ対応または片チャンネルのみ配線のものが多くなっていますからそう書いているのですが、それで何か問題があるでしょうか。
お返事 2010/8/18
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投稿 |
早速のご回答有り難う御座います。
お盆休みが開けるのを心待ちにしておりました(笑)
これを元に、どんな部品が必要なのか、完成品の姿も想像し、少し考えてから無線屋さんにに相談に行きます。
人任せでおんぶにだっこじゃ、面白みが無いですものね。
有り難う御座いました!
大塚 様
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投稿 |
便乗質問にもかかわらず丁寧に説明して頂き有難うございました。
サウンドボードとマイクのいろいろな組み合わせや、現在の主流である単ピンへの直接バイアス(これは全く知りませんでした)についての解説をしていただいてやっと理解をすることができました。
いつもオフィスや自宅で使っているPCがサーバタイプのものが多くて古いサウンドカードを使いまわしているものですから、最初のお返事を見てリングの電圧をチェックして状況が良く把握できなくなり急遽質問させていただきました。<(_ _)>
PCに接続したヘッドセット(ピンクのモノラルタイプ)でよく電話会議に参加するので早速このミュート回路を活用させて頂きたいと思います。(^^ゞ
くまーる(素人) 様
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投稿 |
SB16時代のFMV付属マイク、SB16でなくモデムのマイク端子へ繋げと取説に指示があったのはこんな理由があったのですね。
HDオーディオ規格でライン入力を兼ねるためでしょうか、去年買ったNECのノートPCは単ピンバイアスのステレオ入力でした。
(匿名希望) 様
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お返事 |
>大塚 様
完全に部品も作り方も用意されている「キット」程カンタンにはゆきませんが、部品数も少ないので無線屋さんの店員さんと話しながら部品を調達されれば、そこで各部品についてのアドバイスもしていただけると思います。
ネット通販と違い、お店での対面販売では店員さんのお知恵をお借りして、わからないところはそこですぐに聞けるのがいいですね。
ここで1つアドバイスですが、お手持ちのイヤホンマイクを分解(配線を切って?)してミュート回路を付けるのではなく、右図のように3極のプラグ・ジャックを用意してミュート回路をつけた物をケースに入れれば、「パソコンマイク用ミュートアダプター」ができあがりますので、イヤホン・マイク自体は改造しなくてもすみます。
将来イヤホン・マイクを買い換えたときにも新しいマイクでもミュート機能が使えるようになりますよ。
>くまーる(素人) 様
先に書いたIBMのビジネス用機はSB16仕様でしたが、ほかにもビジネス用機ではまだ古い規格のマイク端子になっている物も多いのではないでしょうか。
ふだん使っていない富士通の古いFM/V(これも一般機ではなくビジネス機)に電源を入れて試してみましたが、SB16仕様のモノラル入力でした。
>(匿名希望) 様
たぶん、LINE入力端子の無いノートパソコンなどでステレオ入力ができるようにする用途という目的は強いのでしょうね。
うちも古いノートパソコンはモノラル(単ピンバイアス)ですが新しいノートはマイク端子がステレオ入力に対応しています。
お返事 2010/8/20
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投稿 8/26 |
ご親切に追加のアドバイス有り難う御座います!
あまりお手間を掛けてはいけないと思い最小限の質問をしたのですが、
これは希望する完成形そのものです(喜)
微妙に自信が無かった部分もハッキリしました。
重ねてお礼申し上げます!
大塚 様
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赤外線リモコンの光を遠くに届かせたい
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DVDレコーダのリモコンの光が本体に届きにくいため操作しづらい。1)リモコンの電池を、単4X2本から単5X3本にしたら光強くなるか?回路を傷めるか?2)ほかに、光を強くする方法は?3)受けた赤外線信号を増強して発光する市販品があったが、10k円以上の高価でした。安価な製品、または、自作短時間でできる回路教えてください。
困っています 様
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お返事 |
リモコンの電池の電圧を安易に上げると、回路(IC)が壊れてしまうでしょう。
中には電池2本から電池3本にしても壊れないリモコンも存在はするかもしれません。同じリモコンを複数お持ちで、その中の1つくらいは壊れて使い物にならなくなってももいいような環境の方なら、電池の本数を増やして壊れないか試してみるのも面白いかもしれませんね。
ほかに光を強くする方法はいくらでもありますが、お手持ちのリモコンの回路を解析して、LEDまわりの制御がどのような方式になっているかを理解して、それにあわせた追加回路を組み立てられる方にしかリモコンを改造することはできません。
基本的な回路はほとんど同じで、ハイサイドかローサイドかの違いくらいで2種類の回路図から選んで、後は少し定数をそのリモコンにあわせるだけですが、まずここで質問を出すくらいの方では解析と調節は無理でしょうから、リモコン本体の改造はあきらめてください。
しかし、リモコンの改造だけなら100〜200円程度ととても安く済みます。(ご自分でリモコンを解析・改造される方は自己責任でどうぞ)
リモコン本体は改造も何もなくて無傷で、リモコンの先に別の回路と電池をつけて赤外線を増強するという方法もありますが、リモコンが重くなりますし追加する回路を入れたケースなどを先端にとりつけてブサイクになるのであまりお勧めはしません。
さて、「赤外線(IR)リモコンレピーター(中継器)」という機械もオーディオビジュアル系の商品として売られているようですが、実物を店頭で見たことはありませんし、お値段も数千円〜1万円以上はするようですね。
電子回路系のショップでもそれそのものの組み立てキットは発売されていないようです。
IC一個くらいでできるものなので、自作してしまうのがよいでしょう。
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● 赤外線受信回路
赤外線の受信回路は専用の「赤外線リモコン受光素子」IRM3638N3を使用します。
キャリア周波数38KHzの一般的な赤外線リモコンの受信回路が内蔵されたモジュールで、受信したリモコン信号を(負論理の)デジタル信号で出力します。
他の赤外線リモコン受光モジュールを使用しても結構です。負論理出力タイプのモジュールであればそのまま使えます。
IRM3638N3の出力は負論理ですから、リモコン信号のHの期間には出力はLです。
次の発振回路の制御入力はHで「動作」となりますので、NANDゲート(NOT)一個で信号を反転させます。
NANDゲート(NOT)は信号反転とともに、受信確認用LED1を点灯させる役割も果たしています。(赤外線リモコン受光モジュールの出力は弱く直接はLEDを点灯できません)
38KHz変調タイプの赤外線リモコン信号を受信すると、リモコンのデジタル信号にあわせてチラチラとLED1が点灯しますので容易に受信しているかどうかの確認ができます。
● 38KHz発振回路
受信したリモコンコード(デジタル信号)をそのまま赤外線LEDで発光させてもリモコン信号にはなりません。
リモコン信号を送信するには、リモコン信号のHの期間をあらわす38KHzで発振しているパルス信号が必要で、その搬送波のためのキャリア信号38KHzを生成しなければなりません。
ここでは(ほかの用途でもNANDゲートを使用するので)シュミットNANDゲートIC 74HC132を使用して発振回路を作ります。
発振周波数はVR1で約33〜41KHzの間で調節できます。(38KHzで使用してください)
この発振回路は赤外線受信信号(リモコンのデジタル信号)でON/OFFの制御をされていて、リモコン信号を受信してリモコンデータが流れている間だけ発振動作します。
● 赤外線送信
発振部で生成した「リモコン信号Hの期間の38KHzパルス信号」をトランジスタでスイッチングして、ICでは直接駆動できない大きな電流で赤外線LED3をパルス点灯させます。
赤外線は目に見えませんから、赤外線LEDと一緒に確認用にLED2も点灯させます。
LED2は送信するリモコン信号を38KHzでパルス化した状態で光りますから、受信確認用のLED1と同時に光り、LED1よりは少し暗く見えます。
● 組み立てと調整
ICが一個とまわりに少しの部品ですから、組み立てはそれほど難しいものではありませんが、組み立てた後に電源を入れる前にはじゅうぶん配線にミスが無いか確かめてください。
最初はSW2「テスト」スイッチは「通常」側に切り替えておいてください。
VR1は真ん中あたり(37KHz)に回しておいてください。
電池を入れて電源スイッチ(SW1)をONにすると、各LEDが一瞬光ります(受光モジュールの初期状態で一瞬だけ)。その後は各LEDは消えたままになります。
LEDが光りっぱなしになるような場合、配線ミスがありますから、すぐに電源を切って配線を調べなおしてください。
この状態でリモコンを受光モジュールに向けて何かボタンを押すと、チラチラとLED1・LED2が同時に光ります。
LEDが光らないような場合、また光りっぱなしになるような場合、配線ミスがありますからすぐに電源を切って配線を調べなおしてください。
一度リモコンのボタンを押したらずっとLEDが光りっぱなしになるような場合、自分の送信出力を受信モジュールが受けて永久ループになっているような可能性もあります。
自分の赤外線LEDの光は自分の受光部に入らないようにしてください。
「中継器」ですから、送信用の赤外線LEDはケーブルで伸ばして遠くに置くか、受信部・送信部を1つのケースに入れてしまう場合にはケースの表と裏になるような配置で固定するとは思いますが・・・。
このままでも多分そのまま使用できます。
赤外線LED3を制御したい機器のほうに向け、リモコンの赤外線は機器に直接伝わらない方向や場所に置いて本回路の受光部にだけ伝わるようにし、リモコンのボタンを押すと機器が反応して動作することを確認してください。
赤外線LEDに広角タイプ(普通のリモコンに使用されているタイプ)を使用した場合には、赤外線LEDを多少機器からずらした方向に向けていても反応するでしょう。赤外線LEDは機器に対して正面が向くよう設置するのが理想的です。
狭角タイプを使用した場合、到達距離は長くなりますが機器に対して赤外線LEDが真正面を向くように設置しないと反応しない場合があります。
最も機器に感度よく受信されるように、送信キャリア周波数を正しく38KHzに調節します。
周波数カウンタや、周波数が計れるデジタルテスターをお持ちの方は発振回路の発振周波数を計りながら調節すれば済むことですが、普通は持っていないと思います。
ほかに製作記事を公開されている方などは「実際にリモコン操作しながら調節して、最も機器がよく反応するように…」などとという方法をとられている場合もあると思いますし、それでも調節はできます。
でも、実際にリモコンボタンを押しながら・・・というのもちょっと面倒です。
そこで、誰でもカンタンに最も良い状態で使えるよう、本回路には「テストモード」を装備しています。
SW2「テスト」スイッチを「テスト」側に切り替えてください。
これで発振回路は受信回路から切り離され、常に発振している状態になります。
常に発振していますから、赤外線LED3と送信確認用LED2も発振信号で光りっぱなしになります。
このテスト発光状態で赤外線LED3(ケーブルの先にとりつけている場合)を本機の赤外線受光モジュールに向けてやると、自分で発光した信号を受信して受信確認用赤外線LED1が点灯します。
もしケースの表裏になるよう配置する場合でも、調節が済むまでは赤外線LEDは少し長いケーブルでつないでおいて、自由に向きや距離を変えられるようにしておくと調節がしやすくて便利です。
赤外線LED3と受光モジュールは少し距離をあけておき、VR1を左右に回して受信する範囲を調べます。
受信する範囲の中央に調節してください。そこが38KHzです。
赤外線LEDと受光部をあまり近くで真正面に向け合うと、かなり周波数がズレても反応してしまいますので、10センチ以上は距離をおき、少し正面同士にはならないような角度で調節するとVR1の調節範囲が狭くなり、かなり正確な38KHz点を見極めることができます。
これは重要ですが、本回路の発振周波数は電源電圧により変化します。
新品乾電池の6V時に周波数調節をすると、電池が減って4V程度になった時にはかなり周波数がずれて機器が正しく赤外線コードを認識しなくなるかもしれません。
電源電圧5Vで調節しておくと、6Vと電圧が高いときでも、4Vと電圧が低いときでも、ほぼ問題なく機器は赤外線信号を認識します。
乾電池で使用する場合はできれば電圧5Vで周波数調節をしてください。または、新品6Vで調節する場合には6V時で最も正確な38KHzと思われる位置より少しだけ周波数を高くなる位置にVR1を調節してください。
本回路の待機中の消費電流は約1mAです。
毎日のリモコンの使用頻度にもよりますが、単三アルカリ乾電池や、単三eneloop等の2000mAh程度の充電池で約1〜2ヶ月程度は使用できるでしょう。
電池が減って4V程度以下になると、周波数もずれてきますし、なにより赤外線LEDを強く発光させられなくなりますから赤外線LEDから遠くの機器などは操作できなくなります。電池が4V程度まで減ったら電池交換してください。
ただ、日常的に常に電源は入れたままにしているような物なので、できれば電池での使用よりはACアダプターなどでコンセントから電源をとるようにしたほうが使い勝手はよいと思います。
その際は電圧DC5V(またはDC6V)で電流は100mA以上のACアダプターを使用してください。また必ず安定化回路内蔵で電圧は安定化されたものを使用してください。
ACアダプターを使用していれば、電池のように減って電圧は変化しませんから周波数も変わらず安定してずっと使用できます。
お返事 2010/7/19
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詳細な回答頂き有難うございます。周波数変調しているとは知りませんでした。追加の質問が生まれました。1)送信用のLEDの抵抗値を変えて光を強くできますか?どれくらいまで変えても壊れませんか?2)または増強用に1ー2個並列に追加可能でしょうか?教えてください。
困っています 様
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お返事 |
抵抗値は絶対に変えないでください。(いや、抵抗値を大きくして出力を弱くするのはご自由に)
現状でLEDには約60mA(peak)流す設計です。
これは「赤外線リモコンのパルス状態」でこれらのLEDを点灯させ、かつ大出力を得られ、寿命も縮めない最も効率の良い状態で設計していますから、抵抗値を下げてこれより大電流を流そうとするとLEDの寿命はいっさい保証できなくなります。
LEDを並列に・・・という事ですが、こんどはトランジスタ2SA1015の電流定格の安全範囲を超えますので、このままでLEDを並列にするとこんどはトランジスタの寿命を保証できなくなります。
トランジスタを2SA950等に置き換えれば2〜3並列までなら点灯できますから、必要に応じてトランジスタも変えて使ってみてください。
普通に室内で使う限りはLEDを並列にしたり、電流を大きくする必要は無いと思いますが・・・早々に実際に組み立てられて出力が足りなかったのでしょうか?
お返事 2010/7/22
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投稿 |
回路の条件、了解いたしました。
困っています 様
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投稿 |
いつもお世話になっております。家内の車(7年ほど前のワゴンR)のキーレスリモコンが赤外線式なのですが、ごく限られた位置から操作しないと反応しなくて不便に思っておりました。この回路の受光素子を、前後左右4コにして直射日光を避けた位置に設置すれば全方向から快適に反応するようになるのではと思ったのですが・・・。(キーレスリモコンの周波数が同じであるとした場合に)単純に複数の受光素子のOUTをIC1の12,13ピンにまとめて接続したのでよいのでしょうか?ご教授のほどよろしくお願いします。
とっちん 様
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お返事 |
まず「車の赤外線リモコンって38KHzでしたっけ?」という疑問が残りますが、うちにはそういうリモコンが無いので使える物として回答させていただきます。
赤外線受光モジュールみたいな集積回路(IC)の出力を、ただ単に束ねたらいけるとお思いになられる根拠はなんでしょう?
普通は「ICの出力は複数つなげたら、HとLがショートしてICの出力回路が壊れる」と考えるのですが、何か他のICで複数を並列に繋げるような回路でも過去にお作りですか?
たとえば出力が「オープンコレクタ」なっていて、プルアップして使って複数を並列に繋ぐような用途にも使えるよう設計・製造されているICならそういう使い方もできますが、普通のロジック出力のICだとまず間違いなく壊れます。
この受光素子や、秋月電子などで売られているほかのメーカー・型番の受光素子のデータシートをごらん頂ければすぐにわかると思いますが、どこにもオープンコレクタとは書かれていませんし、ブロック図を見てもそういう構造だとは記載されていません。
どう見てもロジック出力です。
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ロジック出力を複数合成するには、「ダイオードOR」をとるか「ロジックICでORまたはANDする」かどちらかで合成する必要があります。
今回のご希望がローアクティブの4回路の合成ですから、4入力のANDゲートIC 74HC21を使えば合成できます。
赤外線受光素子のパルス動作による動作不安定を解消するための電源フィルターは、各素子の近くに置く必要がありますので、素子だけケーブルを伸ばすのではなく、フィルター回路ごと伸ばします。
この回路図では、個別にどの受光素子が反応したかの表示LEDは付けていませんから、何か信号が入りっぱなしになるような誤作動や、反応しないセンサーがあった場合はセンサーを1個ずつ繋いで変な動作する箇所を探すなどの必要があります。
お返事 2010/7/26
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投稿 |
いつもながら丁寧なご説明ありがとうございます。自分のバカさに気付き笑ってしまいました。まだまだな自分ですがこれからもよろしくお願いします。
とっちん 様
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お返事 |
普通は、とりあえず思った通りにやってみて、煙を吹いてから「ああ、これはだめだったんだ」と身をもって知ることになるのですが、最近はネットが発達して煙を出さずに教えてもらえるようになって、便利な世の中になりました(^^;
お返事 2010/7/29
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車・カーオーディオにmp3プレーヤーをつなぎたい
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ケンウッドのCDチェンジャー13ピンコネクターケーブルを(CA−C2AX)のコード同様に加工しmp3を使用できるようにしたいです
何でも出来るものは自作したいので
naokazu 様
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お返事 |
Kenwoodのカーオーディオも、CDチャンジャー接続ケーブルCA-C2AXも持っていませんから、どこにどの配線を繋ぐかはお教えできません。
ネットでCA-C2AXの写真を見るとカーオーディオ側はDIN 13pinプラグですから、プラグは電子部品店で売っています。
「ケンウッドのCDチェンジャー13ピンコネクターケーブルを」とお書きになられているということは、ケーブルはすでにお持ちでオーディオ側のプラグの付け替えだけで済ませられる状態なのでしょうか。
CA-C2AXだと2,3,6,8,9,12pinにピンが立っていますので、外部入力として使う時でもこの6ピンには何かをアサインしなければならないようですね。
音声信号とGNDをL・R対で入れるだけなら4ピンで済むはずですが、6ピンあるという事はどれかのピン同士はコネクタの中で接続されていて、そのピン同士またはGNDなどと(配線はもちろん外見からは不明です)繋がないと外部入力が接続されていると認識されず、ただコネクタを刺すだけでは外部入力が使えないようなしくみになっている可能性は高いです。
カーオーディオの実物をお持ちのようですから、分解してみてDINコネクタの各ピンが基板上でどんな配線になっているのかを解析してみるとよいでしょう。(ある程度は電子回路・基板配線の知識は必要です)
もろちろんDINコネクタを買ってきて刺して、どれかのピンに音声を入れたら音が出るかどうかを実地で試してみるのも実験としてはいいですね。
ただ、その端子は単なる外部入力端子ではなく、CDチェンジャーのコントロール端子ですからどれかのピンはデータ通信用の信号が出ていて、そこに変な配線をしたらカーオーディオのコントローラーが壊れてしまって二度と使えなくなる可能性もあります。
カーオーディオを壊してもいいとお思いでしたら各端子に直接音声信号を繋ぐなどのチャレンジをしてみるのも、電気回路の勉強(結果は痛いものになるかも?)としては面白いと思います。もちろんあなたの興味と判断で行う事で、私は一切の責任は持ちません。
そうでなければ、2000円位でメーカー純正のケーブルを買ってきて使うほうが安全便利で確実です。
お返事 2010/7/12
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車・LED表示のリアルタイム加速度計
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いつもお世話になります。車載用のアクセサリー用途での加速度表示機?を作りたく質問させていただきます。アクセルをベタ踏みした時には赤LEDが3個点灯。通常の発進程度の加速時には赤LEDが1個点灯。その中間程度の加速では赤LEDが2個点灯。急ブレーキ時には青LEDが3個点灯。ゆっくりと止まる減速時には青LEDが1個点灯。その中間程度の減速では青LEDが2個点灯。ほぼ一定速度での走行時のときには緑LEDが1個点灯。信号待ちなど停車中は前述の緑LEDがゆっくりと点滅。というふうに7個のLEDを赤赤赤緑青青青と配置して加速度レベルメーターに仕上げたいのです。現在、ナビ用の車速パルス信号からFVコンバータICを利用して時速100キロのときに1Vの電圧が発生するように調整した回路を自作しておりますので、たとえば0.5秒前の車速電圧と現在の車速電圧とを比較することによりその電圧差をプラス、マイナス各3段階、等速を含めて計7段階にて表示させたいと考えております。0.5秒前の車速電圧と現在の車速電圧とを比較する方法としては0.5秒サイクルでコンデンサを放電、充電、比較の3工程を繰り返す回路を3セット作り、1工程ずつずらして現在電圧と比較することによって常に0.5秒前の車速電圧と現在の車速電圧との比較値が0.5秒間表示されて切り替わっていくのではと考えております。ところが常に変動する電圧差をどのようにして段階分けしたらいいものかその方法を思いつきません。どうか時速100キロのときに1Vの電圧が発生する回路から7個のLEDを利用した加速度レベルメーターを作る方法についてご教授くださいますようよろしくお願いします。
とっちん 様
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お返事 |
そういう「電圧を記憶する」回路は「サンプル・アンド・ホールド回路」または「サンプル・ホールド回路」といって、コンデンサと電子スイッチとオペアンプ等で作るのが一般的です。
ネット上で検索すれば資料は出てくるでしょうし、たいていのオペアンプのデータシートにはサンプル回路図も載っています。
車速を比較するなら3組も用意しなくても、
(1) 現在の車速を保存する
(2) 過去の車速を保存する
の2つのサンプルホールド回路を用意して、一回比較したら(1)の情報を(2)にコピーしてやればいいだけです。
いつデータ(電圧)を読み込むのかの制御や、比較したデータをLEDの表示パターンに変えてそれも次の比較時まで保存しておく回路やその制御など、デジタル回路による制御部とアナログ回路による電圧保存(ホールド)や比較回路の組み合わせで全体を作ることになります。
また、これを電子部品ではなくPICなどのマイコンで製作する場合も似たような感じで、ある時点での車速電圧をA/Dコンバータで読み込んで、その前のある時点での電圧データと比較してその差の数値の大きさや向き(+か−か)で状態を判別するプログラムを組むことになります。
一度比較してLEDの点灯を行ったら、今読み込んだ最新のデータを1つ前のデータとして記憶しておいて、次の回の比較に備えます。
PICの話はまぁ余談だとして、今回のご希望通りにサンプルホールド回路を2つとデジタル制御回路を組み立てるとなるとそこそこ部品数が多くなり、製作も結構大変になります。
そこで1つ提案なのですが、もしそのサンプルホールド回路とデジタル制御部で作る「加速度を検出する回路」(上の図の黄色い部分、LED表示部は除きます)をたった1個のICで作れるならどうでしょうか?
しかも専用ICではなく、どこにでも売っている数十円のオペアンプIC一個と、抵抗・コンデンサなど安い部品数個でです。
※ 実際はノイズ対策などであと数個部品が増えますが・・・
右図はオペアンプ一個で作る「微分回路」です。
「微分回路」という言葉自体はよくここでも出てくるので聞いた事はあると思います。
オペアンプによる反転増幅回路の入力部が抵抗からコンデンサに変わったもので、コンデンサの働きにより交流など入力電圧が変化する時にだけオペアンプの入力の電圧が変化するものです。
入力電圧が変化する時だけ出力電圧の変化として結果が現れますので、車速電圧を入力してやれば「加速して車速電圧が上がった時だけ」「減速して車速電圧が下がった時だけ」オペアンプの出力端子に車速の変化の大きさに応じた電圧が現れます。ゆっくりした加速・減速なら低い電圧、急激な加速・減速なら高い電圧です。
加速も減速もしていない時には出力は0V(右図の場合)で変化はありません。
しかも、アナログ回路ですから処理はリアルタイムです!
0.5秒おきに表示がパラパラ変わるなどのカクカクした動きは全くありません。
変化量を検出するためのコンデンサの充放電時間のぶん0.1〜0.2秒程度は遅れて表示することにはなりますが、表示自体はアナログ処理で常に変化を続けていますので車の加減速をほぼ体感通りに表示できます。
回路図に進む前に、アナログ動作の加速度計回路の動作をムービーでご覧下さい。
[ ムービーを見る (11MB) ] (別ウインドウで開きます)
※ デジカメがムービーモードではマクロ撮影できないので、通常距離で撮影したものを部分拡大していますので画質はものすごく悪いです。ご了承ください。
※ テスト回路のため、±0表示は緑ではなくピンクLED、停車検出は赤ではなく青LEDを使用していくます。
※ ムービーは削除しました。
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● 微分回路
今回の回路の要です。
入力端子に入れた車速電圧(1V=100Km/h)を微分して、変化量を電圧出力します。
感度はVR1で調節できます。
少し注意が必要なのは、オペアンプで微分回路を作ると基礎は反転増幅回路なので、入力電圧が上がる(加速)と出力電圧はマイナスに、入力電圧が下がる(減速)と出力電圧はプラスに変化しますので、表示側はそれに対応した表示になるようにする必要があります。
何か別の用途・回路で使う場合に「入力電圧が上がったら出力電圧もプラスが欲しい」というような場合は、もう一段反転増幅回路を加えて位相を反転させてやればいいでしょう。
尚、今回も(いつも・・・)オペアンプをプラス・マイナスの両電源で使用せずに+5Vの単一電源で使う回路にしていますので、規準電圧はGNDではなく別の部分で作った1/2Vcc(2.5V)を与えています。
ですから出力も「加減速なし=2.5V」「加速=2.5Vより低い電圧」「減速=2.5Vより高い電圧」となります。
LM358の特性により、出力電圧は最大でVcc-1.5V (3.5V)までしか上がりません。後のLED表示用の電圧比較部ではこの範囲内の電圧で動作するよう設計しなければなりません。
別の用途(アナログメーターで加速度表示をするとか…)でフルに5Vまで欲しい場合は、ちょっと高いですがレールtoレールタイプのオペアンプを使用してください。今回はその必要はありません。
● LED表示回路
微分回路の出力電圧でLEDを点灯させる回路です。
R12〜R19で比較用電圧を作り、それぞれのLEDが比較用電圧と入力電圧(微分回路の出力)の関係で表示条件が成立した時にLEDを点灯させます。
「加減速なし」の緑LEDは、『「加速小」も「減速小」も点灯していない』時にだけ点灯します。
更に電源は「静止用発振回路」からもらって、停車中は点滅、そうでない時(走行中)は継続点灯という表示形式が選ばれます。
● 静止検出回路
車速電圧が一定電圧以下の場合を「静止(停車)」と判断する電圧比較回路です。
静止と判断するスピードはVR2で0〜10Km/hの間で調節できます。
静止と判定した場合の出力はR9・C7の積分回路で2〜3秒ほど遅らせます。
逆に静止状態から走行状態に変化する場合はD1経由でC7をすぐに放電させて一瞬で走行判定にします。
静止を検知しているかはLED1の点灯状態でわかりますが、積分回路の出力状態ではありません。
あくまでスピードを検査して静止状態と判定しているかどうかです。
尚、LED1はテスト用・調整用であり、ご希望にはありませんのでパネル表面に出す必要はありません。
● 静止用発振回路
静止状態の時に「加減速なし」の緑LEDを点滅させるための発振回路です。
点滅スピードはVR3で調節できます。
静止状態を検出すると発振します。
この発振回路が発振したからといって、それだけでは緑LEDは点滅しません。
加減速検出回路が加速や減速を検知せず、「加減速していないから緑LED点灯」と判定した時にだけ緑LEDは点滅します。
走行中は発振を停止して、出力は緑LEDに電源を供給しっぱなしになります。この状態で加減速なしで緑LEDを点灯させると点滅はせずに連続点灯します。
● 組み立てと調節
組み立てた後、テストは車に繋がずに行います。
車速入力端子に、抵抗30KΩと10KΩ程度の可変抵抗(操作しやすいようにボリュームが良い)を図の通り繋ぎます。
これでボリュームを回せば仮想的に0Km/h〜125Km/hまでの車速電圧を入力できます。
(FV変換回路を自作されているような方には説明も要らないと思いますが…)
ご覧頂いたテスト回路のムービーはこうしてボリュームを回してテストしています。デジタルスピードメーターはもちろんここの電圧を表示しているテスターです(^^;
○ テスト開始
VR1、VR2、VR3は全て真ん中に合わせておいてください。
この状態でテスト用VRを左いっぱいに回して車速電圧を0Vにし、回路の電源を入れます。
最初はLEDがパラパラと点灯して数秒後に徐々に消えます。
これは回路内の各コンデンサが規定の電圧になるまで、準備ができずにLEDが点灯してしまうためで気にしないでください。
製作の間違いがなければ、「加減速なし」の緑LEDと「静止検出」の赤LEDが点灯します。
「加減速なし」の緑LEDは停車を意味する点滅をはじめます。
緑LEDの点滅速度はVR3で調節できます。
お好みにあわせて調節してください。
○ 加速度検出のテスト。
テスト車速ボリュームを右に回して、速度を上げる操作をすると加速側の赤色LEDがボリュームを回すスピードに応じて1個から3個の間で点灯します。
どこかで止めると加減速していない状態なので加速側の赤色LEDは消えて「加減速なし」の緑LEDが点灯します。
テスト車速ボリュームを左に回して、速度を下げる操作をすると減速側の青色LEDがボリュームを回すスピードに応じて1個から3個の間で点灯します。
テスト車速ボリュームをいろいろな速度でぐりぐり左右に回して、LEDの点灯・変化・消灯のようすを楽しんでよく確認してください。
ここまでテストできたら、感度調節用のVR1を左に回すと感度が落ちてスピードの変化が早くないとLEDが3個点灯しないこと、右に回して感度を上げると少しの変化でもLEDが3個点灯することを確認してください。
感度調節も変更できれば加減速判別とLED点灯回路は正しく動作しています。
VR1を真ん中あたりに戻して、実車に接続しての調節を待ちます。
○ 静止検出の調節。
テスト車速ボリュームを右に回して速度を上げる操作をすると10Km/h前後で「静止検出」の赤LED(LED1)が消灯し、左に回して0Km/hくらいまで落ちるとLED1が消灯します。
VR2をなるべく左に回して、上記の走行中はLED1消灯、停車するとLED1点灯する位置をなるべく左側で効くところまで下げます。
VR2を左いっぱいに回してしまうと、停車してもLED1が点灯しなくなりますから、うまく調節してください。
○ 実車での感度調節
ここまで調節できたら、後は実車に載せて本物の速度電圧信号を接続して、「急加速・急ブレーキ程度でLEDが3個点灯するよう」実際に走ってLEDの点灯状態を確かめながらVR1で感度調節をします。
ただ、お願いですから運転者一人で運転しながらの調節は絶対にしないでください。
助手席に助手の方を乗せてその方にVR1を回してもらうとか、一人運転の場合はVR1の調節は必ず停車中に行うなどとし、絶対に走行中に運転者の方が調節を行うことはご遠慮ください。
万が一警察官にみつかった場合、運転中の(携帯電話やその他装置の)わき見操作として検挙される可能性があります。
最後に、もしよろしければ車速パルスから車速電圧へのFV変換回路の回路図をどこかで公開していただけませんか?
この記事を参考に自分の車につけたいとお考えになる方もいらっしゃるかもしれません。
そういう方が肝心のスピード情報を車から得られなかったらこの回路は意味を成しませんので、もしできれば公開して誰でも作れるよう作り方を教えてさしあげてください。
お返事 2010/7/4
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車速パルスのF/V変換について
波形整形部
「車速パルス信号はきれいな信号ではなくてGND以下に落ちている部分が1V以上あったり、停車時はDCオフセットが1V程度あったり、出力波形が数百mV単位でふらついていたりするので、きれいな信号を得るために、ダイオードでGND以下の電位と12V以上の電位を除去した後、信号に含まれるノイズ対策としてコンパレータで4.7%というかなり大きなヒステリシスを持たせたしきい電圧を与えて元信号をザックリと整形。オープンコレクタ出力を+5Vでプルアップして最後の仕上げに74HC14を通過させて波形整形完了」という製作例をネットで知り取り入れました。(しきい電圧チェック用にLEDを利用。全く点滅しない電圧からチラチラし始める電圧まで下げさらに少し下げてチラチラがはっきりしたところで固定。)これできれいな車速パルス信号が取り出せたはずです。
TA8029S部
端子1:データシートの応用回路例と違っています。他のF/V変換ICの応用回路例なども参考にして試行錯誤の結果4.7KΩと0.47μFをこのように接続しましたが理論は全くわかりません。
端子2:6800pFは100km/hのとき1V出力に設定するために端子3の固定22KΩ+半固定10KΩとの組み合わせで選んだ値です。
端子3:22μFはデジタル表示値と車のメーターの動きが合うようにと選んだ値です。
端子4,6と端子7,8:しきい値付近で暴れないように大きなヒステリシスと74HC14を併用。警告灯など別回路用に35〜143km/h間で設定して判別信号を供給したいと思っています。
TA8029Sの出力処理部
ボルテージフォロワ+減算回路で調整して、高速になるほど計算値より出力電圧が低くなる現象を改善。
減算しすぎると高速になるほど計算値より出力電圧が高くなるのでちょうどいいところを探します。
車載テストをするのがなかなか難しいのですが、車のメーターで60km/hのほぼ定速走行をした時の出力電圧を0.6Vに調整した状態で車速パルスの代わりに32Hzのテスト信号を入力すると0.46〜0.47Vとなったので32Hzと128Hzのテスト信号で約0.47Vと約1.88Vになるように調整しています。
私の配線図は速度計と回転計のペアになっていますが、パルス数の違いに対応しただけで同じものです。
大変わかりにくい図だとは思いますがどうかよろしくお願いします。
とっちん 様
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お返事 |
お送りいただいたExcelのシートを画像にして掲載いたしました。
F/V変換の電圧が低速と高速で狂うということですが、データシートでは綺麗な直線になるはずなので、コンデンサの選定やほか何かで狂う原因があるのかもしれません。
しかし、パルスに応じて充電・放電して出力電圧を作る回路ですから、低い周波数(数Hz程度〜)ほど不安定になるのは仕方ないのであまり低い電圧に対して期待を持たないほうがいいと思います。
TA8029Sの入力端子はデータシートのブロック図からもわかるようにシュミット入力になっていますから、74HC14は不要ですしなぜか0.47μFで微分入力にしていますが、そうしないと働かなかったのでしょうか。だとしたら不思議です。
入力コンパレータの確認のためにLEDをつけたいので74HC14をつけているという理屈なら74HC14を使っているのは別にかまいません。でもそのままTA8029Sの入力端子に繋いでちゃんと動作しないのであれば問題ありですね。
この資料がこれから作られる方の参考になるといいですね。
お返事 2010/7/13
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